表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/154

61 『いやー頑張りましたね、私』

 昼食など諸々を済ませてログイン。

 ログインして一番最初に目につくのは『メール』の着信のお知らせです。

 さっそくですが、甘ロリさんが動いてくれているようで現時点で連絡が着いたのはミーとムーの双子だけのようです。


 甘ロリさんが仲立ちしてくれたので報酬についても書かれていました。

 ミーとムーの提示した報酬は掲示板に上げていない『錬金術』で製作できるアイテム情報でした。

 どうやらこれらは彼らの研究の最先端情報のようです。

 なんだか吊り合ってないような気がしますが、仲立ちしたのは甘ロリさんです。ミーとムーも納得しているのでしょう。


 あとはるーるーさんと向田さんだけですが、今はログインしていないようです。

 夜辺りになるでしょうか。

 彼女達は甘ロリさん同様に社会人らしいですから。

 ミーとムーは夏休みですし。


 さて、それではさっそく生産活動を始めますかね。

 甘ロリさんから報酬として受け取った例の極細糸もありますので、親方さんから教わった『追加』素材の加工を少しは試せます。

 実に楽しみですね!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 製作を続ける事6時間あまり。

 例の極細糸を使って製作した『雨雲の濾布』を使って『追加』用の素材加工なども試してはみましたが、『ダブルオプション品』を超える事は結局ありませんでした。

 まぁ元々『トリプルオプション』は無理だろうと思ってもいたのであまり落胆はありません。

 それでも素材加工の段階で『追加』を施せばランクアップできるようなので確実に近づいてはいると思います。

 きっともっとスキルLvを上げれば何もしないよりは『トリプルオプション』に近づくでしょう。

 素材のランクアップは近道の1つですからね。


 ……まぁでも気持ち『ダブルオプション品』が大目に出来たような気がしないでもないです。あ、やっぱり運ですね。


 時刻はすでに『ゲーム内時間』の24時を過ぎています。

 当然ながらお店はやっていませんので補充はあとでいいでしょう。

 これからは自由時間です。

 まずは私の癒やしの『魔術陣』から始めましょうかね!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 『魔術陣』を十数枚描いた所で大分満足しました。

 やっぱり『魔術紋様』は素晴らしいですね!

 新しい『魔術陣』もたくさんありましたので、色々と確認も出来てよかったです。

 でも入手できたレシピは基本的に初級よりも少し上の攻撃系ばかりなので使用回数が心もとないですね。

 そろそろ『魔法紙』のランクアップを目指してみましょう。

 ミーとムーから貰った研究成果のおかげで新しい『濃縮魔法液』の製作が出来ますので、まずはそれを試してみましょう。

 それに『雨雲の濾布』は『錬金術』の素材加工と相性がいいはずですので大いに活用してみたいところです。

 素材についても『エーク迷宮』産の高ランク素材を使えますしね。


 でも『錬金術・改』は進化済みスキルの中でもスキルLvがそれほど上がっていないのでちょっと不安です。

 それに親方さんから教わったスキル外スキルの例もあります。

 まぁ何はともあれ製作してみなければ話になりませんよね。


 ……で、完成品がこちら――


 ====

 濃縮混合魔法液・改025

 素材/★4

 ====


 無事製作成功です。

 ランクも★4ですし、それほど難しいものではなかったようですね。

 いえ、素材や道具の補助のおかげもあるでしょうからその考えは早計ですね。


 ミーとムーからの『メール』に書かれていた説明によると、ただの『濃縮魔法液・改』よりも効果が遥かに高いそうです。

 実際どう変わるのかは『魔法紙』を製作してみればわかるでしょう。

 目指せ★4です。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 さてちょっとこちらを見てください。


 ====

 魔術陣:火弾

 アイテム/★5/使用回数10回

 ====


 初級の『魔術陣』ですが、回数が3倍以上になっているのですよ!

