表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

第七話 最後の条件は私③

「やっぱりそう言うのね…」

ぽつりと言うとお母さんは寂しそうに微笑んだ。


満月みつき、お母さんね、あなたには幸せになって欲しいの。宇宙そらくんは本当にいい子よ。それはわかっている。」


「…でも、でもね。…この先、普通ならしなくていい苦労をたくさんすることになるわ。わざわざ…」


「ううん…わかってはいたの。話せばあなたは必ず宇宙くんが帰ってくることを望むって。それに、何が普通で、何が幸せか、なんて、本人しかわからないのにね。でもね…」

お母さんは私の手を握ったまま静かに泣いていた。


「お母さん…」

その姿に私も言葉に詰まる。


「お母さん…ありがとう…でも…」

でも私は宇宙にあいたい。

もう一度あえるなら何だってしたい。


「わかってる…でも…でも、今、答えをださないで。」

お母さんは私の言葉を遮って、私の手を強く握った。


「あなた自身、まだすぐには退院できないわ。それまでにもう一度よく考えてみて。退院するときにあなたの気持ちをもう一度きかせて。」


「うん。」

その日は、それ以上、宇宙の話はしなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