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捕らわれの‥‥

ロドリゲス視点


 この街の全ては俺のもの!

この街が領主である父のものなら、その父の嫡男である俺のものも同然だ。

俺は次期当主なのだから、今の内に威厳(いげん)を示すべく何も前から動いていた。


 まず手始めに、商人共には食料品から工芸品に至るまで、常に必要な物は俺の方を優先させた。

例え他の者が欲していたとしても、それこそ飢餓で苦しんでる村が有ったとしても、俺が必要なら俺を優先だ。


 次に、街に居る女で容姿の優れてる者が居れば、皆俺の手付きにする。

もし人妻だったとしても関係ない。

 逆らえば不敬罪として屋敷の地下に監禁する。


 最後に冒険者共だ。

ランクの高い者は俺の専属護衛として向かえ、もしどんなイザコザがあろうと黙認させる為、ギルドのマスターには金で黙らせる。


 これで大抵の事は問題にはならない。

立場上父はこの街を不在にする事も多いため、咎める(とがめる)者も居ない。

全ては俺の思うがままだ。


「俺はとんでもない強者と聞いたんだがなぁ?」


 ある日、専属護衛の4人が、手も足も出せずにやられたと言ってきた。

最初に聞いた時は、専属護衛として向かえようかと思ったのだが、その本人が言うには昨日冒険者登録をしたばかりの初心者というではないか。


「いえ、間違いなく強ぇですよ!」


 しかもまだ未成年の少女であって、この少女1人に大人の男4人が負けた等と、何を馬鹿な事を言ってるのだ。


「1対1じゃないんす!俺ら4人がかりでも軽くあしらわれたんすよ!」


 まぁ腕には自信が有るのかもしれんが、戦いは腕だけではない。

頭が良くなければ生き残れないのだ。

 そういう意味ではまだまだ未熟だったようだがな。


「‥ふん、まあいい」


 最初コイツらに泣きつかれた時は何事かと思ったが、会ってみれば何て事はないただの小娘。

この小娘が本当に強者なら、ここまで無警戒なんて事はないだろう。

良くて多少腕に覚えのある程度だろうな。


「後はコイツの仲間達だが、その中に上玉が居るんだな?」


「へい。そりゃもう、少なくともこの街の中じゃあベスト3以内は間違いないですぜ!」


「その仲間の中では最年長だと思いやす。名前は確か、アンジェラって名前です。多分見たらすぐわかりやすぜ!」


 ククク、それは楽しめそうだ。

さっそく明日中に来るようにギルドに使いをよこすとしよう。

その上玉以外の小娘共も、場合によっては専属メイドとして迎えればいいしな。

 アイリという仲間を捕らえてる以上逆らえまい。


「ところで、あの捕らえた糞ガキの小娘ですが‥‥」


「‥‥ああ。好きにするといい。ただし、絶対に殺すなよ?」


「へい、わかっまさぁ!‥おい、お前ら行くぜ!」

「「「おう!」」」


 護衛達が退出し、静寂(せいじゃく)が訪れる。


「‥‥さて、あのアイリとかいう小娘は、力を過信し足元を掬われた(すくわれた)わけだ。目を覚ましたら、さぞ絶望する事だろう。ククク‥‥」



アイリ視点


「‥‥とでも思ってるんでしょうね」


 残念ながら、お茶に睡眠薬が入ってた事くらい、既に鑑定済みなんですねー。

 しかーーもぉ、ステータス異常はバッチリと対策済み‥‥と言うより、ミルドの加護はバットステータスにならないんですって。

 そんでもって、頃合いをみて、罠に掛かったフリをしたのでしたー♪


『はい、以上種明かしでしたっと♪』


『‥‥お姉様のテンションが異常です!これはもしや、薬物中毒というものなのでは!?』


『断じて違う!!』


 ‥とにもう、ちょっとふざけただけじゃないの‥‥。


『て事で、ロドリゲスの使者が何か言って来るかもしれないから』


『うむ、こちらの対応は委せるがいい』


 アイカ達には念話で伝えたから、後は何かロドリゲスの弱味になるものを探そうかな。


「私は独房(どくぼう)に入れられたけど、他にも捕まってる人がいるはずよね」


 さっそく牢を出て辺りを探ってみる。

あ、そうそう、縄で縛られてたけど、あんなもの力尽く(ちからづく)で引きちぎったわ。


 辺りを歩き廻ってわかった事だけど、あのロドリゲスという男は本当にゲスね。

何人もの女の人が、監禁されてるのを発見したわ。

‥‥しかも裸でね。

 本来ならすぐにでも救出したいところだけど、今やると完全に私が悪者になってしまうので、可哀想だけど今は我慢してもらおう。

 どうせ不当なやり方で捕まえてるんだろうし、その証拠になりそうな物を抑えるのが先ね。

 ちなみに、女の人に混じって男の人(勿論裸で)も居たみたいだけど、何故そこに居たのかは、あまり知りたくない気がする。


「証拠となると、やっぱり本人の私室が一番可能性が高いわね」


 とはいえ、ロドリゲスの私室がわからない以上、この物凄く広い屋敷をしらみ潰しに‥‥って訳にはいかないし‥‥。

さて、どうしたものか‥‥と、その時、前方から聞き覚えのある声を耳にする。


「おい、早く行くぜ!」

「わぁーてるって」

「早くあの糞ガキをいたぶってやるぜ!」

「おうよ、全裸に引ん剥いて(ひんむいて)土下座させてやらぁ!」


 丁度いいからコイツらに聞いてみよう。 

それに今、聞き捨てならない事を言ったわね?私を全裸にするとか言ったヘンタイ野郎は、絶体に後悔させてやらないと!


