82 『あと何より景品です!』
お昼のログアウトを挟んで引き続きSP稼ぎの時間です。
評価査定と補充はログアウト前に済ませてありますので問題ありません。
あ、それとイベントアイテムの『影の欠片』の買取強化のためと、今までにも要望が多数寄せられていた営業時間の拡張に関して検討してみました。
つまりは営業時間の増加に伴う店員さんの追加です。
店員さんの追加は4名です。
これからは24時間営業になるので、余裕をもってシフトを組めるようにしてみました。
今回も前回同様【開拓者組合】から紹介してもらい、すでに面接も終えて4名から希望するシフトを確認済みです。
今までの3名についてはこのまま昼の勤務を希望ということなので変更なしです。
そのうち全員と引き継ぎなどで顔を合わせるでしょうから、特に全員の顔合わせなどは行っていません。
『バケツさんのお店 Lily』は小さいお店ですが、これからは24時間営業です。
その前にお店を広くするべきかもしれませんが、商品補充が間に合いませんからね。
今でもかなり厳しいんですから。
一応お客さんの要望を取り入れた形にはなっていますが、メインは『影の欠片』の買取強化です。
私も今回のイベントには積極的です。
何せ生産者にもちゃんと配慮されているのですから。
それにイベントで配布された特別なレシピは結構な量ありますし、経験値も悪くないように思えます。
スティール系装備ばかり製作していてはさすがに飽きてしまいますし、武器や攻撃アイテムなどは『異形なる影の下僕』達に特攻効果があります。
ですので結構売れ筋商品なのですよ。
レシピもそれほど中間素材が多くないものが大半ですので、スティール系装備よりも時間がかからないのも嬉しいですね。
あと何より景品です!
イベントに参加することにより貰えるポイントと引き換えにして貰えるイベント限定アイテムですが、ここで新要素が登場しているのです。
その名も『ミニコット』。
ミニマスコットの略称のようですが、公式発表は『ミニコット』です。
『ミニコット』は連れて歩ける人形のようなもので、戦闘、生産にはいっさい関与できません。
Lvもスキルもありませんし、名前もつけられませんが何よりかわいいのですよ。
連れているだけで楽しくなりそうです。
まさにマスコットですよね。
その『ミニコット』ですが、イベント限定アイテムとして景品にたくさんあるのです。
もちろん引き換えとなるポイントにも差があったりするのですが、その中でも特に可愛らしかったり、綺麗だったり、格好良かったりする『ミニコット』は消費ポイントが高いですね。
そうでもないものは相応といったところでしょう。
例えば私が狙っている動物型の『ミニコット』の『ミニコット/ネコソギキャット』は凛々しさの中に可愛らしさが同居した秀逸なる存在です。
でもこの子はポイントが3番めに高いのでなかなか敷居が高い子です。
まだイベントも始まったばかりということで、さすがに誰も入手できていません。
ミカちゃんと姫ちゃんは『ミニコット』よりもイベント上位を目指しているため交換しないようですが、『Works』のメンバーはすでに交換している人もいます。
向田さんは岩の塊のような『ミニコット/ロックロックロック』を。
ミーとムーはフラスコのお化け『ミニコット/浮遊三角瓶』を。
甘ロリさんとるーるーさんは私同様消費ポイントが高い『ミニコット』狙いです。
向田さん達の『ミニコット』を見てその決意は確かなものになったのですよ。
だってポイントが低い『ミニコット』は可愛くないのです。
特に岩の塊の『ミニコット/ロックロックロック』は意味がわかりませんでした。
ゴロゴロ転がってついてくるのは可愛いようなそうでないような……。
取得した向田さんは満足そうでしたけどね。
ミーとムーに至っては同じ『ミニコット/浮遊三角瓶』を2つも取得してそれぞれ連れているほどです。
ただの空飛ぶフラスコなのですが、彼らは満足そうです。
ちょっとよくわかりませんね。
というわけで可愛らしい『ミニコット』をゲットするためにもポイントを稼がなければいけません。
とはいってもイベント期間は9月末までです。
まだまだ時間はありますので少しずつやっていけば十分に間に合うでしょう。
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『影の欠片』を使ったアイテムを製作したり、読書をしたり、『魔術陣』を描いたり、『魔術紋様』を描いたり……最後の2つは同じでしたね!
そんなわけで自由時間の大半は私の癒やしである『魔術陣』製作で過ぎて行きました。
『ゲーム内時間』で今はすでに夜タイムです。
お店のシフトも夜勤担当に代わっているはずですが、商品の補充はもう少ししたらですね。
何せまだ作ってませんから!
