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そして夜が明けた

 そして夜が明‥‥ぶっちゃけ5日経った。

あれから本当に大変だった。

ロドリゲス、冒険者ギルドのギルマス、商業ギルドのサブギルマスとの三角関係が一夜にして街中を駆け巡った。

念のため言っとくけど、三角関係と言っても決して卑猥(ひわい)な内容じゃないからね?

まぁ一部の女性達の間で盛上ってたのは事実だけど。

 この影響で、3日くらい冒険者ギルドと商業ギルドの機能が麻痺してしまったらしい。

 さらにこの情報が外遊中のラドリゲス男爵にも伝わり、2日後にラムシートへ帰還したようだ。

噂ではロドリゲスは勘当されたらしいが、まだ噂の段階なので何とも言えない。

 でも商人や冒険者の人達からは、沢山のお礼の言葉を頂いちゃいました。

その際に私の渾名(あだな)が決められたんだけど‥‥


「あ、黒神(くろかみ)のツインテールだ!」

「ほんとだ!」

「俺達のヒーローだぁ!」

「街のヒーロー、黒神(くろかみ)のツインテーーール!」

「可愛い!」


 とまあこんな感じで、街中を歩いてると、黒神(くろかみ)のツインテールって呼ばれてたりする。

渾名の付け方がオヤジギャグっぽい気がするのは気のせいかしら‥‥。

それから最後の人、もっと言って!


「お姉様と違い、わたくしの場合は、黒神の色違いと呼ばれてるのですが‥‥」


「いいじゃない、その内慣れるわよ」


「慣れたくありません!」


 アイカに対しては、また私に黙ってお菓子を注文(召喚)したので、その罰として暫くの間、黒神の色違いと呼ばれてもらおう。


「冒険者としてもEランクに昇格したけど、Dランクに昇格するには試験を受けなきゃならないのよねぇ‥‥」


 冒険者ギルドの受付嬢さんに‥えーと、シルさんに聞いたんだけど、試験に合格しないとDランクには昇格出来ないらしい。

試験は筆記と実技が有り、試験は3日もかかるめ、どうしようか悩んでいた。

 ちなみにシルさんは、初日にギルドに居た受付嬢さんだ。


「一度~、ダンジョンに戻られては~?」


「そうねぇ‥‥」


 セレンに言われて気付いたけど、もう10日もダンジョンから離れてるのよね。

そう思うと、モフモフ達がどうしてるか気になってきたわ。


「あ!お姉様!」


「どうしたのアイカ?」


『ダンジョン通信を通して、お姉様にダンジョンバトルの申込みがきてます』


 急に念話に切り替えたと思ったら‥‥確かに街中で話せる内容じゃないわね。


『宿に戻って話しましょうか』




 という訳で宿に戻ったので、さっそく詳細の確認に入る。

 バトルの申込みがあったのは、10分前くらい。

申込んできたのは、マスターランクGのグーチェスというダンジョンマスターだ。

名前言われても誰よアンタ状態だけども。


「ではダンジョンバトルについて、わたくしアイカから説明させていただきます」


「うん。お願いね、アイカ」


「ダンジョンバトルとは、ダンジョンを持つもの同士が行う闘いで、勝てば邪神様から御褒美が貰え、条件が達成してればランク昇格もあります。しかし、負けるとペナルティとして、DPの寄付や他のダンジョンでの奉仕活動、場合によってはランクの降格があります。それ以外にも、予め互いにDPを賭けたり、アイテムを賭けたりする事も可能です」


 何故かサラッと邪神が出てきたんだけど気にしたら負けよね?


