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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第二章<セルティア魔法学園/入学編>

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034「必修科目②」



 さて、『歴史』の後、次の授業は『料理』と『作法』と必修科目が続く。


 聞いた話によると、どうやら必修科目は午前中ですべてやるものらしく、それ以外の授業は午後からなのだそうだ。理由を聞くと「だって、必修科目以外の授業を受けない生徒が多いから」とのこと。


 なるほど。つまり、必修科目以外の授業を受けない生徒とはいわゆる貴族の生徒で、『魔法自由科』を『将来の花婿・花嫁候補づくり』や『派閥形成』を主とした使い方をしている生徒のことを言っているのだろう。


 もしかしたら、「午後からはお茶会をするから必修科目は午前中に集中させろ!」といった要望が貴族から上がっていたのかもしれない。


 いずれにしても、必修科目が午前中で終わるのであれば貴族の生徒は教室がいなくなるのだろう。であれば、午後は興味のある授業は片っ端から受けてみよう。


 ちなみに、午前中とは朝8時から正午までで、1時間お昼休みがあり、授業は午後1時から午後4時までとなる。授業のコマは『1時間:1コマ』なので、朝4コマ、午後3コマとなる。


 また、午前中に必修科目が集中すると話したが、必修科目とはいえ授業が毎日あるわけではないので、午前中でも必修科目がない日もある。その場合は午後の授業が午前中に入るのだ。


 ただし、休み明けの毎週月曜日の午前中は4つの必修科目の授業は必ず用意されている。理由としては週末の必修科目の授業内容を思い出させるためだとか。⋯⋯なるほど、これは理にかなっているかも。


 あ、ちなみに、この世界では一週間は7曜日あり、1日は24時間。季節も春夏秋冬があり、あと、長さや重さ、時間といった『単位』も地球にいた時と同じだ。なので、魔法とかお城とかファンタジー要素を見なければ地球にいるのとほとんど変わらない。まー、文化や食・生活習慣・常識は全然違うけどね。


 とはいえ、そういった基準が地球と同じなのはありがたい限りである。



 偶然? それとも⋯⋯意図的?



********************



「オホン。皆様、わたくしが『作法』と『料理』の両方の必修科目を担当する『ミレーネ・ザックボンド』⋯⋯ザマス!」


(っ!? ザ、ザマス⋯⋯だとっ!!)


 私は生まれて初めて⋯⋯もっと言ったら前世も含めて、初めて『ザマス使い』を目撃した。



(ス○夫ママが現実に⋯⋯っ!!!!)



 しかも、外見も『三角メガネをかけた紫パーマの教育ママ』という容姿⋯⋯完璧だ。


「さて『作法』というのは礼儀であり紳士淑女の(たしな)みザマス。セルティア王国民たるもの、例え、貴族でない平民や獣人・亜人であっても、等しく、例外なく、きちんとした作法を身につけていただくザマス!」


 ザックボンド先生は「有無を言わせないザマス!」と言わんばかりに金切り声でそう言い切った。ていうか、正直平民や獣人・亜人に作法などは必要ないのでは⋯⋯?


 しかし、そう考えるとどうして平民や獣人・亜人が多い『魔法自由科』で『作法』が必修科目になっているのだろう? まーそれを言ったら『料理』もそうなんだが⋯⋯。


 ん? 待てよ? もしかして、これって貴族の生徒に合わせているのでは⋯⋯!


 貴族には『作法』も『料理』も必要⋯⋯あ、いや、でも『料理』はどうなんだろう? 子爵以上の貴族であれば料理は家に雇われているシェフがすべてやるものでは? そうなると、貴族の生徒に合わせている⋯⋯とはならないか⋯⋯。


 私がそんなことを一人考えていると、そのことについての解答のごとき解説をザックボンド先生が告げられた。


「貴族であればお屋敷で料理人が食事を用意されるものですが、しかし、それはあくまで結婚後(・・・)の話。つまり、結婚する前である『恋人(パートナー)ゲット』を成功させるには数々の恋敵(ライバル)に勝利しなければならないザマス! そして、そのために有効な手段の一つがこの『料理』ザマース!」


 おおおおおおおおおおおおお〜〜〜っ!!!!


 ザックボンド先生の言葉に貴族だけでなく平民らを含めた全女子が感嘆の声を上げる。そんな女性陣を見てポカーンとしている私を含めた男性陣だったが、


「ちなみに、今の話は殿方も例外ではありませんよ? むしろ、『男が料理なんてするものじゃない』と思っている殿方は多いかもしれませんが、しかし、もしも自分に好意を寄せる殿方から美味しいお菓子をプレゼントされ、尚且つ、渡した本人が実際に作ったものだとわかれば『男性が料理など⋯⋯』といった固定概念に囚われない『懐の深い男』だと映り、恋敵(ライバル)に打ち勝つこと間違いないでしょう⋯⋯」


 おおおおおおおおおおおおお〜〜〜っ!!!!


 と、今度は男性陣から大きな歓声が上がる。あ、いや、私は一緒にしないでいただきたい。


 ていうか、ザックボンド先生って⋯⋯見た目は『教育ママ』っぽいけど意外とおちゃめさんな気がする。実際、今話したやつって絶対盛ってる(・・・・)よね?


 とはいえ、私以外の生徒は皆、ザックボンド先生の術中に見事にハマってやる気が溢れ出ているので余計なことを言うのはやめた。⋯⋯ま、無粋ですしね。


 何はともあれ、他の学科はわからないけど、少なくとも私たち『魔法自由科』の先生方は、皆『クセスゴ集団』ってことだけはわかった。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


毎日13時更新(現在は投稿休止中。二週間〜1ヶ月以内に再開予定)。


よかったら、こちらもお読みいただければ幸いです。


mitsuzo


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