101 『今回だけです。今回だけ!』
イベントも多少の諍いはあっても、問題だったレアアイテムの相場が安定してしまえば自然と倒し方も決まってきます。
つまりはドロップ量が格段に増加し始めた『影の大結晶』と『影の御影石』の相場の暴落によって、『影の涙』を素早く拾う方向に移ってきているわけです。
まぁこの辺は時間の問題だと思っていましたが、随分と早かったと思います。
もしかしたら『影の大結晶』と『影の御影石』を溜め込んでいた人が慌てて放出したのかもしれませんね。
今までの流通具合が少なすぎたのも売り渋りによる高騰を狙っていた可能性がありそうです。
でもそんな思惑もドロップ量の増加により破綻。
大放出による大暴落となったわけですね。
……あくまで私の予想に過ぎませんが。
材料となる『影の大結晶』と『影の御影石』の値段が下がれば、必然的に製作できるアイテムの値段も下がるはずなのです。
ですが、『破影投石』は生産をある程度やっていれば比較的簡単に製作できるのに対し、『魔術陣:破影結界』はそうも行きません。
単体にしか効果が及ばない『破影投石』よりも範囲内全てに作用する『魔術陣:破影結界』の方が求められている性能的にも明らかに上ですからね。
結果として、『魔術陣:破影結界』は需要と供給のバランスが明らかに崩壊しているので相場が大きく下がるどころか、逆に上がっているくらいだったりします。
実に美味しいですよね。
『魔術陣』をやっていてよかったと思える瞬間です。
まぁ私にとっては癒やしなので副産物に過ぎないのですけどね。
そんなわけでスティール系装備並、とはいかないまでもかなりの利益になっている『魔術陣:破影結界』は値下がりしない程度に製作してお店に並べています。
並べる端から売り切れるのでまだまだいけそうな気がしますけどね。
それとは関係ないのですが、『細工職人』と『錬金術・改』がLv100になってしまいました。
これらは日々の積み重ねの結果ですね。
まぁ『錬金術・改』は『魔法紙』や『エンチャントマジックインク』製作のせいでもあるのですけど。
さていつもカツカツで困っているSPですが、現在は19ほどあります。
『魔術陣:破影結界』製作が楽しくてちょっと忘れていましたが、『言語・改』にやっと進化できる分が確保できましたよ。
ここは迷わず進化です。
他にも進化待ちスキルはたくさんありますが、図書館2階へ挑戦しレシピをゲットするためにはこれが最優先です。
『言語・改』へと進化するにはSPが15必要です。
またSPが枯渇状態になってしまいましたが、仕方ありません。
いつものことです!
これで図書館2階の本がやっと読めるようになるわけです。
では確認のために行ってみましょう。
まだ確実に読めると決まったわけではないですからね。
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はい、現場のバケツさんです。
図書館2階の本を読むのは、特に問題ありませんでした。
図書館にプレイヤー開拓者と思しき人達が少しだけ増えていましたが、これは情報を流した結果ですから問題ありません。
でも思ったよりは増えていないのはやはり生産者自体が少ないからでしょう。
戦闘系プレイヤー開拓者にはレシピなんて要りませんからね。
そんな図書館ですが2階は当然ガラガラです。
まず2階に上がるのに【開拓者組合ランク】が必要ですし、私のように『言語・改』で苦戦している人も多いでしょう。
みんなSPがカツカツなのは同じはずですからね。
進化待ちの『発見・改』、『集中・改』を駆使してよさ気な本を探して読んでみましたが、さすがは苦労しただけあってレシピがどんどん手に入っています。まだ2冊目だというのにすでに手に入ったレシピは5つです。
1階ではもうレシピはほとんど入手できなくなっているだけに嬉しいですね。
ただ残念なことに入手できているレシピはアイアン系の複合系だったり、カッパー系の複合系だったりと、複合系祭りです。
どうせならスティール系の複合が欲しいです。
まぁ複合系は販売側としては利益が薄いので微妙なんですけどね。
1つの装備品で複数の箇所を補えるので使用者側としては安上がりです。
ですが、『オプション』などを加味すると結局は複合よりも単体装備品の方がメリットが大きくなるんですよね。
複合はよほどの『オプション』が付くか、『オプション品』を購入するまでの繋ぎ扱いが現状です。
現に私も複合装備はあまり製作せず、単体装備品ばかり製作しています。
やっぱり利益って大事ですよね。
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「んーっ」
『言語・改』により2階の本が読めるようになって、レシピがガンガン手に入っていたのでちょっと調子に乗りました。
夕飯などの諸々を済ませてログイン後すぐに来たのに、すでに閉館時間ぎりぎりです。
ずいぶんと入り浸っていましたね。
おかげで飲食禁止の図書館なので『空腹度』と『渇水度』が酷いことになっています。
警告表示も出ていたようですが、本に夢中で気づきませんでした。
まったく何度目でしょうね?
