07. はじめてのお泊り
便宜上「宿場町」と表現したが、どちらかというと周辺の村からの作物を集めて出荷する中継所という方がふさわしいらしい。
ここの周囲に散在する農村やら漁村やらからの荷物を集め各地へと運んでいく。そのため自然と人も集まり宿場町としても発展していったそうだ。ちなみに「ウェインの町」というらしい。この辺一帯を取り仕切る領主の名前だそうだが、まぁどうでもいいか。
宿場町の位置口で呼び止められた。こんなタイミングで馬車にも乗らずにやってくる三人組ってのも変だよね。そこはそれ、学院長さんから預かったブローチを見せると納得したような表情で迎え入れてくれた。どうやら学院関係者というのはそこそこ融通の利く存在らしい。
「学院を敵に回すバカはいないでしょ。国政に影響を与えるだけじゃなく、広く魔力機関を広めてる存在なんだし」
敵に回すとか以前に恩返ししないとね。これからも多分無茶言うことになりそうだし。しかし一般に対してそこまで影響力がある割には財政は火の車とか、どんな経営なんでしょうか? たぶん誰かが浪費しているに違いない。 ……一瞬微妙に気になったけど私は無関係だと思う、うんそう無関係無関係。
「いらっしゃい、宿をお探しかい?」
何件かある宿屋のうちそこそこ綺麗そうなところをリジーが選んで入る。よくわからないがちゃんと選ばないと酷いことも多いそうだ。個人的な感想を言えば入口に堂々と「家内安全」とかかれた看板が飾ってあったのはちょっと楽しかった。ちなみに漢字だ。どこからきたんだこれ?
「あの看板って何か言われがあるんですか?」
つい好奇心が抑えられずにカウンターにいた男性に問いかけてみる、たぶんここのご主人だと思う。
「あぁ、あれねぇ、多分だけど勇者が残したものだってじいちゃんが言ってたな。ほんとかどうかはわからんがね!」
えらく豪快に笑う人である。まぁ漢字が使われている時点で地球、とくにあんな四字熟語を使うところから日本人が関わっているのは間違いのない事実なんだろうが、言うべきか悩みつつも黙っておくことにする。知ってどうにかなるもんじゃないし、第一通りがかりの旅行者の言葉を信じるとも思えない。とにかく用件を済ませようかな。
「えっと、三人だけど部屋はあるかな? 私と彼女らで二部屋ほし「三人一緒で、食事もしたいけどいいかしら? あとお湯ももらえると助かるわ」 ……ってことでハイ」
リジーさんが完全に仕切ってますハイ。
「はいはい、一部屋でよろしいんですね。食事ならまだ大丈夫ですが流石に好みを聞ける程に準備できちゃいませんよ。あとお湯は食事の後にでも届けさせますよ。ついでにランタンも使うかい?」
「そっちはいいは、手持ちがあるから」
「んじゃ、銅貨三十五枚で。前払いでお願いしますよ」
そう言われて慌てて懐から財布を取り出す。銀貨を二枚取り出してカウンターに。
「へへ、毎度。部屋は3階の階段手前だ。今から案内するよ」
少し大目のチップだっただろうかとちょっと思いながらも、宿の主人が上機嫌なので問題ないんじゃないかな。このへんの支払いはもしかしなくてもリジーに任せっきりの方が安心だったり…… まぁ今更だしいいか。
この国の貨幣はブリエテノン王国発行貨幣である。レートは『銅貨百枚=銀貨五枚=金貨一枚』。更に『半金貨、半銀貨』という文字通り半分にした、価値も半分のものがあったりもする。更に金貨百枚分の価値がある白金貨というのもあるそうだがが、一般的には流通しないものらしく滅多に見ることは無いとのことだ。
旅に出るに際して旅費として銀貨二十枚、銅貨二十枚を頂いている。必要経費ということだが、学院内でもお金が出ることが無かったのでちょっと楽しかったのはナイショだ。ジャラジャラと音をさせていじっていたら怒られたのでバレバレかもしれないけど。
リジーには元からの蓄えがあるから自分の分くらいは出す言われたが、ここは素直に支払うことにしよう。かなりショートカットしてきた上に馬車代も無いから旅費が浮いているし、ここでケチる理由が無い。
主人の後をついて三階に到着すると、階段そばの部屋のドアを開けて中に案内してくれた。どうやら最上階らしい。
本来は4人用の部屋なのか、部屋の左右に2つづつベッドが備え付けられたそこそこ大きな部屋だ。12畳くらいあるかもしれない。ベランダは無かったが大きな窓がついていた。ちなみにガラスの窓ではない。
シーツも部屋自体もそこそこ綺麗なようで、リジーが念入りに下見をした後にOKを頂いた。そこまで用心するものなんだろうか。
「こちらでよろしいようなら、これを」
