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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第三章<セルティア魔法学園/生活魔法クラブ編>

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081「ドワーフに会いに行こう〜ゴズ村長とラルフのやらかし〜⑦」



「遠路はるばる、よくぞ、参られた。フリオ! それとセルティア魔法学園の生徒らよ。ワシがこのイツクール村の村長『ゴズ』じゃ!」

「お招きいただき、ありがとうございます、ゴズ様。それと⋯⋯」

「お久しぶりです。ゴズ様」

「ん? お、おお⋯⋯! レオンハートか!! 久しぶりじゃな。5年ぶりか?」

「はい」

「うむ。この前はまだ少年っぽさが残っていたがこの5年ですっかり良い顔つきになったのぉ⋯⋯」

「ありがとうございます!」


 すると、今度は、


「は、初めまして! お、お招きいただきありがとうございます! セルティア王国第一王女ミーシャ・セルティアと申します! 若輩者ですが、兄共々、よろしくお願い申し上げます!!」


 と、ミーシャがタイミングを見計らって挨拶をした。


「おお、そなたが末っ子のミーシャ第二王女か! うむ、可憐な乙女ながら目に力がある⋯⋯何とも良い顔つきじゃな!!」

「あ、ありがとうございます!」


 そして、その後一人ずつ挨拶をしたのだが、自分がこの中で村長から一番遠い位置だったので、挨拶が最後となった。


「え、えっと⋯⋯ラルフ・ウォーカーです。セルティア魔法学園の魔法自由科1年生です。よ、よろしくお願い申し上げます⋯⋯」


 うわぁぁ、領地ではこんな知らない目上の⋯⋯しかも身分が自分より上の人に挨拶なんてしたことなかったから緊張するぅぅ!? だ、大丈夫だよね?


「む⋯⋯? フリオ。もしかして、この子が⋯⋯例の?」

「はい。彼がザナーク・レンフロ学園長が話されていた⋯⋯これまでとは異なる新しい生活魔法を編み出した生徒でございます」

「ほぅ、この子が⋯⋯ふ〜む」

「っ!?」


 そう言うと、ゴズ村長が目の前まで来て私のことをジロジロと見てきた。


「な、何でしょう⋯⋯か⋯⋯?」

「し、信じられん。信じられん⋯⋯が、確かにこの子の周囲からは何とも濃い生活魔法の魔力回路の存在を確認できるし、何より魔力が豊富すぎるのか、体の周囲に魔力が漏れておる⋯⋯。しかし、何なんだ、この魔力量は⋯⋯これまで生きてきた中でも圧倒的な魔力量の持ち主じゃ⋯⋯」

「な、なんと! そこまでですか⋯⋯っ!?」

「「「「「っ?!!!!」」」」」


 ゴズ村長の言葉にフリオ先生や他のみんなも私のことを何か凄い人のような目で見た。しかし、


「あ、すみません。もしかしたら勘違いさせているかもしれないので訂正させていただきますね」

「何? 訂正?」

「はい。えーと⋯⋯今、ゴズ村長が『魔力量が多すぎて体の周囲から魔力が漏れている』と仰ったのですが、実は魔力量が漏れるほど多いのではなく、これは物理攻撃や魔法攻撃といった襲撃から身を守るためにワザと(・・・)体中に薄い魔力を張り巡らせているだけです。『防御膜』みたいな⋯⋯? なので、魔力量が圧倒的に多いとかそんな大層なものじゃないですよ。ははははは⋯⋯」


 いやぁ〜、こういう誤解はちゃんと訂正しておかないとね。「魔力量が膨大すぎて漏れてる」なんて私程度の魔力量がそんなすごいわけないですからね。なので、『漏れてる』のではなく『意図的に魔力を膜のように張り巡らせて身を守っている』という、ただの臆病な自分らしい苦し紛れの防御膜ということを伝えればわかってくれるでしょう。


「いや〜なんか自分からネタバレなんて⋯⋯恥ずかしいな〜」


 うん。でも、これでちゃんと誤解が解けて⋯⋯⋯⋯って、あれ?



「「「「「⋯⋯っ?!!!!」」」」」



 何か、全員が絶句して固まってしまった。



********************



「え? 体の周りに⋯⋯魔力の防御膜って⋯⋯どゆことっ!?」

「ちょ、ラルフ君? 何を言ってるの⋯⋯? 魔力を張り巡らす⋯⋯んん〜っ!?」

「私が言うのもなんだが⋯⋯⋯⋯相変わらず規格外にズレてるな、ラルフ・ウォーカー」

「「「はあぁぁぁ〜⋯⋯」」」


 テイラー、ミーシャ、それにサブリナにいろいろ言われた挙句、すんごいため息つかれた。


 え〜? そんな〜?


「おおおお⋯⋯何ということだ。これは生活魔法⋯⋯なのかっ?!」


 あれ? ドワーフのゴズ村長さんまで? ていうか、生活魔法をよく知っている人なんじゃないの?


「え、え〜と⋯⋯たぶん?」

「たぶん?」

「はい。生活魔法の魔力回路で作り出したオリジナル魔法ですので、たぶん、生活魔法になるのかと⋯⋯」

「こ、これはっ!? 君のオリジナル魔法だというのかっ!!!!」

「あ、えーと⋯⋯はい」

「し、信じられん! これが生活魔法で作り出したのであれば⋯⋯⋯⋯まさに革命的じゃないかっ!!!!」

「え? 革命的? そこまで⋯⋯ですか?」


 う〜ん、そこまですごいことなのかな? ちょっと褒め言葉盛りすぎてません?


「おい、ラルフ⋯⋯」

「え? あ、はい。何でしょう、レイカ先輩?」

「お前、ゴズ村長がそこまで言った理由がわからないだろ? ていうか、『むしろ褒めすぎじゃね?』くらいに思ってるだろ?」

「え、あ、いや⋯⋯」

「「「「「図星かよっ!!!!」」」」」


 え〜、だって〜、そんなみんなまでして怖い顔でツッコむほどぉ〜?


「あ〜⋯⋯うんうん、なるほど。ラルフ君ってこういう子なんだね」

「はぁ、まーそうですね」


 あれ? 何かレオンハート様がすごく残念そうな顔を⋯⋯気のせいだよね?


 あと、テイラーはもはや「お察しします」くらいな反応なんだけど⋯⋯。


「あ〜⋯⋯オホン。ふぅ、やっと落ち着いたわい。フリオよ⋯⋯」

「は、はい! 何でしょう、ゴズ村長」

「前に、ザナークにいろいろと聞かれた時、全部は言わなかったこと⋯⋯聞いてるな?」

「! は、はい⋯⋯!」

「うむ。それで、その時ザナークに『生活魔法を理解できるような人間であれば話そう』と言ったが、正直、こちらの想定以上⋯⋯いや想定外の者が現れてしまった。これでは、もはや、ワシも⋯⋯いや、ワシだけじゃなく、この里の⋯⋯いやドワーフ族全体として、ラルフ君とはぜひ協力関係を結びたい!」

「ゴ、ゴズ村長っ!?」

「その上で、こちらの誠意としてザナークに告げなかった話をさせてもらおう。そして、その上で⋯⋯⋯⋯ラルフ君」

「は、はいっ!!」

「ぜひ、君の意見を聞かせて欲しい(ニヤリ)」

「「「「「っ!!!!」」」」」


 ゴズ村長の含みのある笑みに全員が息を飲む。




「では、はじめよう⋯⋯」


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


『毎週土曜日13時更新』です。


よろしくお願いいたします。


mitsuzo


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