 市販されている★3の『魔法紙』ではどう頑張っても使用回数は3回です。

 ですが『濃縮混合魔法液・改025』で製作された『魔法紙』では使用回数を3倍以上に伸ばすことに成功したのです。


 そしてその立役者である『魔法紙』はこちら――


 ====

 魔法紙

 素材/★5/耐久30

 ====


 ★4を通り越して、見事に★5にランクアップしており、耐久も3倍になっています。

 『魔青銅の大盾』での実験で、『魔術紋様』を施す素材の耐久が使用回数に影響を与えている事はわかっていますので、順当な結果とも言えます。


 しかし★4ではなく、★5がいきなり製作できたのには驚きです。

 さすがは『錬金術』のトッププレイヤー開拓者の最先端の研究結果でしょうか。

 というかですね。

 これが最先端の研究結果だとしたら、★4が製作できたのはいつの話だったのでしょうか?

 確かに『魔術陣』は製作している人がプレイヤー開拓者にはほとんど……いえ、私以外まったくいないのでしょうけど、それでもですね……。

 ……いえ、需要がなさそうですから誰も作りませんよね、はい。


 でもこれからはもっと『錬金術』の掲示板情報を精査するべきですね。

 ランクアップによる使用回数の伸びは、ちょっと見逃せないものですから。

 『魔術陣』は装備品に次いで人気があるのです。

 お金に多少余裕が出来るようになった開拓者が増えたおかげでしょう。

 『魔術陣』は金食い虫ですが、とても便利ですからね。

 使用回数が増えるのはそんなお金に余裕が出来てきたプレイヤー開拓者にとって見逃せないものです。


 何はともあれ、現時点ではこの『魔法紙』が最高ランクでしょう。

 ★6が出来るまではまだ時間がかかるでしょうから、この先何百枚と必要になるはずです。

 だって私の癒やしなんですからそれくらいのストックは欲しいのですよ!


 さぁガンガン製作しますよー!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ★5の『魔法紙』を製作し続けた結果、2時間ほどで300枚ほど作れました。

 いやー頑張りましたね、私。

 これで数日は持つはずです。

 『紙』の在庫もなくなったので、あとで購入しにいかないといけないですね。

 あ、そういえば『紙』って誰か製作してないんですかね?

 レシピが未だに見つかっていないので私も作れないのですが、オリジナルレシピあたりで製作出来るようになっている人がいても不思議ではありません。

 まぁランクの高い『紙』が必要なのって『魔術陣』くらいなので、NPC(ノンプレイヤーキャラ)店舗で購入できる★3でみんな十分なのかもしれません。


 掲示板でも『紙』どころか『魔法紙』の情報すら見ることは稀ですからね。


 今度ケデリックさんの依頼が来たらそっち方向に伝手がないか聞いてみるのも悪くないかもしれません。

 どうせもう私がケデリックさんの依頼を断る事はたぶんありませんしね。

 だったらこっちもこっちでどんどん利用すればいいんですよ!


 そんなことを考えていたからでしょうか。

 本人からまた依頼が届いたようです。

 今回は店員さん経由ではなく、直接私に『メール』が着ています。

 そうなるように前回お願いしたからなんですけど。


 内容は前回と大体同じですね。

 ただ今回は少し数が多くなってます。とはいっても数個程度ですけど。

 お店の補充用に作った物では規格上納品できませんけど、この程度ならすぐに製作できますので問題ありません。


 夕方のログアウトまでそう時間もありませんし、さくっと製作してしまいましょうかね。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 夕方のログアウト前には納品分の製作も終わり、【開拓者組合(ギルド)】での評価査定及びお店への商品補充までも全て終わらせる事が無事できました。


 でもケデリック商会への納品に関しては、まだあちらも開店前ですから別です。

 納品は次のログイン後になりますね。


 まだ少しログアウトには時間もありますので、読書の続きをしましょうか。

 『解読』と『魔術言語・改』のLv上げもしなくてはいけませんからね。

 目指すは新たなレシピの入手です。

 特に道具系の中級レシピなんかが手に入ったら最高なんですけどねー。


 未だに道具の中級レシピは『中級鍛冶セット』しかありません。

 他の道具のレシピも欲しいですけど、『中級鍛冶セット・改』でも構いません。

 道具の大事さはよくわかっていますからね。

 なんとかならないでしょうかねー。


 あ、これもケデリックさんや親方さんに聞けばいいんじゃないでしょうか?

 せっかく出来た縁ですからね!

 ガンガン活用させていただきましょう!


 夕飯後のログインが俄然楽しみになってきました。

 でもまだ時間はあります。

 今は静かに読書のお時間なのですよー。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