映画の感想、或はある職業的犯罪者の後悔
私は当該の映画を観ていないので、内容にはなるべく触れない様に書いたつもりです、が、もし間違い等有りましても大目に見て頂ければ幸いです。
少し前、飲み屋で映画の話になったのだが、その時聞いた映画の感想というのがかなり興味深い物だった。
話てくれたのは30歳位の青年で、感想は彼の祖父の物だ。
この祖父がかなりとんでもない人物で、人生の半分以上を塀の中で過ごしたという、所謂プロの泥棒。
服役中に認知症を発症し、釈放後青年の家で介護されているという。
(なんか何十年も前に縁を切った筈なのに、役所の人と警察が連れて来て強引に置いていったらしい)
そしてその映画は、色々事情の有る人達が集って擬似家族となり、窃盗等で生計を立てていくが、わりとバッドエンドな話で、主人公(?)の少年が補導されて家に連れ戻されたりして終るらしい(何せ私は観てもいないのだ、細かい所は御容赦願いたい)
その話をしてくれた青年も「子供可哀想」とか思ったそうなのだが、一緒に観ていた彼の祖父だけは「良かった、良かった」と泣きながら喜んでいたというのだ。
不思議に思った青年は、どういう事か訊いたそうだ。
グルグル進まない祖父の話と、親が昔の聞いた話をまとめると、
戦後、東京には戦災孤児を集めてスリや引ったくりを教える『学校』と呼ばれる家が何軒も在って祖父もそこにいた。
『学校』と映画の疑似家族の家の雰囲気がよく似ている。
映画の少年もあそこに居たら自分(祖父)みたいになるに違いない。
だから捕まってあっち側に戻った事が嬉しい。
という事らしい。
私の人生からは絶対出て来ないだろう感想だった。