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儚き少年の夢

ブクマ増えてますね、有難う御座います。

今後の励みになります。m(._.)m


5/13 レックスとアイリが遭遇した魔物をダートヘッジホッグからベビーヘッジホッグに変更してます。

ストーリーに変更は御座いません。

 昼食後、私達はレックス達と再び冒険者ギルドに来ていた。

討伐依頼を合同で受けるというものだが、よく考えてみれば、複数パーティで依頼を受ける事って出来るのだろうか?

せっかく一緒に依頼を受けようと誘ったけど、出来ないんじゃ意味がない。

けどギルドにて確認すると、問題ないとアッサリ言われてしまった。


「別に駄目ではないわよ? 命に関わるんだし、人数が多いほど成功率も上がるでしょ? 自分よりランクが上の冒険者がいれば、その冒険者と一緒の基準で依頼が選べるしメリットはあるわ。但し、報酬額は変わらないから、後で報酬で揉めないようにね」


 とまぁ、報酬の分配で注意すればいいって事が、ローニアさんに聞いてわかった。


「レックス達は、どれがいいと思う?」


 今現在受けれる依頼だと、強い魔物はいないためレックス達に選ばせる事にした。

レックス達はFランクの冒険者らしいので、受けようと思えばDランクの依頼を受けられるのである。


「このクラッシュベアの討伐なんてどうだ? 多人数で囲んじまえば楽勝だろ?」


「でもアイリさん達にとっては初めての討伐依頼なのですから、もう少し難易度を落とした方がいいと思いますよ?」


「そうだぜレックス。俺達は良くても、アイリさん達を怪我させたくないだろ?」


「そ、そうだな、すまん‥‥」


 ちゃんと私達を気遣ってくれてる点は好印象ね。

何せ昨日のチンピラ共の印象が強すぎて、冒険者=粗暴ってイメージがね‥‥。


 でもゴメンね‥‥クラッシュベア余裕です‥‥。


「やっぱりゴブリンあたりが無難じゃないか?」


「‥‥いいと思う」


「ゴブリンなら巣に近付かなければ問題なさそうだね」


「‥そう‥だな。よし決まった! このゴブリンを10匹以上討伐の依頼にしよう!」


 どうやら決まったらしい。


「決まったようですね。早く受付に行きましょう」


「‥‥あ~、アイカさん。ちょいとばかし、今はタイミングが悪いや‥‥」


「何故です?」


「ほら、受付嬢と話し込んでるアイツら。この街じゃ、ちょっと有名なヤツラなんだ。勿論悪い意味でな」


 アルバの視線を追うと、そこには昨日ボコッたチンピラ共がいた。

しかも受付嬢をナンパしてる‥‥。


「彼らは冒険者パーティ「葡萄園(ぶどうえん)の誓い」で、この街の領主ラドリゲス男爵の息子ロドリゲスの専属護衛だ」


「‥‥関わらない方が無難」


 ゴメン‥‥それも知ってます‥‥。

‥‥いや、パーティ名までは知らなかったわ。

葡萄園の誓い? なによそのどこにでも有りそうな、飲み会サークルのような名前は。

 ‥‥あ~、自分で言っといてあれだけど、飲み会サークルの名前だとしたら、コイツらにピッタリだわ。


「でもどうするの? このままだといつ終わるかわかんないわよ?」


「うーん、どこかで時間を潰して来るしかないかもなぁ」


 ちょっとアルバ君、なんでそんな遠回りな事しないといけないのかな?

さすがにそれはダメよ。

ここは一つガツンと言わないと!


「それなら私に任せてくれる?」


「え!? 任せるって、どうすんだ!? アイツらはマジでやべぇぞ!」


 レックスはちょっと落ち着きなさいっての‥‥。


「大丈夫です !お姉様がアイツらをぶっ飛b‥むぐぐぐ‥‥「アイカは黙ってて」


「ちょっと話してくるだけだから安心して」


「‥‥わかった。危なくなったらすぐ逃げろよ?」


「わかってるわよ」


 まぁ、話してわかるなら苦労しないんだけど、あのチンピラ共の場合OHANASHIしないといけない可能性が高いわね。

少々面倒くさいと思いつつ、受付嬢のところへむかう。


「なぁいいじゃねーかよ。ちょっとくらいよぉ」

「そうだぜ。それに金の心配ならいらねぇぜ? なんせ領主様は太っ腹だからよ!」


「結構よ。私は仕事中なの」


「そう言わずによぉ」


 ローニアさんがナンパされてる訳だけど、キッパリと断ってるわね。

あの妖艶な美女のローニアさんならモテそうだから、かなり前から誘われてるのかもね。


 でもコイツらには不釣り合いね。

まさに美女と野獣ってやつよ。


 って、いい加減コイツら止めないと‥‥。


「ちょっと、邪魔だから退いてくれる?」


「ぁあ!? んだよ誰が邪魔だっ‥て?‥」


 コイツらも私を見て固まってるわ。

人の顔見て固まるのって流行ってるのかしら?


