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秘密の呪い





「し、死ねないってどういう事かな?」


一分間固まった後に出た言葉がこれだった。


「先輩……この人ヤバい奴ですよ……怪しい壺とか買わされたりしませんかね?」

「う、うるさい! ちょっと黙ってろ!」

「あ、あのー……大丈夫ですか?」

「は、はい! 大丈夫です!」


よかった。 僕と黒浄のヒソヒソ内緒話は聞こえてないようだった。


「それで……死ねないっていうのは?」

「あ、はい。それが」

「それが?」

「私、自殺しようと胸をナイフで突き刺したんです」

「……は?」


そう言うと原百合子は制服のシャツを脱ぎ始めた。


「は、原さん何してるの!? こ、困るよ! 僕、お金とか払えないよ!?」

「何言ってるんですか? ちゃんと見てください!」


片目を開け、薄目で覗いたその先には異様な風景が広がっていた。



「え……」

「死ねないんです。私」


僕の視線の先。


つまり原百合子の小さな胸には確かに小さなナイフが刺さっており、

しかし傷一つついていない、猟奇的な風景が広がっていた。

















「は」


一番最初に口を開けたのは原百合子だった。


「はばばばばばばーーーーー」

「原さん!?」


原百合子は奇妙な声を上げながらソファに崩れていった。


「だ、大丈夫です……慣れないもので……」


黒浄は倒れる原百合子をソファの上から眺めながら考え込んでいる。



「黒浄、見えるか?」

「いえ、何も見えないです」

「不死化かと思ったんだけど」

「ありえません。不死化なら絶対に術式が見える筈です」

「そうか……原さん」


ソファに倒れていた原百合子が勢いよく身体を起こす。


「はい! 何でしょう!」

「それ、は抜けないの?」

「ナイフは残念ながら抜けません」

「原さんが……自分で刺したんだよね?」

「はい。私が部屋で一人で刺しました」

「……何でか理由、聞いてもいいかな?」

「私イジメにあってまして、ただの辛くなったからの自殺です」

「……そっか」


僕はもう一度ナイフに視線を戻す。


「触れてみてもいいかな?」

「む、胸ですか!?」

「違うよ! ナイフ!」

「あ、どうぞ」


しっかりと身体の中心部分に突き刺さっている。

血が出た感じも無い。


「痛みは……?」

「痛みは無いですね。刺さってから全然感じないです」

「先輩、退いて下さい」


黒浄が黒い袋を持って原百合子に近づく。


「こ、黒浄!」

「これが一番手っ取り早いです」


黒い袋の中から黒い色の棒状の物体を取り出す。


「え、何ですかそれ……」

「動かないで、一瞬よ」

「黒浄!」


瞬間、黒浄が取り出した物体は槍へと変わり、原百合子を貫いた。












「あ、あれれ……痛くない?」


原百合子は貫かれたはずの胸を見ると、目を丸くしながら言った。


「憑かれてない……か」

「おい黒浄! 勝手にそういう事をするなよ!」

「これが一番簡単に分かる方法です」

「そうだとしても……万が一って事もあるだろ」

「その時は私が何とかします」


黒浄はそう言うと、槍を棒に戻し袋に入れる。


「今ので大体分かりました。原因は外側にあります」

「外……側……?」

「はい。恐らく呪いの類で一時的な不死になっているんでしょう」

「待てよ。だったら貫いたので祓われてるんじゃないのか?」

「だから外側と言ったでしょう」

「……どういう事だ」

「術者は恐らく何処かで連続的に術式を起動しています」

「成程……じゃあまずその場所を探し出して、そこを破壊すれば……」

「違います」



その赤い瞳を青色に染め、黒浄は髪を揺らしながら言う。





「術者を殺します」






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