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一話完結小説

夫「子供の名前はカブトムシにしよう」

作者: ケイ

26作目です

夫「子供の名前はカブトムシにしよう」


妻「あなた本気で言っているの」


夫「ああ、俺カブトムシが大好きだから子供にもカブトムシを好きになってほしいんだ」


妻「私は子供がカブトムシを恐ろしい顔で睨む姿が思い浮かぶわ」


夫「そんなわけないよ。子供はこの名前を誇りに思うはずだ」


妻「この名前のせいでイジメにあい、親を恨み、不良になると思うわ」


夫「さっきから何だこの名前に不満があるのか」


妻「不満しかないわ。いいキラキラネームは子供の人生を滅茶苦茶にすると言っても過言じゃないのよ」


夫「そんなわけないだろう」


妻「私の知り合いにアトミックボムって名前の人がいるわ」


夫「ぷ、何だその変な名前」


妻「あなたは笑う資格はないわ。カブトムシもアトミックボムも似たような物だから」


夫「いや、いくらなんでも…」


妻「平凡でいいから普通の名前にして」


夫「普通なんてダメだ。個性が死んじゃうよ」


妻「名前に個性を出さなくてもいいじゃない。メジャーリーグで活躍しているあの人の本名なんて鈴木〇郎よ。銀行の署名欄に書かれているような名前だけど今や日本を代表する人よ。名前は将来を決めないってことを意味してるじゃない」


夫「あの人は例外だ」


妻「もういい、あなたの知り合いにカブトムシっていう名前を聞いてみて」


夫「おお、分かった」



~電話中~


友人「お前、本気で言っているのか。マジやめろ」


上司「君、子供に何か恨みでもあるのかね」


母「病院に行こう。お母さん良いところ知っているから」



夫「みんな反対意見だった」


妻「それが世間の意見だよ」


夫「うう…、カブトムシいい名前だと思ったのに」


妻「カブトムシのカとトを取って和人かずとにしよう。これで満足して」


夫「うう…分かったよ」



~数年後~


和人「お母さん。何で僕の名前和人になったの」


妻「え、それはねえ」


妻(ヤバイ何て言おう。カブトムシから取ったなんて言えないし)


妻「平和の申し子になってほしいと思ったから付けたのよ」


和人「そうなんだ」


妻(真実は墓場まで持っていこう)



(終わり)


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