「‥くそっ、おい、行こうぜ!」

「‥‥あぁ」「‥‥チッ」「‥‥‥」


 ん? 今日は大人しく引き下がるのね?

まぁ面倒がない方が有り難いんだけと。


「ローニアさん大丈夫ですか?」


「あらアイリちゃん。有難う、私は大丈夫よ」


 最初から相手にしてなかったみたいだから、大丈夫なのはわかってたけどね。


「おい、アイリ!アイツら出ていったけど、いったいどうやって‥‥ハッ! まさか!? アイリが色仕掛けでアイツr「んな訳あるかぁーーーっ!!」


 なんでアイツらごときに色仕掛けなんてしなきゃならねーのよ!

有り得ないから! 絶対!


「ち、違うんだな? 色仕掛けとかしてないんだな? 信用するぞ?」


「くどいわよ!」


 レックスも本当に落ち着いてちょうだい‥‥。


「色仕掛けなんかしなくても、お姉様なら片腕一つで‥むぐぐぐ「だから余計な事言わないの!」


 どうして私の周りは落ち着きがない子が多いのかしらね‥‥。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 少し予想外な出来事があったけど、予定通りゴブリンの討伐依頼を引き受けた。

ゴブリンが出現する場所として、街の北にある森の中での目撃情報が多いため、あまり奥に行かない程度まで移動した。


「この辺かな。これより奥に行かなければ大丈夫だと思うよ」


「だな。この辺りを慎重に探索して、ゴブリンを発見したら倒していくと。ただ、数が多い場合は、すぐに声を上げて知らせるって事でいいか?」


「危なくなったら知らせるのね?わたったわ」


 まだ森の入口を入ってすぐなんだけど、初心者冒険者だとここまでが限界なのかもね。

とりあえず、ゴブリンを見つけ次第倒していくって事ね。


 でも多少数が多かったとしても、倒してしまってもいいわよね?


「じゃあ2人一組で辺りを探索するって事で‥‥どうやってわける?」


 アルバが私とレックスを見ながら言ってくるけど、特に深い意味は無いわよね?


「僕は是非とも貴女と組みたいですね」

「うむ、良かろう」


 最初に決まったのはアンジェラとルークのペア。

 というか、何で簡単に決まる訳?


「‥‥宜しく」

「はい~♪」


 続いて決まったのはセレンとユユのペア。

おかしいわね。

私の予想では、最後まで残って自然に決まりそうな2人だったのに‥‥。


「じゃあアイカさん、お願いします」

「わかりました」


 そしてごく自然にアイカとアルバのペアが決まった。

 ねぇ、みんなして私とレックスを組ませようとしてない?というか絶対そうよね!?


「お、俺とアイリがペアだな‥‥ペア‥」


 こらこら、またトリップしてるじゃないコイツ!

 レックスの注意力が心配だけど、私がしっかりしてれば問題ないわね。


「ほら、他の人達はみんな探索に出たわよ。早く行きましょ」


「お、おぅ‥‥」


 さてと、なるべく奥に行かないように‥‥と‥‥

 ガサ、ガサガサガサッ!


「‥っ!何かいるわね!」


「アイリ、俺の後ろへ!」


「う、うん。有難う‥‥」


 せっかく体を動かそうと思ったんだけど‥‥まぁここはレックスに任せちゃおう。

 そして茂みの中から現れたのはゴブリン!


 ‥‥ではなくベビーヘッジホッグ。

Gランクの魔物でスライムより弱い。


「気を付けろ! コイツは針を飛ばしてくるからな!」


「わかった!」


 この程度の魔物ならレックスに任せても大丈夫ね。


「くらえっ! コイツッ!」


 チュチュチュッ!!


「イタタタッ! ‥‥やりやがったなコイツゥ!」


 もう、明らかに針を飛ばそうとしてたじゃない‥‥。

正面からじゃなくて側面から‥‥ほらぁ、こんどはそっちに向いたから‥‥ああもう!


 だからどうして馬鹿正直に正面からかかるのよ!

正直なのは私生活だけにしなさいよ!


 って、何で私が熱くなってるんだろ、落ち着け‥‥冷静に冷静に。


 で、結局戦闘が終わったら、腕が針だらけよ‥‥。

顔に当たらなくてよかったらわね。


「イツツ‥‥あーいてぇ‥‥」


名前:レックス Lv8 

HP123/104   


 鑑定してみたけど、まだ大丈夫そうね。


「もう、どうして正面から仕掛けるの?回り込めばよかったじゃない」


「いや、なんつーか‥‥正面から立ち向かわないと、カッコ悪いかな‥と‥‥」


 ‥‥呆れた。

カッコつけたいのはわからなくもないけど、そのために無茶な真似はしてほしくない。


「そんな下らない事で怪我されても嬉しくないわよ! もっと自分を大事にしなさい! わかった!?」


「う‥うん‥」


「それにね、戦いかただけど、もっと工夫しないとダメ!」


「え?」


 さすがに見てられないから、私が手本を見せてやるわ!

もう初心者のふりはやめ!


