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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第二章<セルティア魔法学園/入学編>

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031「クラスメイト<獣人・亜人視点>⑤」



 私の名は、ミリア。


 獣人は獣人でも『人間寄り獣人(ヒューメリアン)』ラビット種の獣人だ。


 獣人族は『人間寄り獣人(ヒューメリアン)』と『獣寄り獣人(ビースタント)』と2種類あり、『獣寄り獣人(ビースタント)』が獣人国では主導権を握っていることもあり、私は故郷の獣人国では弱い立場の獣人になる。というか、『人間寄り獣人(ヒューメリアン)』は肩身の狭い思いをしながら生きている。


 なので、我々は獣王に『獣寄り獣人(ビースタント)』による虐待や差別を受けているという現状を説明し、やめさせるよう訴えたが、獣王は「それが『人間寄り獣人(ヒューメリアン)』であればやむなし」と平然と言ってのけた。



 それから私が⋯⋯故郷の『ナヴァロ獣王国』を捨てるのに時間はかからなかった。



 私は人生をやり直すべく新天地であるこのセルティア魔法学園にやってきた。セルティア王国は『人間至上主義』で有名な国であるため、獣人や亜人は『奴隷』として扱われるものの、しかし、国自体が豊かなので奴隷扱いされる獣人や亜人にもきちんとした寝床や食べ物を与えてくれるらしい。


 奴隷扱いとはいえ、他の国に比べれば獣人や亜人にとって住みやすい国なのだ。


 あと、私たち獣人や亜人がこの国に希望を抱いてくるもう一つの大きな理由として、この王都の『市民権』が得られるというものがある。この国では忠誠や働きが認められれば獣人だろうが亜人だろうが『市民権』を得られるのだ。


「絶対にこのセルティア王国で市民権を得るんだ! 魔法学園に入って騎士になるんだ!」


 私は最初『騎士科』を目指して入学試験を受けた。しかし、結果的に『魔法自由科』にしか入れなかった。本当は『騎士科』に入りたかったので試験官にそう告げたのだが、試験官から「お前は獣人の割に魔力量が多いので魔法自由科なら受け入れよう」と言われた。


 試験官の話だと「いくら獣人とはいえ『人間寄り獣人(ヒューメリアン)』の身体能力程度ではこの学園に入ることはできない」とのことだったので、私は渋々ではあったが、それでも「学園に入ることは絶対にプラスになる!」と自分に言い聞かせ『魔法自由科』に入ることを決意した。


 この『魔法自由科』⋯⋯話によると『100%卒業できる学科』ということで有名らしく、なので、ここに通うこの国の貴族の子息や令嬢は将来の派閥形成のために利用しているらしい。


 ちなみに、ここは『称号が生活魔法士だが魔力量が多い平民』が入れる学科とのこと。なので、平民で魔力量の多い者はこの学科に入学し、歴史や政治、また魔法に関する知識などを学んで『文官』や『魔法研究者』を目指すのが多いらしく、そのため、貴族と違って平民は勉強が大変なのだそうだ。


 そうそう、獣人種は私一人だが、亜人種でエルフ族が一人いた。


 さすが、美男美女しかいないと言われるほど、顔の造形が整っているエルフ族らしく、その少女もまた『美少女』であった。私も同じ女性であるし、故郷では一応「可愛い」と言われたことがあったが、しかし、このエルフに比べたら私なんてただの一般女性(モブ)の一人だろう。


 とりあえず、一緒に歩くのは絶対に避けたいレベルの美少女だ。


 さて、そんな、エルフ以外に次に目を引いたのは⋯⋯王族の生徒だった。ていうか、この『魔法自由科』には何とこの国の第一王女がいらっしゃったのだ。本来、王族の生徒はエリート貴族が入る『魔法騎士科』に行くものらしいのだが⋯⋯なのに、なぜ?


 そんな中、もう一人目を引いたのがいた。こちらは男の子で、見事な自己紹介をしたウォーカー辺境伯の嫡男ラルフ・ウォーカーという子だ。


「こいつ⋯⋯只者じゃない」


 私はラルフ・ウォーカーの存在感にかなり衝撃を受けたが、同時にすごく興味も湧いた。あと、貴族の生徒にも何人か面白い奴がいた。


「何だか、とても楽しそうじゃない⋯⋯魔法自由科!」



********************



 私は『セリー』。


 エルフ族。年齢はたぶん110歳あたりだと思う。長命のエルフ族の中では人間の年齢でいうところの14〜5歳にあたる。


 私は「外の世界で勉強したい」と言って国を飛び出した。⋯⋯半ば強引に。


 まーそんなことはどうでもいいのだ。とにかく私は魔法を研究したいのだ。


 ということで、私は手始めにまずセルティア王国という魔法研究が盛んな国へと向かい、そして、今はそのセルティア王国にあるセルティア魔法学園の『魔法自由科』に入っている。入学試験があったのだが私は六大魔法の『風魔法特級士』だったのですぐに合格した。


 試験官には『魔法騎士科』を強く勧められたが、私は「魔法の研究がしたい」と言って『魔法自由科』へ入った。⋯⋯試験官は「な、なぜ?! もったいない⋯⋯!」などとほざいていたが、私からしたら魔法騎士なんて1ミリも興味なかったので試験官のその戯言は聞こえなかったフリをした。


 ところで、学園に入ってわかったのだが、この国は『人間至上主義』らしい。獣人族や私たちエルフ族やドワーフ族などの亜人は奴隷扱いになるという。


 私はそれを聞いて「マズイ。逃げよう」と思ったが、実際は特に問題なく過ごしている。というのも、ここへ来てすぐに学園の寮に入ったので、正直人間とは誰とも接触することはなかったので奴隷扱いされることは今のところなかった。


 え? 学園の寮って入学式の日の午後からしか入れないんじゃなかったっけ⋯⋯だと?


 忍び込んだらバレなかったから大丈夫だったよ。


 そんなわけで、次の日——めでたく入学式を迎えることとなった。まー入学式に興味はないから寝てたけど。


 その後、『魔法自由科』の教室に移動。先生が一言二言言ってすぐに自己紹介となった。


 その中で一人、気になる男の子がいた。ウォーカー辺境伯家の嫡男ラルフ・ウォーカーという少年だ。


 とても、きれいな顔立ちなのだが彼の見事な挨拶を見た時、何と言うか「年齢以上に大人びている」と感じた。不思議な男の子だ。


「うん。私、この子と友達になる!」


 生まれてきて初めて、私が人間に興味を持った瞬間だった。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


毎日13時更新(現在は投稿休止中。4月27日(土)から再開予定)。


よかったら、こちらもお読みいただければ幸いです。


mitsuzo

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