「ダンジョンバトルを行う本来の目的は、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、ダンジョンマスターとしてより強くなる事にあります」


「強くなって何をする訳?」


「そこまではわかりません。ですが、強くならない事にはダンジョンに浸入した冒険者や魔物、或いは国軍等の間食となってしまいますので、経験を積んで強くならないといけません」


 これはある程度予想してたけどね。

対話を求めるにしても、武力が無いと相手に舐められる。

脅威に感じない相手など気にする必要はないだろう。


「バトルの方法も様々で、互いに相手のダンジョンに侵攻する攻略戦、先に目標物を奪取する若しくは破壊する戦略式、お互いの眷族で対決する試合形式、等々です。どの様に対決するかは、お互いに話し合って決めます。折り合いがつかなければ、バトルを拒否する事も出来ます」


 うんうん、やっぱり強制的にバトルするのはダメよね。

それに自分に有利な内容でバトル申請してくる奴が多いだろうから、拒否出来るなら安心だわ。


「バトルを申請出来る相手ですが、自分のランクの上下1ランクまでです」


 つまり、自分がBランクなら、AランクからCランクまでの相手なら申請可能って事ね。

 そういえば私自身のランクがわからないけど、何ランクなのかな?


「お姉様のランクはGランクです。1度もバトルをしてないので、1番下のランクです」


 あらら‥‥。

まぁダンジョン開放してから何もしてないんだから当たり前ね。


「バトル中は地上との出入口を封鎖され、中に居た冒険者達も強制的に外へ放り出されます」


 放り出されるって‥‥、なんかお宝を前にして、強制的に外へ放り出される冒険者を想像しちゃったじゃない。


「説明は以上です。何か有れば、その都度説明致します」


「わかったわ。バトルの形式も決めないといけないし、ダンジョンに戻りましょう」


 私は数日間お世話になった宿屋の女将さんと、冒険者ギルドの受付嬢達に挨拶し街を離れる事にした。

宿を出る際に、宿屋の女将さんと娘さんにお礼を言われた。

何でも、ロドリゲスの件で私の名声が高まり、私が泊まってる宿屋として人気が出たのだとか。

 初日からずっと同じ宿にしか泊まってないからね。

理由は他の宿に移る必要がなかったからなんだけども。

でも私が街から離れる事を話しても、特に問題ないと言われた。

これからは、私が泊まっていた宿屋として人気を泊していくとか‥‥商魂(たくま)しいです、はい。


 冒険者ギルドの方でもお礼を言われた。

ロドリゲスの件は勿論だけど、意外な事実が発覚した。

なんとこの冒険者ギルド、実は国営なのだとか。

本来冒険者ギルドは、どの国にも加担せず中立を保った組織である。

しかし数年前に、ロドリゲスと冒険者ギルド側が揉めて、元々有った冒険者ギルドが街から撤退したらしい。

 でも今回の件で、再び本来の冒険者ギルドが街に戻る算段がついたため、元に戻るらしい。

成る程ね、どうりであのギルマスは典型的な中間管理職っぽいと思ってたのよね。

恐らく国の文官だった‥ってとこね。


 怒涛(どとう)の数日間を過ごした街から少し離れた森の中に入り、周囲に誰も居ないのを確認し、私達はダンジョンへ転移した。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「お帰りなさいッス姉貴!」

「お帰りである。(あるじ)

