059「魔道具開発着手②」
「はい。実は魔物は六大魔法の魔力から作られています」
「え⋯⋯?」
どゆことっ?!
六大魔法の魔力で作られている?
「混乱するのはわかります。信じられないですが、しかしこれは事実なのです。すでに証明もされています。ただし、なぜ六大魔法の性質を持った魔力で作られているのかという『理由』についてはいまだ不明ですが⋯⋯」
「マ、マジっすか?」
「マジです、ラルフ君」
衝撃の事実だった。
これまで調べた本ではそんなことは載っていなかったのでかなりビックリである。
「今わかっていることは、魔物はすべて六大魔法の性質を持つ魔力でできているということ。しかし、だからと言って先ほども言いましたが、魔物がすべて魔法が使えるというわけではないということ。むしろ、魔法が使える魔物は少数⋯⋯『稀』です。ここまではいいですか?」
「は、はい⋯⋯」
「ですが、魔物は六大魔法の『性質」を持つ魔力で構成されているのです。こればっかりはもうこういうものだと思うしかありません。誰が作ったのかは分かりませんが、しかし魔物が魔力で作られているのはれっきとした事実なのです! いいですね?」
フリオ先生が「異論は認めない」と言うくらいの迫力で訴える。
「わ、わかりました。とりあえず、そういうものとして⋯⋯受け止めます」
「よろしい。さて、そういったわけで魔物が六大魔法の性質を持った魔力で作られているおかげで、皮肉にも我々は魔物の核である魔石を魔道具として利用できるのもまた事実であります」
「な、なるほど」
「魔物という存在は一体何なのか⋯⋯正直、個人的にはその『謎』にも興味がありますが、今はそれよりもまず魔道具開発が喫緊の課題です」
たしかに、私もフリオ先生の話を聞いてこの『魔物の存在理由』にすごく興味が湧いた。
「お? ラルフ君もどうやら魔物の存在理由について興味がおありのようですね。でも、今はダメですよ? まずは魔道具開発からですからね」
「あ、はい。わかっています!」
まー魔道具開発も興味があるので、私的には問題はない。
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「さて、ここでちょっと魔石の話をもう少しします。実は魔石には魔物から採れる魔石以外に、ダンジョンや山などにある『鉱床』から採れる魔石もあります。ほら、これなんかがそうですが⋯⋯これが『鉱床』で採れた魔石です」
と、さっきの魔物の魔石とは少し離れた場所にゴロッと魔石を置いた。
「『鉱床から採れる魔石』⋯⋯これは『鉱床魔石』と呼ばれています。この鉱床魔石は魔物から採れる魔石よりも安全に採取しやすい魔石ではありますが、しかし、魔物の魔石と比べるとだいぶ質は落ちます。まー中には『レアな鉱床魔石』もありますが、基本『鉱床から採れる魔石』で魔道具を作る場合、高度な魔法や魔力量を封入することはできません」
「へ〜、そうなんですね」
「はい。なので、日常生活で使う『光源』や『着火』といった『生活魔法』は、鉱床から採れる魔石⋯⋯『鉱床魔石』を使います。一応、言っておきますが鉱床魔石もちゃんと六大魔法の性質を持っているので、魔物から採れる魔石と同様に属性ごとの色合いをした魔石となっています」
「なるほど」
たしかに、フリオ先生が出した鉱床魔石も赤や青、緑と様々な色をしていた。
「ちなみに、六大魔法の下級魔法程度であれば『鉱床魔石』でも魔法封入は可能ですが、逆の言い方をすれば鉱床魔石では『六大魔法の下級魔法』の魔法封入が限界ということです」
「ということは、『鉱床魔石』は『質』自体は皆同じということですか?」
「お、さすがですね。ラルフ君。その通りです! ただし、先ほども言いましたが『レアな鉱床魔石』もあるのでそれは例外となります。ただし、ほとんど目にすることがないくらい希少価値の高いものですので、生きてお目にかかることはまずないでしょう」
「そこまでレアなんですね」
「はい。さて、ここでちょっと『魔石』の呼び名について一度おさらいしましょう。魔物から採れる魔石はそのまま『魔石』と呼び、鉱床から採れる魔石は『鉱床魔石』と呼ばれています」
「へ〜、一応名称が分けられているんですね」
「はい。とはいえ、実際は魔石を正式名称で呼ぶ人なんて学者や研究者くらいのものです。一般的には魔石を区別する人はいませんので、そこまで気にしなくても良いですよ。まー知識として留めて置いてください」
「わかりました」
「さて、これで魔石についての説明は以上ですので、これから早速ラルフ君の創造した『鎌鼬の狂い刃』の魔法封入作業をするのですが⋯⋯実は今回ちょっと通常とは異なります」
「え? それはどういう⋯⋯」
「実は、今回のラルフ君の創造した魔法は種別的には『生活魔法』になるので本来なら『鉱床魔石』を使うのですが、しかし、あれだけ威力のある生活魔法を『鉱床魔石』で封入は無理です。なので、今回は魔物から採れた魔石を使います」
そう言うと、フリオ先生が緑色の魔石を出した。
「今回の『魔石封入作業』ですが封入する魔法は『ラルフ式生活魔法』で作ったラルフ君のオリジナル魔法『鎌鼬の狂い刃』です。これは風魔法ですのでこの緑色の魔石を使います。ちなみに私の見立てではラルフ君のオリジナル魔法は『上級士レベル』なので、少し高価な魔石を使います。ちなみにこの魔石1個で⋯⋯お、王都で⋯⋯1ヶ月仕事しなくても⋯⋯生活⋯⋯できるほどには⋯⋯高価で⋯⋯す」
と、フリオ先生が涙目で訴えるようにこれから使う魔石の話をしてくれた。
あれ? フリオ先生の目から血の涙が? 寝不足かな?
「あ、あの⋯⋯先生⋯⋯?」
「大丈夫! 大丈夫です! 魔法の発見・発展には多少の『犠牲』は付きもの! さあ、やりましょう!⋯⋯⋯⋯私の気が変わらないうちにぃぃぃっ!!!!」
正直、非常に気まずい空気が流れているが、そこはフリオ先生の言葉に素直に従おうと私は「はい、お願いします!」と即答した。そう、先生の気が変わらないうちに!
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
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mitsuzo




