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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第三章<セルティア魔法学園/生活魔法クラブ編>

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082「ドワーフに会いに行こう〜ゴズ村長の話〜⑧」



「では、はじめよう⋯⋯」



 ゴズは、静かに話を始め⋯⋯ようとしたが、


「あ、いや、その前に、まずはザナークと何を話していたのか⋯⋯それからがいいかのうぉ」


 ということで、ゴズはザナーク・レンフロ学園長との話した内容から語り始めた。


「⋯⋯1週間前、ザナークが突然一人ここに来てのぉ。あいつは半年に1回程度しか顔を見せないんじゃが、そんな奴が以前来たのが2ヶ月前じゃったんじゃが、その後こんなすぐにまたやってくるというので一体何事じゃと思ってのぉ⋯⋯」

「1週間前? ああ、前にダンジョンに行った後くらいですね」


 ラルフがゴズの言葉に反応する。


「ダンジョン? ああ、何かそんなことも言ってたのぉ⋯⋯。なかなか、興奮気味に話しておったわい」

「どんな話をしていたんですか?」

「お主が作ったという魔道具⋯⋯というか魔石封入したオリジナル魔法の話じゃな。その話を聞いたときはたまげたわい」

「あ、ありがとうございます。」


 そう言われて、ラルフが恐縮すると、ゴズが「わははは」と豪快に笑いながらバシバシ肩を叩く。


「⋯⋯まぁ、そのお主のオリジナル魔法の話と、これからする話は大いに関係する話じゃがな(ニヤリ)」

「え?」

「今回ザナークが突然この村にやってきた理由は『生活魔法』についての話が聞きたいと言うものじゃったんじゃよ」

「生活魔法⋯⋯あ、それって、ラルフ君のこと?!」


 と、ミーシャ。


「うむ。ザナークは『今年入った1年にオリジナルの生活魔法を作った奴がいる!』という話をかなり興奮気味に話したのじゃ。しかし、生活魔法というのはこの世界では戦闘には役に立たず、日常生活くらいでしか使えないクズ魔法と言われているじゃろ? ザナークはそこについて何か知っていることがあったら教えて欲しいと言ってきたのじゃ」

「知っていること⋯⋯ですか?」

「うむ。実は前にザナークにも話したが⋯⋯『生活魔法』は今ではクズ魔法と言われているが、大昔は主流と言われていた魔法で、ほとんどが生活魔法の使い手じゃったという言い伝えがあってのぉ」

「「「「「えっ?! せ、生活魔法が主流魔法っ!!!!」」」」」



********************



「これは我がドワーフ族に伝わる伝承なのじゃが、今から約1000年前⋯⋯このアガルタ大陸は今のような五つの国に別れておらず、たった一つの国が支配しており、そこでは皆が今で言う生活魔法を使っていたらしい」

「1000年前⋯⋯?」

「ちなみに、この話はあくまでドワーフ族に伝わる『伝承』じゃからな。しかも、両親から聞いた話『口伝』じゃ。じゃから、その話が事実かどうかはわからん」

「口伝⋯⋯何か書物とかはないんですか?」

「ない。そもそも1000年前と言えば、ここやお前たちの国にある『古代遺跡』の時代になるんじゃが、少なくとも我らドワーフ族にはそのような書物は残っていない。あくまで親や祖父、知り合いなどから聞いた話に過ぎん。じゃから、正直、ワシは信じておらんかった」

「え? ゴズ村長はこの話を信じていないんですか?」

「⋯⋯ラルフ君に会うまではな」

「「「「「あ⋯⋯」」」」」


 そこで、再びラルフに注目が集まる。


「さっき初めてラルフ君と会った時、君の体から生活魔法の魔力回路を使っている『匂い』を感じた」

「に、匂い?! 生活魔法の魔力回路を使うと匂うんですか?」

「そうじゃ。ただ、それはワシのような一部のドワーフ族が感じ取るくらいで、ほとんどのドワーフはわからんじゃろう。他の種族であればなおさらじゃ」

「そうなんですね」

「で、じゃ。ここからなんじゃが、両親の話だと、1000年前生活魔法が主流だったという話をしたが、そもそも『六大魔法は存在していなかった』とも言っていた」

「ええっ!! 六大魔法は存在してなかった⋯⋯って、そんなバカなっ?!」

「あ、あり得ない! そ、それを言ったら、今の世界の魔法の常識って⋯⋯真逆ってことじゃないですか?!」


 皆、ゴズの話があまりに信じられないのか、否定的な反応だったが、しかし、ラルフだけは「へ〜。この話がもし本当なら個人的には納得するな〜」などと思っていた。


「まー正直、その時点⋯⋯いや、ラルフ君に会うまではワシも皆と同じ『否定的』じゃった。とはいえ、両親がワシに嘘をついていたとか、そういう話ではなく、両親もまたそう信じ込まされていたんじゃないかな、と思っていた」


 ゴズがそう言うと、ラルフに顔を向けた。


「しかし、ラルフ君⋯⋯君が先ほど話した『魔力を体中に張り巡らせている』という話や『魔力の防御膜』の話を聞いた時、両親が言っていたことは本当かもしれないと⋯⋯今はかなり信憑性の高い話だったと思っている!」

「ゴズ村長⋯⋯」

「しかし、両親がワシに伝えた『1000年前の話』がもしもすべて本当だとしたら⋯⋯⋯⋯ある疑問が出てくるじゃろ?」

「「「「「⋯⋯⋯⋯(ごくり)」」」」」


 ゴズの言葉に皆、思い当たるフシがあるのか緊張した面持ちでゴズの言葉の続きを待っている。




「一体、誰が、いつ、何のために⋯⋯⋯⋯この世界の魔法の常識をすり替えたのか?」


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