ショートドラマ「裏、飯屋」
これは、死者のその後を書いた短編小説で、登場人物は少なめで
今宵、開店した店は、人ならざるものが人ならざるものに、料理を提供する御食事処。しかも、人間は入ることも見かけることも出来ない、人ならざるものの為の御食事処。その名も「うらめし屋」
今日の来店したお客様は小さい頃に事故で命を落とした、可哀想な少女。お母さんと食べていたクロワッサンがまた食べたいと言った。この店は和、洋、中、なんでも出している。相手の生きていた頃の記憶から模倣するのだ。そして、その少女は笑顔で去っていった。
次に来店したのが、上司からのパワハラに耐えられないで自殺をしたサラリーマンだった。彼の好物は、いつも昼休憩の時に通っている定食屋の塩サバ定食だった。特に白米の甘みが好きだったという。ここの店主はそこまで真似できるのか。どんなものでも模倣するとはいえ、お米の研ぎ方、炊き方等まで模倣するのはその店の常連でも至難の業。それなのに、ここの店主はいとも簡単にやって見せた。米の研ぎ方から塩サバの塩加減まで全て模倣したのだ。その、サラリーマンもまた、笑顔で店を後にした。
毎日、このような人ならざるものの成仏などに力添え出来る店主は一体何者なのか。それを知る者は誰も居ない。
まだ拙い者が書いたので、どこか間違いやつまらないところや、面白いところがあったら気軽に感想を述べてくれると嬉しいです