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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第三章<セルティア魔法学園/生活魔法クラブ編>

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078「ドワーフに会いに行こう〜古代遺跡〜④」



『ピーピピピー⋯⋯魔力反応確認』



「「「「「っ!!!!!」」」」」



 突然、何か『声』のようなものが聞こえた。


「な、何だ、今の声はっ?!」

「な、何ですか! 今、声のようなものが聞こえ⋯⋯」

「ま、まさか! だ、誰か、中にいるのかっ?!」


 レイカ先輩、ミーシャ、テイラーが今の『声』に驚いて反応する。


 もちろん、私も今の『声』には驚いた。驚いた⋯⋯が、今の『声』は人の声というよりも⋯⋯⋯⋯『機械音』のようなものだった。でも、『機械音』って、そんなのまるで、地球的というか、科学的というか⋯⋯一体どういうことだ?


 私が『声』に対して、皆とは別の違和感を感じていると、



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ⋯⋯っ!!



 正面の何もないところから切れ目が入ると、その切れ目が入った岩壁が上へと上がっていった。


「なっ?! 岩壁が⋯⋯!」

「見て! 奥に何かあるわ」


 ミーシャがそう叫ぶと、中へと入っていった。皆も一拍遅れて中へと入る。


「こ、これが⋯⋯転移陣!」


 ミーシャの手前に周囲とは違ってきれいに舗装された地面があった。直径は2メートルほどでその地面には複雑な魔法陣が青白く光りながらグルグルと動いている。


「これが学園長が発見した転移陣です。そして、この転移陣から転移するとその先がドワーフの村となっています」

「「「「「っ!!!!」」」」」


 フリオ先生の説明に皆が息を呑む。


「やはり、ドワーフの村というのは特殊な場所にあるんですね?」


 テイラーがフリオ先生に質問する。


「そうです。一応この国にもドワーフはいますが少ないのは皆知っていると思います。理由としてはドワーフ自体が他の種族との接触を避けているというのが原因です。なので、ドワーフの村から出る者は滅多にいません」


 フリオ先生の話は私でも知っている。ドワーフは自分たちの村以外から出る者はほとんどいないという話は有名だ。


「学園長はこの転移陣を使ってドワーフの村に直接行き、そこで話をつけ、唯一ここからの出入りを許可されています」

「「「「「えええええっ!!!!」」」」」


 そ、それって、すごい話なのでは? 他種族を嫌っているドワーフが人間種である学園長の出入りを許しているなんて⋯⋯!


「そして、今回我々がここを通ることも学園長が事前にドワーフの村の村長から特別に許可を得ています」

「す、すごい!」

「学園長って何者っ!?」


 いや、本当に。学園長って一体何者なんだ?



********************



「ていうか、じゃあ、この転移陣って、ドワーフが作ったってことなんですか?」


 唐突にテイラーがフリオ先生に質問をした。たしかに、この転移陣の転移先がドワーフの村なら⋯⋯その可能性は大いにあり得ると思う。私もテイラーの同じ意見だ。


「いや、それはわかりません。少なくとも学園長からはそのようなことは聞いていません⋯⋯ですが」

「え?」

「学園長はこうも言ってました⋯⋯『もしかすると、今回ラルフの生活魔法を見せれば何か教えてくれるかもしれない』と」


 すると、フリオ先生の言葉に皆が私を一斉に見た。


「ええっ!! わ、私の生活魔法⋯⋯ですかっ?!」

「そうだ。学園長が言うにはドワーフの村長は転移陣のことを本当は何か知っているようだったと⋯⋯。そこで、村長さんにどうにか話を聞き出そうとしたらしいのですが、その時こう言われたと言ってました⋯⋯『生活魔法を理解できるような人間であれば話そう』と」

「え⋯⋯っ!?」

「今回、ドワーフの村に来たのは元々の話では『魔道具加工のドワーフの方に会う』という話でしたが、実は学園長にこの件についての依頼もあったのです。まー私も前日にいきなり学園長にそのことを告げられたのですが⋯⋯」

「え? そうなんですか?」

「はい。学園長が後からその話を思い出して、急遽この依頼を告げられた感じです。まーでも学園長の話だとドワーフ村の村長がラルフ君を見て何らかの興味を持ってくれたらもしかしたら転移陣の秘密についても話してくれるかもしれない⋯⋯という希望的観測のようですが」

「は、はあ⋯⋯」

「まー私としても今回魔道具開発の話をする上でラルフ君の生活魔法⋯⋯『ラルフ式生活魔法』の話はすることになると思いますので、そのタイミングでもしかしたら転移陣の話も何か聞けるかも⋯⋯とは考えています」

「なるほど」

「いずれにしても、『必ず転移陣の秘密を暴いてきてくれ』という話ではないのであまり気にしないで問題ないです。とりあえず今話したのは、一応この話を皆と共有しようと思ったので話しました。なんせ、共有を怠るとすぐに怒る人がいますからね」

「ほう? それはあたいに喧嘩を売っていると捉えていいんだな、フリオ?」

「ひぇ⋯⋯。い、今のは冗談ですから。そんな人を殺めそうな顔で睨まないでください、レイカ君」

「ふん! お前がつまんない冗談を言うからだ。自業自得だろが!」

「は、はは⋯⋯。ま、そんなわけですので、皆さんよろしくお願いしますね。⋯⋯それでは、行きましょう」


 そう言って、フリオ先生を先頭に転移陣の上へと移動した。


「それでは行きます。転移!」


 フシュン!


 古代遺跡の転移陣から全員の姿が消えた。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


『毎週土曜日13時更新』です。


よろしくお願いいたします。


mitsuzo


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