「お帰りやでーっ!」


 まずダンジョンで出迎えたのは、クロとザードとホーク。

皆元気そうで何よりだわ。


「ただいまーっ!なんか10日ぶりくらいのはずなのに、数年間ぶりに戻った感じがするわぁ‥‥」


 眷族達からの出迎えを受け、自分の居場所に帰ってきたんだという実感が沸いてくる。


「数年間とは大袈裟じゃの(しゅ)よ」


「そうですね~、せめて数ヶ月ぶりくらい?でしょうか~♪」


 何でもいいのよ。

気持ちが大事よ、気持ちが。


「そういえばモフモフとレイクは?」


「アニキならコアルームに居るッスよ。レイクはいつもの場所(火山エリア)で寝てるんじゃないッスかね」


「レイクはいつも通りやな。モフモフは、ダンジョン通信からバトルの申請が届いてから、闘うのを心待ちにしてるんやろなぁ」


 まぁ血の気が多そうだもんねモフモフ。

レイクは‥‥うん、知ってた。


「アイカ姐さんもコアルームに直行したッスよ」


 そういえばさっきからアイカが静かだなぁと思ってたら、既に居なかったようだ。

 それじゃあモフモフも待ってる事だろうし、コアルームに行きますか。




「姉御ーーーっ!!お待ちしてやしたぜ!」


「ただいまモフモフ」


 コアルームで元気良く迎えてくれたモフモフだが、なんとなく殺気だ立ってるのがわかる。


「落ち着いて下さいモフモフ」


「でもアイカ姐、カチコミなんですぜ?これが落ち着いてられるってんですかい!?売られたケンカは買わない訳にゃいけませんぜ!」


 うん、間違いなくモフモフは戦闘狂ね。 

なんか「(いくさ)が俺を呼んでいる!」とか言いそうだもんね。


(いくさ)が俺を呼んでるぜぃ!」


 ‥‥ほらね?

とは言え、一端落ち着かせないとね。


「とりあえず落ち着いて、モフモフ。皆もいい?これからバトルの形式を相手と話し合うから、大人しく待っててちょだい」


 モフモフは微妙な顔をしてたけど、他は皆頷いてくれたわね。

 じゃあさっそくダンジョン通信で相手を呼び出してみようかな。



アレクシス王国:天前愛漓(あまさきあいり)

『今話しても大丈夫かしら?』


チョワイツ王国:グーチェス

『ああいいとも。では一応名乗らせてもらおう。俺の名はグーチェスだ。チョワイツ王国内に存在するダンジョンマスターだ』


アレクシス王国:天前愛漓

『天前愛漓。アレクシス王国に割りと近い所のダンジョンマスターよ』


チョワイツ王国:グーチェス

『バトルの内容だが、互いにボスを決めて、そのボスをどちらが先に倒すかを競うのはどうだろう?』


アレクシス王国:天前愛漓

『いいわよ。DP(ダンジョンポイント)とモンスターの数に制限は?』


チョワイツ王国:グーチェス

『どちらも無制限だ。手持ちのDPが有る限り、いくらでも召喚していい。勿論アイテムも同様だ。ただし、バトルが終わっても消耗したDPは戻らないから注意しろよ?』


アレクシス王国:天前愛漓

『親切にどうも。バトルの日時は明日の昼12時からでいいかしら?‥‥後、ダンジョンマスターは戦闘に参加出来ないんだっけ?』


チョワイツ王国:グーチェス

『ダンジョンマスターが直接参加するのは、危険が伴うため禁止されてるな。時間の方はそれでいいぞ。他に確認事項はあるか?』


アレクシス王国:天前愛漓

『じゃあ最後に、今回のバトルには、特に何も賭けないって事でいいかしら?』


チョワイツ王国:グーチェス

『俺達の間では特に無しって事だな、それでいいぞ。じゃあ明日の昼に会おう』


アレクシス王国:天前愛漓

『了解。じゃあ明日ね』


 さぁて、バトル内容も決まったし、明日は初めてのダンジョンバトルね、腕が鳴るわぁ!


「見てください、先程また明日ね♪‥と言った後のウキウキしたお姉様を。まるでデートの約束をしたかの様です」

 ん?


「ホンマやで。まるで明日のデートコースをどこにしようか迷ってるみたいで、ごっつう楽しそうやなぁ」

 ちょっとちょっと!


「なんじゃ、(しゅ)は男をタブらかしておったのかや?」

 コラコラコラーッ!


「茶化すんじゃないわよ!」


 まーたコイツらは、人が真剣に考えてる時に!‥‥って、落ち着け、冷静に冷静に。

 全くもう、確かに初めてのバトルって事でウキウキしたのは事実だけど‥‥。

 それは兎も角、


「明日のバトル、こっちのボスはモフモフにお願いするわ」


「出番ですかい?任せてくだせぇ!!」


 明日のために今日は早めに寝よう。

でも、その前に‥‥


「アイカ、ホーク、アンジェラ、茶化した罰として、明日のバトル終了までスイーツは無しよ」


「「「え!?」」」


 うんうん、鳩が豆鉄砲でぶち抜かれた様ないい笑顔を見てスッキリした。

 今日は良い夢見れそう♪


いよいよお待ちかね?のダンジョンバトルです

ダンジョンマスターの本良発揮ですね

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