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みんな異世界が好き  作者: らーきー
5/12

女神と水晶玉

創造主は君自身だ。

それは、「おっぱい」だった。

かつてない感覚が、俺の心を満たしていく。


ふと我に返る。

「誰だ、お前は!」

「私はアルセイヌ。」

「アルセイヌ?アルセーヌ・ルパンのような名前だな」


アルセーヌ・ルパンというのは、フランスの推理小説に登場する怪盗の名前だ。


「それで、この状況は何だ?何をしに来た?」

「あなたは先ほどの世界ワールドで、失敗されたのです。そのリカバリーのために、私がここに来たというわけです」

「何を言っているのかわからないな。」


ここで状況を整理すると、俺は布団に入っていて、横を向いて寝ている状態だ。

そして、彼女は後ろから俺に抱き着いてきているような、そんな構図である。

もし強盗であれば、もう俺の命は無いようなものだし、無駄に焦ることも無いと観念していた。


もしかすると、まだ俺は夢を見ているのかもしれない。

そういう気もしていた。


「とにかく、あなたがするべきことは、そういう問答ではありません」

「だったら、何だと言うんだ」

「思い出すのです。冒頭の出来事を」

「――そうか、『創造』だな」


俺は、謎の男ナロウに水晶玉をもらったことを思い出した。

彼は言っていた。「創造主は俺だ」と。


ここで初めて、俺は後ろを振り返る。

そこには薄い桃色のドレスを着た女性がいた。

もちろん、胸は大きかった。


「そうか、『自由』にしていいんだな」

「そうです。ここは貴方の世界。」

「じゃあ、胸を揉ませてもらう」


そう言って俺は彼女の乳房をわしづかみにした。

やわらかかった。

よく見る漫画やラノベであれば、こうやって胸を触ったときに、女は動揺したり声を上げたりするのであるが、アルセイヌは終始真顔であった。

まあ、現実というものは、そういうものなのだろう。


「ふむ。それでお前は、アルセイヌは女神という話だったか」

「いえ、女神というと正確ではありません。私は・・・」

「いや、そこは女神ということにしておいてくれ。よくある異世界モノでは、お前みたいな感じのやつは大体女神っていう奴なんだ」

「そうでしたか。それでは女神という呼称を承認いたします」

「カタいな」


横になったままで話をするのはアレだったので、お互いに座った状態で話を再開した。

まあ、自室なので、布団の上ではある。


「それで、女神アルセイヌ、お前の狙いは何だ?」

「今、世界は危機に晒されています。あなたの手で、世界を救ってほしいのです」

「危機?いつも通りの日常に見えるが」

「・・・あなたにはわかるはずです。『黒い影』の脅威が」

「いや、そんなものは無い。黒い影というのは、さっき見た夢の話だ。」

「そうですが・・・」

「そんな暗い話はやめようぜ。もっと明るい話をしよう」

「明るい話ですか、そんなものがこの世界にあるのですか?」

「お前、女神じゃないのか?日本にはな、『八百万の神』ってのがいる。

というか、あらゆるものに神が宿っていると考えたほうがいいかもしれない」

「それはダメです。現実から離れてください。『創造』するのです」

「いや、現実あっての空想だろ」

「やめてください。現実に希望を持たないでください。いや、希望は持ってください。」

「アルセイヌ、お前、おかしいぞ」


うまく会話が成り立っていないような気がした。

ブロンドの女神は、机にあった水晶玉を取ると、うつむきながら俺にそれを手渡した。


「これをどうしろと?」

「何かで見たんですが、水晶玉には特別な力が宿っているとかなんとか。この水晶玉の力で、世界を救って・・・、いや、なんでもないです。生活を便利にしてください。あ、なんでもできますよ、これ」


そう言うと、女神は布団の中に消えていった。


「水晶玉か・・・」


手に持った水晶玉の先に、散らかった荷物が見えた。


「水晶玉よ、あれを片付けよ」



能力バトル的な感じにしていきたい。

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