でも大丈夫です。
イベントアイテムは製作してありますし、『魔術陣』もいっぱいあります。
スティール系装備だけが補充商品ではないのですよ。
まぁ一番求められているのはスティール系装備なのは間違いないですけど。
そんなわけで少し作ってから補充に行きましょう。
「さて行きますよー」
私の言葉に続いてとことこと近寄ってくるのは『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』です。
足がないので体を揺らして近寄ってくるのですが、私が走っても追いつけるくらい早いんですよね。
でも見た目はちょっと大きめのキノコです。
はい、取得しちゃいました!
だって『ミニコット/ネコソギキャット』は遠いんですよ。
『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』はお手頃価格といいますか、『ミニコット』を手軽に体験できるように設定された低めの消費ポイントの子なんですよね。
こういったお手頃価格の『ミニコット』は複数種類用意されています。
まぁお手頃価格とはいってもそこそこはするんですけどね。
でも『ミニコット/ネコソギキャット』ほどではありません。
私が自由時間に製作した分で得たポイントの半分くらいで取得できましたので、みんなすぐ取得できる範囲のものです。
しかしアレですね。
見た目は完全にキノコなんですが、だんだん可愛らしく思えてきました。
なんというかこう、一生懸命ついて来るのがいいんですよ。
我慢できずにお手頃価格の中でもマシなものを選んだつもりでしたが、予想以上です。
これは実際に取得して見ないとわからない感覚かもしれませんね。
もしかしたら『ミニコット/ロックロックロック』や『ミニコット/浮遊三角瓶』も実は可愛いのかもしれません……。
いや、やっぱりないですね。うん。
というわけで私の後ろをとことこついてくる『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』と一緒にスティール系装備の製作にとりかかりましょう。
中間素材は予め製作予定の分をまとめて一度に作ってしまうので移動自体はそれほど多くありませんけどね。
ついてくるだけの『ミニコット』ですが、移動しない場合はその場に留まり、待機状態が一定時間続くと様々なアクションを見せるようです。
『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』は胞子を散布し始めたりします。
「って胞子!? 何してんの君! って……床に付く前に消えちゃうんだ……」
ちょっとびっくりしましたが、ただのエフェクトのようです。
実際に菌が撒き散らされているわけではないようです。
試しに床に落ちて消える前に胞子を適当にその辺にあった素材に付着させてみようとしましたが、だめみたいですね。
付着する前に消えてしまうようです。
素材に何かしらの変化があったら面白いと思ったのですが、やはり公式の説明のとおりに生産などには関与できないみたいです。
まぁでもこれ、面白いですよね。
『ミニコット/ロックロックロック』や『ミニコット/浮遊三角瓶』はどういったアクションを見せるんでしょう?
その辺は確認していなかったので今度会ったら見せてもらうとしましょうかね。
ちなみに『ミニコット』は1人1体しか連れて歩けません。
取得と同時に手に入る専用の呼び出しアイテムで出し入れが自由ですが、同時に2体以上の呼び出しはできないようになっています。
まぁ私はまだ『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』だけしか取得していませんが。
今回のイベント景品でたくさんの『ミニコット』が登場していますが、今後も随時追加されていくようです。
イベント限定の『ミニコット』などは出来るだけ集めたいところですが、『ミニコット/ネコソギキャット』ですら取得が大変ですからね。
その上の2体はまず無理でしょう。
ポイントが余ったら他の『ミニコット』の取得も目指したい所ですけどね。
『ミニコット』集めに走っている私みたいなプレイヤー開拓者はランキングの上位なんてまず無理ですね。
だって取得するとポイントが減っちゃうんですから。
ランキングは累計ポイント数ではなく、現在のポイント数で競っているのであちらを立てればこちらが立たず、というわけです。
まぁイベントなんですから、楽しめればいいのですよ。
NPC達にとっては異変の1つであり、脅威でしかないでしょうが、プレイヤー開拓者にとってはそうではありませんからね。
最近NPCクエストで関わる事が多いので、その辺の話もそこそこ耳に入ってくるのです。
やはり【ふろんてぃあーず】で生活している彼らにとっては身近な危険でしかありませんからね。
浮かれ気分に水をさされるようで少し残念ではありましたが、それはソレ。
私に出来る事は生産しかありません。
ミカちゃんや姫ちゃんみたいに戦って実際に異変に対処できるわけではないのですから仕方ありません。
ですので、私は私の出来ることで貢献して、さらにはイベントを楽しむのですよ。
『ミニコット/ワンダーマッシュルーム』も踊って応援してくれているようですし、さっそく貢献するためにも製作していくとしましょうか!