大きなカギを手渡してくれる。金属製で頑丈そうなヤツだ。
「食事はすぐにでも出来ますんで好きな時に降りてきてく頼んで下さい。食事前に町に出たいって場合はカギを預けてもらいます。帰ってきた時にカウンターに来てもらえばカギはすぐに出すんで安心してくれ。お湯は食事の後ってことでよければそんな感じで準備する。桶2つでいいのかい?」
手慣れた感じで説明してくれる。よくわからないけどまぁいいだろう。
「そんじゃ、ちなみに夜中にあんまりハシャぐなよ」
扉を閉める前になんだか凄いいい笑顔で何か言われた気がしたが気にしないでおきたい。ノインの顔が真っ赤だが気のせいだよ。た、多分……
「と、とりあえず荷物を卸しましょう。多分この宿ならそんな危なくもないわ」
「危ないってどういうことなの?」
そういえば念入りに調べてたな、壁の隙間とか窓のあたりとか。床をコツコツと蹴るように確かめてたりもしたが。
「宿場町にはつきものなのよ、泥棒宿ってのが。部屋に隠し扉があって寝入ったころに襲いかかってきたり、食事に睡眠薬仕込んでたりとか色々ね。こうした用心も万全とは言えないけど、予めしておける細工みたいなものは無いから大丈夫でしょ。もうちょっと色々するけど気にしないで」
そんなことを言いながら窓に何かワイヤーか何かを仕掛け始める。先に何か板があるようだが何かの警報になるのだろう。
「基本的に一人で行動してたからね。この手の用心はしておかないと安心できないのよ。ま、まぁホンジョーを信用してない訳じゃぁないのよ? でもね。わかるでしょ?」
癖とかそういう類だろうな。なんとなくわかりはするので好きにさせておこう。
窓の隙間から外の明かりがチラチラと見える。こういう風景っていうか感じは地球での旅をするそれと同じもって感じがする。旅自体嫌いじゃないんだが仕事が忙しくてそんなこと考える余裕無かったからなぁ…… ちゃんとした宿に泊まるのってこっちに来てから初めてだし。なんだか今頃ワクワクしてきた自分に気が付いてしまった。
まずは食事を頂くことにしよう。食堂に行けば出してもらえるとのことだし直ぐ行こう! 旅の醍醐味は景色と食事と相場は決まっている。あまり期待しない方がいいとは言われているが、家庭料理レベルでも見たことが無いものが出そうで楽しみだな。
大き目の荷物は置いていくことにする。汗が張り付いていやな感じなので軽く着替えてから向かう。といってもシャツくらいだけど。『棒』等のかさばるものは置いていくけどコントローラは重要なので肌身は出さず持っていこう。万が一の備えだ。
着替えの最中じっと見られていたかもしれない。主に背中の方からネットリってなんかいい物でもあるのか?と聞きたいが、まぁいいか。
「んじゃ行こうか。美味しいものだといいけど」
「まぁあんまり期待はしない方がいいわよ?」
こういった旅宿は最低限整って入れば文句が出ないこともあってあまり飯に力を入れてないところも多いとか。そう言われちゃうと微妙な感じだし、どんなもんだが。
カウンターまで下りていくと宿主が迎えてくれた。
「おう、もう食うか?」
「はいお願いします」
「あいよ、あっちのテーブルについてくれ。今日は肉のスープだぜ」
早速テーブルについて暫くすると、いい匂いと共に待望の料理が運ばれてきた。
――
「スープっていうより肉って感じね」
確かにスープなんだが皿に盛られた肉がとにかくデカい。旅にはまず体力ってことだろうか。大きさは合格だが味はどうだろうか。
フォークがで軽くつついてみるとホロッと崩れる。大きさの割にはかなり煮込まれているな。崩れた中には詰め物だろうか、刻んだ野菜等がキッチリ詰まっているんだろう。
「これは、濃いっていうんじゃないですね、濃厚っていうんでしょうか! なんだか凄く美味しいです!」
先ほどから黙っていたノインだが、なにやら感じ入るものがあったのだろう、いたく感激して夢中になって食べている。リジーは遠慮しがちだがそれでも結構なペースでモリモリ食べているようだ。見てないで私も頂こう。
一切れ口に含んで最初に思うことはとにかく濃厚ってことだ。肉の味が存分にしみ込んだスープの香りが口いっぱいに広がって凄いことになっている。だが少しだがピリッとする爽やかな辛味が味全体をひきしめ脂っぽさを軽減してくれる。これで中に米が入っていれば完璧じゃないかな。と思ったらちゃんとあった。なかなかに嬉しい誤算じゃないか。お米が肉のエキスを存分に吸い込んで見事な仕上がりである。私はオニギリも大好きだが炊き込み系ご飯も大好きなのだ。
見た目とは裏腹に非常に贅沢な逸品だ。これってかなり当たりなんじゃないか?
