メスガキわからせかくれんぼ
「さあて、悪い子は、どこに隠れちゃたのかなあ?」
お風呂場に隠れた私は、遠くから聞こえてくる声に、冷や汗をかきながら身を震わせた。
まさか、ザコだと思ってバカにし続けてきた、私の叔父さんが、あの有名な、メスガキわからせおじさんだったなんて。
「ここかなあ!? それともここかなあ!?」
足音と声が、少しずつ近づいてくる。
私ははだけた自分の衣服を、音がしないようにゆっくりと戻しながら、恐怖で自然に荒くなる呼吸を必死に押さえつける。
◇◇◇◇◇
きっかけは、愚かなメスガキである、私が引き起こしてしまった。
母の弟である私の叔父は、昔から私をとても可愛がってくれていた。
正直、私も叔父のことを気に入っていたし、最近覚えたエッチなあれこれも、多少はまあ、してあげても? くらいには思っていた。
叔父は私が知る限り、結婚もしていないし、恋人がいるところも見たことがない。
きっと、いい年して童貞か、ほとんど童貞と同レベルといったくらいの、よわよわ男だろう、とたかをくくっていた。
たまたま叔父が住んでいる、母の実家に遊びに行ったとき、他のみんなが買い物に出かけるというので、私はあえて叔父と二人で残ることにした。
久しぶりに、叔父さんのこと、からかっちゃお。
今思えば、これが運命の分かれ道だったのだ。
私のようなメスガキが、いい年した独身男と二人っきりになれば、やることは決まっている。
部屋にするりと潜り込んだら、パンツをチラ見せ、胸元をチラ見せ。
どこ見てんのとバカにして、あとは足やら手やら口やらで、その膨らんだよわよわち○ちんを、いい感じに始末する。
が、叔父のズボンを下げた瞬間、私は血の気が引いた。
かつて、友人のメスガキ仲間がよく言っていた。
「あんた、絶対わからせおじさんには気を付けなきゃダメよ。私たちメスガキは、わからせおじさんには絶対勝てない。メス堕ちルートか、ガチ恋ルートか、選べる未来はそれくらいよ」
その友人はある日急に、
「私、運命のダーリンに出会っちゃったの。わからせって、ほんとすごいんだから」
と言って、ガチ恋ルートの向こう側へ去って行ってしまった。
きっと私はそのとき、メスガキを引退すべきだったのだ。
でも、よわよわな男、ザーコザコな男を相手にしたときの、あのゾクゾクする感覚が、もう少しだけ、もう少しだけ、と私の引退を先伸ばしにさせた。
叔父と二人っきりになった今日も、その愚かな考えを続けてしまっていた。
ふざけ半分に下ろしたズボンとパンツの下に隠れていたもの。
わからせおじさんをわからせおじさん足らせる、唯一にして最大の武器。
メスガキわからせ棒だ。
目にした瞬間、悟ってしまった。
勝てない。
堕とされる。
私はその瞬間、這うようにして叔父の部屋から逃げ出した。
◇◇◇◇◇
「いやあ、こんなおじさんとかくれんぼしてくれるなんて、キミは本当に優しいなあ!」
声が聞こえる。震えが止まらない。
叔父のことが嫌いなわけじゃない。
でも、わからせだけは。それだけはダメなんだ。
メスガキのアイデンティティーを粉々に砕く、そのわからせ棒、そして強力大人液を受けてしまえば、私は、自分が自分でなくなってしまう。
「ここかなあ? んん? なんだかこの先のお風呂場から、かわいい女の子の匂いがするぞ?」
もう、ダメだ。
わずか1m先の脱衣所で、わからせおじさんの声が聞こえる。
ガチャりと、浴室の扉が開く。
おじさんは、ニチャアァと笑った。
「わるいこ、みーつけちゃった」
仁王立ちするおじさんの股関には、私を絶望に引きずり落とす、恐怖のわからせ棒が、少しだけ強力大人液を滴らせながら、薄暗い浴室の中でいきり立っていた。
◇◇◇◇◇
奇跡的にその後、私がわからせられることはなかった。
ちょうど親族が買い物から帰ってきてくれたようで、玄関から聞こえた物音に、おじさんは舌打ちをしながら自分の子供部屋に戻っていった。
だけどその夜、私は何かに操られるようにして、また叔父の部屋の前に立っていた。
あのわからせ棒の姿が、見ただけ、少し匂いを嗅いだだけで、すでに私を心まで堕としてしまっていたのかも知れない。
私は誘うような薄着のまま扉を開ける。
部屋の中から、おじさんがいやらしい目付きで私を見つめた。
「やっぱり来たねえ。もうキミのこと食べちゃってもいいかな? もう、いいかい?」
「……うん。もう、いいよ?」
公式企画に参加したかったけど、こんな話しか思いつきませんでした。ごめんなさい。
つまらないと思った方も、せめて星一つ。ご評価をお願いします。