099「反響/???サイド」
——???/??
「ん?」
「どうしました、***様?」
突然、***様が意識を顕在させた。
「今、ワシの嫌いな⋯⋯生活魔法の強い魔力を感じた」
「せ、生活魔法!? ま、まさか⋯⋯」
***様が言うには、大陸の東側から一瞬大きな生活魔法の強い魔力を感じたと言う。
「し、しかし、この世界はもはや六大魔法が主流魔法として完全に確立しており、そして生活魔法はクズ魔法と言われ、かつての名声は今や地の底でございます。ですので、さすがに何かの間違いではないかと⋯⋯」
「ん? 消えた? 先ほどまでなかなか無視できない魔力量を知覚したと思ったが⋯⋯気のせいか?」
***様はそう言うが、しかし私はそのような気配は全く感じていない。なので、やはり***様の勘違いなのかと疑う。
「きっと気のせいでありましょう。それよりも***様、あと少しでこの忌々しい封印は解けるところまできておりますので、それまでどうぞごゆるりとお休みくださいませ」
おそらく***様は復活が近いこともあって、きっとナーバスにでもなっているのだろう。そんなときは一度ゆっくりとお休みになられるのが最善だ。
「ああ、そうさせてもらう」
そう言って、***様は再び眠りについた。
よかった。我々の***様に余計なことで煩わせるのは心苦しいですからね。
「ふ〜⋯⋯」
「お疲れ様です。だいぶやられているようですね」
「ええ。相変わらず***様の近くにいると***様の体から溢れている強烈な魔力に直接当てられるので、影響を受けないよう、こちらとしても魔力で常にそれなりに防御を張っていないといけませんので⋯⋯」
「それにしてもあなた様であっても***様の魔力に当てられるとは⋯⋯さすが***様ですね」
「当然です。正直、この方の封印が解かれ完全に復活すれば誰も***様を止めることはできないでしょう。なので、我々は絶対に***様の敵となってはいけません。わかりますね?」
「はい、仰せのままに」
「わかればいいのです。では私は少し調査へまいります」
「調査? ***様自らですか?」
「ええ。***様が感じたという『生活魔法の強い魔力』というものが確かなものかどうか調べてきます。それまで留守は任せましたよ、***」
「かしこまりました」
「では、いってまいります」
そう言って、白の装束を身につけた男がそのまま部屋を出ていくと、同じように白装束に身を包んだ女性が膝を折って男が出ていくのを見送った。
********************
——???/??
「ついに、邪神***の封印が解かれるのか」
「はい、もはや秒読み⋯⋯と言っても過言ではないところまできているようです」
「そうか。であれば、いよいよ我々が動く時が来たと言うことか」
「そう⋯⋯ですね。ですが⋯⋯」
「ん? 何か言いたいことがあるのか?」
「え、えーと⋯⋯はい、そうですね。少しばかり、ほんの少しばかりの、私の希望といいますが、あくまで可能性の話ではございますが⋯⋯」
「なんだ?」
「今から15年前——この世界のどこかに『異世界から転生してきた者』が観測された⋯⋯という話です」
「異世界? 転生?」
「はい。古の時代にも一度同じように『異世界から転生してきた者』が観測されたことがあったという伝承が残っております。そして、その伝承にはその者はこの世界を救世する力を秘めていると⋯⋯」
「世界を救世する力⋯⋯。それは我々と関係ある者なのか?」
「わかりません。あくまで伝承に過ぎない話ですので、どこまで真実かは⋯⋯」
「そうか」
そう言って、男は立ち上がり窓の外へと視線を向ける。
「このような絶海の孤島で生活を余儀なくされている我々だが⋯⋯しかし、それが我ら一族の宿命。そして、その宿命は邪神復活を阻止すること。もし、今お主が話した『異世界の救世主』の話が本当であれば、邪神復活を阻止する我々とはいずれ相まみえることになるだろう」
「なるほど。たしかにそうかもしれませんね」
「いずれにしても今我々がやることは邪神復活の兆しを監視・注視することだ。それを忘れてはならん。よいな?」
「はい、仰せのままに」
********************
——???/??
「!⋯⋯セルティア王国で奇妙な動きを感じましたね」
「教皇猊下?」
一糸纏わぬ女性が同じベッドで横にいる『教皇猊下』の突然の発言に思わず体をビクンとさせる。
「ああ、すみません。驚かせてしまったかな?」
「い、いえ、とんでもございません! 邪魔をしてすみませんでした」
「いえ、いいんですよ。驚かせてしまったようだね」
「そ、そんな⋯⋯!」
「ああ⋯⋯こんなにも⋯⋯よほど驚いたんですね」
「え? な、何が⋯⋯ですか?」
「ほら?」
クチュ⋯⋯。
「ん⋯⋯!」
「ね?」
「こ、これは、その⋯⋯(カァァ!)」
「いえ、申し訳ございません。これは私の罪ですね。ということで、早速罪の償いをさせていただきます」
「そ、そんな、何を⋯⋯⋯⋯あ!」
そうして、ベッドにいる男女は再び交じり合った。
(それにしても、今の奇妙な動きは⋯⋯気になりますね。今度、ヴィバルディアのところへ遊びにでも行きましょうか。ふふふ⋯⋯)
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
https://ncode.syosetu.com/n3084hz/
『毎週土曜日13時更新』です。
よろしくお願いいたします。
mitsuzo




