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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第二章<セルティア魔法学園/入学編>

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053「ラルフ式生活魔法③」



「で、できました⋯⋯!」

「「「⋯⋯っ!!!!」」」


 私は目を開け、三人に魔法が創作できたことを報告する。


「ほ、本当にできたのですか⋯⋯?」

「はい、フリオ先生」

「ちなみにどんな魔法を作ったのですか?」

「えーと、簡単な治癒魔法です」

「「「はっ?」」」


 三人がまたもポカーンとした。


「い、いや、本当に大したものじゃないですよ! 単に切り傷とか打撲が完治する程度の治癒魔法ですから! そんな、驚くようなものでは⋯⋯」

「「「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやっ!!!!」」」


 三人から抗議の声が上がった。


「ラルフ! お、お前、治癒魔法って、マジで言ってんのっ?!」

「え? ま、まあ⋯⋯」

「おい、ラルフ・ウォーカー! 治癒魔法は『光魔法』の属性魔法なのだぞ! その意味がわからないのか?」

「え? 意味? えーと⋯⋯⋯⋯そうですね」

「そうですね、じゃねーよ。バカ野郎ーっ!!」

「あ、でも、これは『光魔法』じゃなくて『生活魔法の治癒魔法』ですから! パ、パクリじゃないから!」

「「「パクリ(そういうこと)を言ってるんじゃないっ!!!!」」」


 あれ? 違うの?


「いいか! まず『治癒魔法』は光魔法だけに存在する魔法だ。そして、ただでさえ光魔法を持つ魔法士は少ないという現状! すると、自ずと『治癒魔法』がかなり希少価値の高い魔法だということがわかるな?!」

「は、はい!」


 レイカ先輩がキレながらもちゃんと説明してくれていた。優しい(※優しいとは?)。


「そんな希少価値の高い『治癒魔法』を、お前は下級魔法とはいえ生活魔法で⋯⋯⋯⋯もっと具体的に言えば、生活魔法の魔力回路で作ったんだ。これは本来あり得ないし、あってはならないことなんだぞ!」

「ですよね〜」

「ですよね〜⋯⋯⋯⋯って、当事者意識がまるでなぁぁぁぁいっ!!」


 スパーン!


 すごいいい角度で頭をはたかれた。いい音した。



********************



「こ、これ、どうするんすか、レイカ先輩⋯⋯?」

「ど、どうするも何も⋯⋯⋯⋯どうすんだよ、フリオ!」


 いつもの無茶振りをする安定のレイカ先輩。


「ええっ!? ま、まーそうですね。とりあえず、実際にラルフ君が本当にその治癒魔法を作れたのか、まずその確認が先ですね。なので、早速ですがラルフ君⋯⋯その今作った治癒魔法を発現してもらってもいいですか?」

「はい、わかりました。えーと、じゃあ、誰かケガか打撲している人はいますか?」

「あ、じゃあ、俺! 今日の『剣術・体術』の授業でちょっと腕を切ったんだよ」


 と言って、テイラーが右腕の傷を見せてきた。手首から肘にかけて縦に傷があった。血は止まっているようだが痛々しい。


「じゃ、テイラー行くよ?」

「お、おう!」


 何か、テイラーがすごく緊張しているのか鼻息が荒い。


治癒(キュア)!」


 スゥゥ⋯⋯。


「お、おおおおおお⋯⋯! き、傷が⋯⋯消えて⋯⋯!」


 テイラーの傷がちゃんと消えた。よかった、成功だ。


「お、おおおおおお⋯⋯! こ、これはまさに⋯⋯! 光魔法の下級魔法⋯⋯⋯⋯『治癒(キュア)』!」


 フリオ先生が声を震わせながら叫んでいる。


「す、すげぇぇぇぇ! マジで治癒魔法じゃねーかっ!!」


 レイカ先輩も手放しに驚いている。


「いや〜⋯⋯成功してよかったです」



********************



 私は初めての『オリジナル魔法』の成功に素直に喜んだ。まー厳密には『オリジナル魔法』というより、既存魔法の再現なので『模倣』に近いのだが⋯⋯。


「し、信じられん⋯⋯。私は夢を見ているのか⋯⋯?」


 フリオ先生は傷が消えたテイラーの腕を何度も手で触りながら傷跡が全くなくなり、完治していることを何度も確認していた。


「ほ、本当に⋯⋯傷がきれいさっぱり⋯⋯消えてやがる⋯⋯」


 そして、フリオ先生と同じようにレイカ先輩もまたテイラーの腕を食い入るように見ていた。


 ただ、私としては今、創造した魔法は既存魔法の再現でしかなく『オリジナル魔法』の創造ではなかったので、


「み、みんな、どうしたんですか? これはただの(・・・)光属性の下級魔法の再現でオリジナル魔法の創造ではないですよ?」


 と、「そこまで驚くのはちょっと大袈裟では?」というテンションで聞いてみた。すると、


「ああぁあああぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!!」


 突如、テイラーが発狂し出した。


「ど、どうした、テイラー! 頭を強く打ったか!?」

「お前はどうしてこう⋯⋯常識がないんだよぉぉぉ!!!!」

「えっ?! 私⋯⋯!」

「たりめーだろ! いいか! お前が今やったことは完全にアウトだからな!」

「えっ! そうなの!? だって、ちょこーっとパクリ⋯⋯けふんけふん⋯⋯模倣しただけだよ?」

「当たり前だろ! ていうか、パクリがどうこう⋯⋯って話じゃない! 生活魔法の魔力回路で六大魔法を作ったこと自体が大アウトって言ってんだよ!」

「あー⋯⋯⋯⋯⋯⋯なるほど」


 そういうことね。


「ラルフが今やった魔法創造は人に知られるとかなりマズイものだと思う」

「そっか〜。じゃあ、この光魔法の『治癒(キュア)』を魔道具にすることはやめたほうがいいか⋯⋯」

「ああ、そうだ⋯⋯⋯⋯⋯⋯いや待てよ?」


 さっきまで「魔法が作れるというのがバレるのはマズイ」と話していたテイラーだったが、ここにきて何か声色が変わって話し始めた。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


『毎週土曜日13時更新』です。


よろしくお願いいたします。


mitsuzo


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― 新着の感想 ―
[気になる点] コメディなので掛け合いが多いのはわかるのですが話が進まないデメリットが目立ちますね。
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