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みんな異世界が好き  作者: らーきー
6/12

ヒマジン・ライト

前書きは考えていなかった。


水晶玉に命じた通り、散らかっていた机の上はきれいになった。

といっても、荷物が吹き飛ばされてしまっただけなのだが。


「なるほど、『なんでもできる』ね」


この力を使えば、なんでもできてしまうのだろう。

しかし、必ずしも良い結果になるとは限らないのかもしれない。


第一、今の暮らしに不満があるわけではない。

そして、特に何か欲しいといったことも、ないのである。

水晶玉の便利能力があったところで、特に使い道も見いだせない。


無尽蔵に何かを出すことができるとか、そういうチートな性能があればいいのかもしれないが、あいにくこの水晶玉は俺の魔力か何かを消費しているようだ。

そんなリスキーなもの、怖くて使えない。


つまり、俺はいつも通り暇なのだ。

暇人、暇人。

「暇な魔人、火魔人」

何気なく俺が呟いたその時、突如として燃え盛る炎が目の前に現れた。

「我が名は火魔人ひまじん

炎をよく見ると、部屋の私物が燃えている様子は無いようだ。

おそらく、これは夢か幻覚のようなものなのだろう。


「ヒマジン?なんだ、ダジャレか。寒いな」

あるじよ、ならば暖かくなるように我が魔法を捧げよう」

「いや、今のは言葉のアヤというやつで・・・」


俺が言い訳をする間もなく、ヒマジンは両手を前方へ突き出して、呟いた。

言ってなかったが、ヒマジンは人間のような形をした炎なのだ。

あるじを暖めよ、光よ照らせ、ヒマジン・ライト」

ヒマジンが呪文のようなものを唱えると、目の前に鮮やかな色彩が広がった。


「すげぇ、なんだか心が楽になったようだ。春の陽気というか、のびのびとしているというか」

「お役に立てて光栄です、マスター」


幻覚だとは思うが、気分は悪くない。

「ヒマジン・ライト」というダサいネーミングも結構ツボに入ってしまった。


スクワット10回、腕立て伏せ10回、腹筋・背筋10回ずつ。

少しストレッチ。

「ヒマジン・ライト」のおかげか、ご無沙汰だった筋トレを(ほんの少しだけだが)やることができた。


そして、なんとなくだが、進むべき道が見えてきた気がしたのだ。





ついに魔法が登場しました。

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