そんなわけで『クールー飯店』に寄ってたっぷり食べてから帰るとしましょう。
もちろんお土産に本も限界まで借りて行きますよ。
『言語・改』に進化したおかげで今まで借りられた本の数が10冊から20冊にまで増えています。
でもこんなに借りても期間までに読めないと思うんですけどね。
一体どこまで借りられる冊数が増えるんでしょう?
今まで通りなら10Lv毎に1冊増えていたのでLv100で30冊まで借りられそうですね。
そして進化したらまた10冊増えるんでしょうか。
どれだけの読書ジャンキーなら期間内に読めるのか……。
図書館を出る際に司書さんにちょっと注意されてしまいました。
「いくらなんでも食事もせずに本を読みふけるのは危ない」、と。
まったく同感です。
でも次からはこんなことはないでしょうから大丈夫ですよ?
今回だけです。今回だけ!
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『クールー飯店』に寄ってゲージが満タンになるまで食べてきました。
やっぱり美味しいですねー。
またメニューが増えていましたので、クールーさんも頑張っているようです。
基本的に同じ『クラン』に所属していても、そう頻繁には顔を合わせませんからね。
定期的に女子会を開いている女性陣とは違って、男性陣はそういうのもなさそうですし。
でもみんな『クールー飯店』には足繁く通っているみたいですので、たまに見ることはあります。
タイミングがよければ一緒の席で食べることもありますし。
ただ基本的に『クールー飯店』は混んでいます。
いつきても混んでいます。
なので一緒の席で食べるのは稀なのですよ。
工房に戻ってくればもうすっかり就寝ログアウトの時間です。
たっぷり本も読めてレシピもがっつり手に入ったので大変満足です。
まぁもう少し言うなら、中級の道具・改のレシピが欲しかったですし、次の段階の装備のレシピも欲しかったです。
でも収穫がまったくなかった頃に比べれば明らかに前進しているわけですから、『言語・改』に進化させた影響は大きいですね。
もっと早く進化させたかったのは山々なんですけどね。
こればかりは優先度の問題ですので仕方ありません。
さてそれでは、おやすみなさい。
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おはようございます。
外は大分涼しくなってきているようですね。
風邪など引かないように注意しなくてはいけません。
特に私は風邪などの些細な病気が危険なので注意が必要です。
まぁ部屋は空調が完璧ですので早々ないとは思いますけどね。
当然、【ふろんてぃあーず】でもそれは同じです。
というかゲーム内で風邪を引くなんて聞いたこともありませんけどね。
そういうバッドステータスもないですし。
ミカちゃんは日頃から鍛えていますし、風邪とか無縁の元気っ娘ですので心配するだけ無駄です。
姫ちゃんはどうなんでしょう?
儚いイメージがありますが、体が弱いという話は聞いたことがありませんし。
まぁ何事も気をつけていれば大丈夫ですよね。
さて昨日は『魔術陣』と読書に夢中でしたので、補充商品がめっきり少なくなっています。
なので今日はこれからがっつりとスティール系装備の製作に明け暮れることにしましょう。
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補充商品は当然ながらスティール系装備ですが、新レシピもあるんですよね。
一応ですが、昨日1つだけスティール系装備の複合を入手しているので、作ってみました。
結構たくさんレシピをゲットした割りにスティール系装備は1つだけでしたが、まぁこんなものなのでしょうね。
――完成品はこちら。
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スティールフルプレートアーマー
頭体手腰足/重装/★3/DEF+303 HP+80 HPR+36/生命力強化・小/耐久230
シリーズ/鋼の全身装具 1/1 HPR+36
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そういえば複合系にはシリーズボーナスがつくんでした。
まぁでも『オプション品』で固めればシリーズボーナスなんて霞む程度のものです。
一応『オプション』もついてますが、これを買う人は妥協しての購入になるでしょうね。
あんまり安いわけでもないのが玉に瑕ですけど。
やっぱり複合装備より単体装備の方がいいですね。
今回は試しで作ってみましたが、よくわかりました。
中間素材の量もばかにならない数必要ですし、やっぱり微妙です。
でも一応お店には並べますけどね。
優先販売では誰も欲しがらないでしょうし。




