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最強っぽい  作者: トキハ
1/4

「プロローグ」




 よくある話をしよう。



 冴えない男の元へ美少女が降って来たり突然現れたりぶつかったり…様々な形で二人は出会う。

そして、美少女はこう言うのだ。


“あなたには秘められた力がある。その力を使って私の世界を救ってくれ”



 そこから始まるのは、男を中心に様々な美少女が織りなすドタバタラブコメディ。だいたいが似たようなもので、そうした話の読者はやはり男性が多いのだろう。


 女性版の話も、だいたいがちょっぴり何かしらの事情がある女の子がその事情を隠しつつ物事を進めたり、その事情で大きな運命に巻き込まれたり。

しかも、男も女の子もだいたいがハーレムや逆ハーレムを形成している。




もう、飽きた。



そんな話、もうお腹いっぱい。




.


 そういうのに限って…特に男の場合、何か特殊な能力授かったり元々持ってたりして、最後はラスボス倒してハッピーエンド。



つまんない。



 女の子の方だって、努力して努力して…頑張って頑張ってやっと好きな相手と結ばれてハッピーエンド。

努力とかもさ、そりゃ大事だと思う。



 でも、何かつまんない。

皆似たり寄ったりな話なんだもん。


 最近、チート主人公はまぁパラパラッて読む程度だけど、知ってるネタが出てくるとちょっとは面白い、うん。

面白い、とは思った。

思ったけど、こんな展開はちょっと勘弁して。






「何、それ」


 目の前で自分をニコニコ見つめる男に、草薙亜紀は不機嫌丸出しの声で訊ねた。




.

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