変われない。変わらない毎日。
「はぁ…そろそろまたバイト探さなきゃ。日払いバイトっと…」
カチカチと自分の部屋…とも言えないクローゼット。それが一応実家の中の自室。その中で溜息をつきながらパンツ一丁でスマホを操作する黒髪黒目、短髪の青年が居た。
その男は顔は上の下位と割と整っていて、歳は19、だが人としてはまるで駄目で「楽に生きたい。」それがその男の唯一のハッキリとした考えで高校を卒業してから一年間の間に日払いのバイトをして15万円溜まってはバイトを辞めて、残金が2万円を切るとまたバイトを探す。そんな繰り返しをしていた。
楽をしよう。楽をしよう。その考えのせいか友達もいる事はいるが遊ぶ程の仲では無く、バイトを辞めてる時はひたすら家でネット、アニメ、ゲームであった。
今もまた毎度の様に金が尽きて来て新しいアルバイトを探してスマホを弄くっていると腹が「グーッ…!」となり、「んー…牛丼屋でも行くかなぁ…」そう言って立ち上がると黒の長ズボン、白の長袖のシャツを着て外に出て歩き始める。
「……??」
牛丼屋に向かい大通りを歩いていると、見るからに高そうな何かの宝石がはまっている首輪を付けた猫が目の前にやってきて、俺の足に顔を擦り付けてから誘う様に細い横道に入って行って、何故かその猫を追い掛けたくなり付いて行くと3分程歩いた所の完全に人が居ない裏道で猫が止まって。
「ニャッ!!ニャン!!」
「うわっ!なっ…なんだっ!!?」
猫が止まったと思うとこっち向いて鳴き声を上げて、その瞬間に足元が大きく光って強烈な閃光で少しの間目を閉じてしまって、目を開けるとそこは真っ白い空間でただソファーだけが置いてあって、広いのか狭いのかも分からない。そんな不思議な空間で、目の前にはさっきまで追い掛けていた猫を抱いて真っ白のソファーに腰掛けた爺さんが居た。