さようなら世界。こんにちは世界。
コンコンコンコンコンコンコン…………
あぁ… またこの音だ。この音を聞くのは何回目になるだろう。かれこれ、100回は聞いているな…
「 進藤くん。」
「はっ…はい!」
「私はね、企画書を出してくれと言ったんだよ?
なのに何故、沖縄旅行の提案書を持って来る
んだね?」
企画書が作るのが嫌で現実逃避で沖縄旅行を考えていたら案外楽しくなって提案書作っていたなんて口が裂けても言えない……
「いえ、あの、部長…その…えっ…と。」
「えっとじゃないんだよ!あっ(゜ロ゜;?!!!
ウチは電気メーカーなんだよ!
旅行代理店じゃねぇんだよ!このバカ!」
ちっ。なんなんだよ!そんなに怒らなくたっていいじゃないか!俺だって頑張ってんだよ!
なんだ?てめぇ!こっちみてんじゃねぇーよ!
その、イライラしてる時にペンで机をコンコンすんのやめろや!あぁ。ムカつく。いっそコイツの頭に延髄ソバット蹴り食らわしてやろうか!
あ?ガン付けて怒ってんじゃねぇよ?コラァ!
「聞こえてんのか!進藤オオオオオオ!!!」
「も…申し訳ありませんでした!汗」
と…とりあえず、ここは謝って難を逃れよう。
それがいい。俺氏は、天才だ(^-^)汗
「あぁ…もーいいよ。下がってもらって。」
「本当に申し訳ありませんでした。」
勝った!俺はやったぞ、このクソ部長に勝った!
「進藤くん。明日からは来なくて良いから。」
え?
今なんて?
明日から来なくていい?
「部長………。それはどーいう意味でしょうか?」
「言葉のとおりだよ。クビだよ。後で辞令出すから。3年間ご苦労様でした。」
進藤 新 29歳 三十路目前にして解雇宣告。
職なし
金なし
彼女なし
さようなら世界。こんにちは世界。