「だいたい剣の構えがぎこちないのよ!もっと切っ先(きっさき)を落として!」


「おう!?」


「更に腰を落として足下をしっかり踏みしめて!」


「‥お‥おう‥」


「そうしたら、相手が動いたタイミングでこちらも動き出せるでしょ!そこで相手の様子を伺いなg『ガサガサッ!』


 もう、誰よこの忙しい時に邪魔するのは!?


「グギャギャギャ!」


「‥うお、ゴブリンだ! しかも5・6匹はいる! ‥‥おーい! ゴブリンが出たぞーっ!!」


 こんな雑魚共のために、時間を浪費したゃだめよ!

本当は呼ばなくてよもかったんだけど、呼んでしまったのならしょうがないわ。


「レックス、すぐに終らせるからそこで見てなさい!」


「ぇえ!?」


 せっかく人が教育してあげてるのに、水を差すドアホウ共に鉄槌よ!


 ザシュザシュザシュ!ザクッ!スバッ!ズシャ!ドスッ!パキンッ!「グゲァ!?」ズババババッ!ザシュ!


 ‥‥ふぅ、丁度いいストレス解消になったわ。


「‥す、凄ぇ‥‥」


 どうよ? ‥‥って、ちょっとやり過ぎたかもしれないわね。


「まぁちょっと速すぎてわかりにくかったかも知れないけど、少しは参考になったかしら?」


「あ、ああ。‥‥あのさ‥アイリって強かったんだな」


「ゴメンね。なかなか言い出しずらくて‥‥」


 本当は言い出すつもりは無かったんだけどね。


「おーい! 大丈‥なんだこりゃ!?」

「アルバ、何をそんなに驚‥なんだこれは!?‥‥」

「‥‥何事?」


 他のみんなも来たみたい。


「レックス! まさかお前が!?」


 問われたレックスは首を左右に振る。


「‥‥アイリが1人で倒した。‥‥俺は何も出来なかった‥‥」


「‥‥マジか‥‥」

「これは‥‥さすがに驚きますね‥‥」

「‥‥凄過ぎ」


 なんかアイカ達も「やっぱりなぁ」みたいな顔をしてるし、これはもう隠し通せないわね。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「そうか‥‥どうやら君達は我々よりも強いパーティのようだね」


「まさか心配する側じゃなく、心配される側だったとは‥‥」


「ゴメンね?騙すつもりは無かったんだけど‥‥」


結局あの後すぐに街に戻って来た。

そして冒険者ギルドの中で休憩中という訳。


 聞いてみると、どうやらしびれを切らしたのは私だけじゃなかったらしく、他の面々も同様の常態に(おちい)っていた。


「ああ、気にしないでくれ。寧ろ自分達が未熟なのが再認識出来たからいいさ」


「‥‥新たな目標ができた」


「そう言ってもらえると有り難いのぅ」


「頑張って下さい~♪」


 結局、報酬は全部「夢の翼」にあげた。

別に私達はお金に困ってないし、騙してるという負い目があっからね。

最初は全部は受け取れないと拒否してた彼らだが、実力を偽って迷惑かけたからって事で多少強引に納得してもらった。


 それで私達の報酬は0サークになるけど、依頼達成でFランクに昇格したから全然OK!


「‥‥‥」


「で、レックスさんは先程から黙ったままですが、どうされたのですか?」


 そんなに私達との実力差がショックだったのだろうか?

 ‥‥と、思われたけど‥‥。


「アイリ。俺‥もっと強くなる! そしていつかアイリより強くなって、護ってやれるような男になるぜ!!」


 おお? 随分大きく出たけど大丈夫かな?


「お、ようやく復活したな」

「うんうん、実にレックスらしいと思うよ」

「‥‥夢だけはデカイ」


 ユユ、意外と毒舌なのね‥‥。


「よし、さっそく宿に帰って作戦会議だ!また会おうぜアイリ!」

「先は長そうだけどなぁ‥‥じゃあな、アイカさん達!」

「見ていて飽きない男だよ、レックスという男はね。では縁があったらまた会いましょう!」

「‥‥また会う日まで。バイバイ」


 何かと騒がしかったレックス達「夢の翼」と別れた。

レックスの夢は大き過ぎると思いながらも、護ってやると言ったレックスの言葉に、思わず笑みを浮かべるアイリであった。


 ‥‥が、しかし。


 バタンッ!


 勢いよく開いた入口の方をみると、この街の衛兵達が中に入って来るところだった。


「何事でしょうか?」


 ぞろぞろと入って来る衛兵達を見て、顔をしかめるアイカ。


 そして彼らがカウンターに向かって行き、そこに居たローニアさんに先頭にいた衛兵が問いかける。


「ここにアイリという冒険者はいるか?」


 どうやら厄介事が訪れたようだ。


眷族の紹介

名前:ワイルドホーク 眷族名:ホーク


空の偵察要員として眷族にされた。

侵入者が来たら空から監視するのがメインの仕事。

最近は、テレビのお笑い番組にはまっている。


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