「さーて昨日の礼を‥‥っ!おい、あのガキが居ねぇぞ!?」

「馬鹿な!?ちゃんと縛ったはずだぞ!?」

「くそっ!まだ近くにいるはずだ、絶体に捜し出s「その必要はないわ」


 私はチンピラ共の後ろから現れるのと同時に、近くにいたチンピラ1人に回し蹴りを見舞ってやる。

受けたチンピラは、奥の壁まで吹き飛ぶ。


「な!?いつの間に!」


 仲間が吹き飛び動揺してる間に、もう1人にボディブローをかましてやる。


「く‥くそがぁ!」


 ヤケクソ気味に殴りかかってきた奴を、勢いを利用して背負い投げ。


「‥ひ、ひぃぃ‥‥」


 そして尻餅を着いて後ずさる最後の1人‥‥よく見たら、コイツが私を全裸にするとか言ってた奴じゃない!

 ‥‥この野郎には()()に、()()()()()()()威力を調整した蹴りを股間にプレゼントしてやる。


「ぎゅぅおあがぁぅえあぐぅぉぁあーー!!」


 かつてない激痛に泡を吹いて気絶する最後の1人‥‥女の敵は成敗した。


「ふぅ、試しに使ってみた魔法が役に立ったわね」


 実は、チンピラ共が来た時、火属性魔法のシェマーを使ってみたのだ。

シェマーとは、自分自身を相手から認識阻害させる魔法だ。

ただし、その場から動いたら効果は失われるという少々微妙な魔法だったけど、今回は上手くいった。

 チンピラ共は私の存在に気付かずに、牢の中に入っていったので、後ろから挨拶してあげたって訳よ。


「さてと‥‥コイツらには聞かなきゃいけない事があるから叩き起こさないとね」


 ロドリゲスの私室の場所を聞き出すため、股間を押さえて気絶してる奴以外のチンピラ共を叩き起こした。


「ロドリゲスの部屋まで案内してちょうだい」


「‥わ、わかった、わかったから、その蹴りを放つポーズは止めてくれ!」


 どうやら最後に成敗したチンピラが、股間を押さえて気絶してるのを見て、彼に何が起こったか察したらしい。


 素直さ100%に成ったチンピラ共に案内されて、ロドリゲスの私室に着いた。

移動中あまりにもビクビクするので、案内が終了したのと同時に解放した。

居ても邪魔なだけだし。


「さてと、何が出てくるでしょうかね♪」


 悪趣味な黄金色に輝く部屋の隅々まで探す。

引き出しとか本棚とか、目につく所には何もなかった。

仕方ないので、棚の裏や額縁の裏とかも探してみる。

 ‥‥あ、額縁の裏から羊皮紙が出てきたわ!どうやらビンゴみたいね。


「これは契約書ねぇ‥‥」


 契約書といっても地球のと違う点があり、イグリーシアの場合、契約違反を行うと即座に魔法が発動し、違反者にペナルティを課すのである。


「見事に額縁の裏側に隠してあったけど、隠す場所って地球もイグリーシアも同じ感覚なのね‥‥ってそんな事はどうでもいいわね今は」


 契約書は2枚有り、内1枚は商品の卸値や物量等の契約書だ。

商業関係の内容みたいだけど、素人の私が見てもよくわからないわよね。

でも隠してあったという事は、見付かるとマズイって事。

 誰か商業関係でわかる人に‥‥いるじゃない!つい最近知り合ったばかりの商人さんが。


「アルバムーン商会のドルトンさんに見てもらうのが早いわね」


 1枚目はこれでいいとして、2枚目の契約書の方は‥‥って、これ!


「冒険者ギルドのギルドマスターって書いてあるじゃない!」


 そう、2枚目はなんと、この街の冒険者ギルドのギルマスとの契約書で、名前はバルクレオと書いてあった。

あのギルマス、バルクレオって名前だったのね。

契約内容は、ロドリゲスの専属護衛がトラブルを起こしても黙認する事と記されている。


「これはすぐにでも使えるわね」


 でも出来れば商業関係の方も同時に潰してやりたいので、先にドルトンさんに見せに行こう。

 スマホを見ると、時刻は18:10になっていた。


「時間的には、まだ今日中でも大丈夫そうね‥‥アレ?」


 使用した覚えのない履歴を凝視(ぎょうし)してみると、そこには六〇亭のバタ〇サンドを箱で注文(DPで召喚)した履歴がしっかりと残っていた。

 時間的に考えて、私がロドリゲスの屋敷に着く少し前だ。

スマホ無しでどうやって召喚したのか、ちょっと追及しないといけない。


『アンジェラにセレン、聴こえる?』


『聴こえておるぞ主様よ』

『は~い♪』


『今からドルトンさんの務めてる、アルバムーン商会の場所を探してちょうだい』


『了解したぞ』

『はい~♪』


『アイカはそのまま宿で待機してて』


『はいお姉様』


『宿に帰ったら、ちょーーっと聞きたい事があるから。‥‥バタ〇サンドの件で』


『‥‥えーと‥‥コホン。コノネンワハ、ネンワノトドカナイバショニイルカ、デンゲンガハイッテイナイタm『このおバカーーッ!!』

『すみませんお姉様!なにとぞお慈悲を!』


 全くもう、油断も隙もありゃしないわ‥‥。


『スマホ無しで召喚した方法を、後で教えてもらうからね』


『‥‥はい』


 さてと、ロドリゲスが気付く前に退散しますかね。



眷族の紹介


名前:ファイアドレイク 眷族名:レイク

巨大な飛竜で、炎を全体に纏っている。

やる事が無いので、普段は火山エリアで寝ている。


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