076「ドワーフに会いに行こう〜古代遺跡〜②」
「よし、到着だ。さあ、皆さんおりましょう」
「え⋯⋯着いた?」
「ここって⋯⋯」
フリオ先生がそう言って馬車を止めた場所は、
「「「「「こ、古代遺跡⋯⋯!」」」」」
王都から東へ2時間ほど進んだところにある『古代遺跡』だった。
「ど、どうして、こんな場所へ?」
私も含め、皆が疑問が抱きながら降りるとフリオ先生が説明を始めた。
「これから、この古代遺跡の地下2階奥にある『転移陣』へと向かいます」
「「「「「て、転移陣⋯⋯!」」」」」
て、転移陣! そんなものがあるんだ! 異世界あるあるではあるけど、これまでそんなものは存在していなかったからてっきり無いものだと思っていたけど⋯⋯あるんだ!
どうやら皆も転移陣があることは知らなかったようで驚いている。
「ちょ、こんなの初めて聞いたぞ!」
レイカ先輩がそう言ってフリオ先生に問いかける。すると、
「そうだろうね。なんせ、ここを知っているのは私とミーシャ、それと学園長とフリオ先生だけなのだから」
と、レオンハート様がレイカ先輩の問いに答える。
「なっ?! そ、それって、つまり、国王も知らないってことなのか?」
「ああ、そうだ。ここを最初に見つけたのはザナーク・レンフロ学園長だからね」
「「「「「ええええっ!!!!」」」」」
レオンハート様の言葉に皆が唖然とする。それもそのはず、こんな歴史的価値のある⋯⋯いや、それ以上の価値のあるものを現国王に隠していたなんて、それはつまり⋯⋯、
「そ、それって、国家への背信行為⋯⋯反逆罪⋯⋯では?」
と、テイラーが皆の言葉を代弁する。
「そうだね。テイラー君の言う通りだよ。まー現政権を信奉しているならね。でも、そうじゃないだろ?」
「あ⋯⋯!」
え? どういうことだろう? 国家を信奉していない?
「あ、あの、国家を信奉していないってのはどういうことでしょう?」
「ん? ああ、ラルフ君、これは言葉のアヤだから。大した意味はないから別に気にしなくていいよ」
「は、はあ⋯⋯」
「ほら、こういう歴史的重要なものをさ、国家に報告しちゃうとすぐに国に独り占めされて研究できなくなっちゃうだろ?」
「な、なるほど」
たしかに、地球にいたときもその手の話は聞いたことがあったな。⋯⋯たぶん。
「だから、今だけ秘密にしているだけなんだ。ただそれだけだよ」
「そうなんですね。たしかに謎を探求するにはそうした冒険も必要ですもんね!」
「そう! いやぁ〜さすがラルフ君。研究好きな君ならわかってくれると信じてたよ!」
「そんなこと⋯⋯。それにしてもレオンハート様って王子様なのにこういった研究に興味も理解もあるんですね。素晴らしいです!」
「ふふ⋯⋯ありがとう。これからも当然ラルフ君の生活魔法や魔道具の研究も影ながら応援させてもらうよ」
「あ、ありがとうございます!」
いやぁ〜、レオンハート様って本当にこういった研究や探究とかの話がわかる人なんだな〜。こんな話のわかる人が国王になったらいいな〜。
そんな、ラルフとレオンハートが談笑している横で、
ドス!
レイカがフリオの脇腹に肘を入れると周囲に聞こえないような小声で話しかける。
(うっ! な、何かな⋯⋯レイカ君?)
(あたいは初めて聞いたよ、ここのこと! どうして話さなかったんだよ!)
(い、いや、話すタイミングがなかったからね。なんせ、ラルフ君の登場でいろいろと物事が一気に動き出したから⋯⋯)
(ったく! こういうことは前もって言え! あたいが事後報告が嫌いなことは知ってるだろうが!)
(す、すみません)
(⋯⋯それにしても、あたいは古代遺跡のことは誰よりも詳しいと思っていたけど。まさか『転移陣』なんてものがあったなんて全然知らなかった。あたいだって地下2階の部屋へは入ったことはあるが転移陣なかったぞ?)
(ええ、そうでしょう。通常は偽装されて見つからないようになってますから)
(偽装!? それは学園長がやったのか?)
(いえ、元々そういう仕掛けがあったみたいです。学園長も偶然発見したと言ってました)
(そう⋯⋯なのか。偽装⋯⋯けど一体誰がそんなことを?)
(さあ、その辺は謎のままです)
そんな皆が一通りやり取りをした後、一行は古代遺跡へと足を向けた。
「ここが古代遺跡の⋯⋯入口」
馬車から降りて古代遺跡の入口まで歩いてくると、そこに『龍』のようなレリーフの門があった。
「この門のレリーフの生き物は『ドラゴン』と言って、古代の伝説上の生き物です」
「えっ! ドラゴンって伝説上の生き物なんですかっ!?」
私はつい異世界にはドラゴンくらいいるだろうと思っていたので、フリオ先生の言葉に思わず質問をした。
「はい、そうですが⋯⋯? 何か知ってるんですか、ラルフ君?」
「えっ?! あ、いえ、そういうわけでは⋯⋯」
「地球のいた頃のファンタジーものの物語でよく出てくる生き物なので⋯⋯」なんて言えるわけがないので、私は思わずシラを切った。
「? そう⋯⋯ですか」
「すいません。なんか、つい、はしゃいじゃいました⋯⋯」
「ふふ、なるほど。まーそうですよね。古代遺跡なんて初めてでしょうからね」
「は、はい。すみません」
「いえいえ、いいんですよ。さて、それでは中に入りましょう」
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
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mitsuzo




