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生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜  作者: mitsuzo
第三章<セルティア魔法学園/生活魔法クラブ編>

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104/125

104「魔法騎士科1年生(2)」



「えっ!? お、おはよう⋯⋯ござい⋯⋯ますっ!!」


 私とケビンに挨拶を返されたマリアは、まさか挨拶を返してもらえると思っていなかったようで一瞬、驚きの表情を示す⋯⋯が、すぐに正気に戻ると挨拶を返してくれた。


「やぁ、マリアちゃん。元気かい?」

「え? あ、は、はい。えーと⋯⋯」

「あ、ごめん、ごめん、自己紹介するね。俺の名はケビン・スレイプニール。スレイプニール伯爵家の嫡男だ」

「はうあっ!? は、はは、伯爵様! す、すみません! 私のような平民が、伯爵家の嫡男であるケビン様に気軽にお声をかけてしまい、大変申し訳ございま⋯⋯」


 ケビンの素性を聞くや否や顔を真っ青にして驚いたマリアは、ケビンにすぐに謝ろうとした。しかし、


「ああ⋯⋯いい、いい! 大丈夫、大丈夫! 魔法学園(ここ)では基本『身分無礼講』だから」


 と、ケビンはニコニコ笑いながらマリアに謝罪は不要である旨を伝える。


「え? い、いいのですか?」

「もちろん。セルティア魔法学園内では基本『身分無礼講の精神』だから普通に同級生として、同じクラスメートとして、普通に接してくれて構わないから! あと、俺のこともアリスのことも同級生なんだから敬語は不要だ」

「で、でも⋯⋯」

「本当、本当。⋯⋯なぁ、アリス?」


 そう言って、ケビンがすかさず私を巻き込んできた。


 もちろん、その『波』に乗らせていただく。


「⋯⋯オネスティ伯爵家アリス・オネスティだ。ああ、もちろんだ。セルティア魔法学園の生徒である間は王族も貴族も平民も、そして獣人・亜人も含めて身分関係なく接して問題はない。それが『身分無礼講』なのだから」

「は、伯爵家⋯⋯!? ふぇぇ〜⋯⋯は、初めまして、マリアです!」


 マリア嬢が私の家名を聞いて、ケビンの時と同様怯えながらも自身の名を頑張って名乗ってくれた。⋯⋯ていうか可愛いな、マリア嬢(この生き物)っ!?



********************



「そう言えば、マリアちゃんってあれでしょ? 10年ぶりに平民から『特級士』が出たっていう噂の⋯⋯」

「ど、どうでしょう⋯⋯!? たしかに平民ですが『神託の儀』で『水魔法特級士』を授かりました」

「なーんだ、やっぱりそうじゃないか! そんな謙遜しなくていいよー」


 そう言って、ケビンがマリアの肩をパンパンと叩く。


「い、いえ、謙遜というわけではなくて⋯⋯私以外にもう一人(・・・・)、平民で『特級士』の称号を授かった方がいますので⋯⋯。その方がその⋯⋯ケビン様が言う『噂の』という方ではないでしょうか」

「ああ⋯⋯そう言えばいたね。たしか名前は⋯⋯」

「リベラ君です」


 そう言って、マリアが『リベラ』という男の子に向けて指を差す。そして、その指先を辿っていくと、この国では珍しい『黒髪』の男の子が「人に指を差すな!」とでも言いたげな表情でこちらを見ていた。


「わわっ?! 気づかれちゃった!」


 マリア嬢は、リベラと目が合うと慌てて指を引っ込め、彼から目を背けた。


「そう言えば、マリアちゃんってリベラとはどういう仲なの?」

「え? リベラと⋯⋯ですか?」

「うん。ほら、彼ってマリア以外のクラスメートとしゃべらないだろう?」

「ああ、そうですね。まあ、あの子⋯⋯性格捻くれてるから」

「「え? 捻くれてる?」」

「あっ!? い、いや、捻くれてる⋯⋯じゃなくて、人見知り⋯⋯人見知りです! あはは⋯⋯」


 と、マリア嬢は一度「捻くれてる」と言った後、なぜか体をビクッとさせ、その後、急に「人見知りです」とさっきの『捻くれてる発言』を上書きして誤魔化した。


 私もおそらくケビンも気づかなかったのだが、もしかしたら、リベラから目線か何かで注意を受けたのかもしれない。例えば、あの『ビクッ』とした反応の時とか⋯⋯。まーただの勘だけど。



 それにしても、リベラ⋯⋯という平民の子供。


 六大魔法の中で光魔法よりもさらに稀有な属性魔法である『闇魔法』の特級士を授かった少年。


 個人的に彼の『闇魔法』にはすごく興味があるので、どうにかして私は彼とつながりたいとずっと思っているが、彼はかなりの人見知りなのか入学式の後から2ヶ月たった今もクラスメートと話したのを見たことがない⋯⋯⋯⋯マリア嬢以外は。


 クラスの中でリベラが自主的にコミュニケーションを取るのはマリア嬢だけなのだ。


 なので、今回のいじめの件をきっかけにマリア嬢の信用を得ることができればリベラともつながれるかもしれない。私はそう期待している。


 あと、個人的にマリア嬢とは友達になりたい。


 貴族の金と権力を使って、ドロドロに甘やかしたい。


 ドロドロに甘やかして、いっぱい愛でて、私に依存させたい(フヒヒ)。


「まったく⋯⋯かわいいは罪だぞ、マリアギラリ




 アリスがマリアを甘やかして自分に依存させようと画策するも、結果的には逆にアリスがマリアに依存する羽目になってしまうのだが、この時は誰も知る由もなかった。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://ncode.syosetu.com/n3084hz/


『毎週土曜日13時更新』です。


よろしくお願いいたします。


mitsuzo


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