「最近になって精米した米が手に入るようになってね、どうだいそのスープは」
こちらの声が気になって店主が出てきたみたいだ。
「いやぁ本当に美味しいですよ。こんなになるまで煮込むのって大変じゃありませんでした?」
「お、分かるかい? まぁ結構かかるんだけど、うちの鍋は特製でね。ちょっとした工夫があるのさ」
企業秘密なので明かせないそうだが、どうやら魔力伝達にコツがあるらしい。この柔らかさから大体のところは想像つくんだけどね。
「それにしてもご自分で改造できるとか凄いですね」
「あぁこれでも魔術学院出だからな」
意外だな、学院に通う人って言ったらもっと偉そうな人ばっかりかと思ったんだけど。意外に色々なところから人が来るんだろうか。
「あれ? ってことは先輩ですか?」
「なんだお前らもそうなのか、ってことは外部講習か? いや大変だねぇ」
よっぽど嬉しかったのかつい色々とお話を聞いてしまった。食べながらになって申し訳ないんだけどね。
この人が通っていたころからバートランド先生はあんな感じだったらしい。あの人何歳なんだろう。なんだか色々と学院についての噂話を伺いつつ楽しく過ごさせてもらっていた。なんとなく流れで話が外部講習のことになっていった。
「んでも外部講習ってのはある程度優秀な生徒にしか任せられないんだぜ、俺も一回しか行ったことが無いけど結構大変だったぜ」
宿屋の主人にしては体を鍛えているから冒険者崩れか何かと思っていたんだが、この人もバートランド先生に齟齬かれた口だったみたいだ。
「この先のジャングレア村というところから依頼があったそうです」
そう切り出すと、ちょっと眉を歪めているが明らかに同情していると言った感じだ。これは何かあるのか?
「んまぁな。あそこはドラゴンが暴れてて大変なことになってるんだよ。もしかするとソレか?」
「えぇまぁ」
「そいつは大変なこった。何組も冒険者が派遣されてるってことだけどちっともいいウワサを聞かないよ。早々に諦めて帰った方がいいかもしれんぞ?」
ご主人の煮え切らないような表情から察するに、思った以上に面倒な事態らしい。
「辺境の村だから正規軍が派遣されるって話もないしな、そもそも村人が『ソレを撃退するなんてとんでもない!』っていう感じで実力行使もさせないから悪化する一方ってことなんだが……」
何やら面倒な事情がありそうだ、勇者が関係してるんだろうか? 宿には意外に情報が集まるんだろうか。旅人から話しを聞く機会の多さを考えれば当然かもしれないな。他にも何かわからないか聞いてみたんだがあまり大した情報は得られなかったが、とにかく良い話を聞かせてもらった。
「色々お話聞けてうれしかったです。ありがとうございました先輩!」
「おう、そういやお湯はいるんだよな。用意しとくから部屋に戻る前に声かけてくれよ」
話の途中でノインがスープのレシピを教えて欲しいと食い下がっていたが、帰りも寄ってくれたらその時教えると言われたそうだ。なかなか商売上手じゃないか。問題はレシピを聞いただけでは再現できそうにない点だけど、その秘密については3回目以降ってことかな?
――
食事を済ませた後で部屋に戻る。程なくして大き目の桶にお湯を張ったものが届けられた。どうやらご主人の子供のようだな。五~六歳くらいの男の子が二人で運んできた。確かこういう時はチップを払うんだったかな。懐から銅貨を取り出し一枚ずつ手渡す。こういうのはあんまり多すぎてもいけないっていうことだしこんなもんだろう。
今日は疲れた。飛行に気を使い過ぎていたところもあるが妙に肩が凝って仕方がない。数日ぶりのベッドに倒れこんだところを引きずりおこされる。
「あんた何着替えただけで満足してんのよ。ちゃんと汗拭きなさいな」
「……いや、ほらもう面倒だしいいよ~」
まぁそうは言っても今日はちょっと気合いが入らないというか、なんだかもうダるくて。ほら? ふかふかだよふかふか。ごりごりとかジャリジャリとかしないんだよ? 意外に冷たいからね地面って。夏場はひんやりして気持ちいいかもしれないけど。
等と思っていたら左手を掴まれて引き起こされる。なんか釣り上げられた魚みたいな感じだな。ぼんやりとされるに任せていたらいつの間にか服をはぎ取りにかかられていた。
「いやいやいやちょっと待て! こんなの自分でできるって! いやほらぞこ掴まないで! ノインまでなにやってんの引っ張っちゃダメだって! 伸びるから! 色々と!」
持ち上げた腕から絡みつくように腕を伸ばしながらゆっくりと服をはぎ取られる。止めようにも反対の右手はズボンをはぎ取ろうとするノインから守るので必死だ。右手にばかり気を取られていると今度は後ろからズボンが引き下げられ始める。いやもう勘弁してください!
「いやこれだけは勘弁してくださいお願いします!」
必死に頼み込んでパンツだけはなんとか確保した。今更隠してどうなるってものでもないが落ち着かないんだからどうしようもない。
全部はぎ取られるのを諦めた後で、全身をタオルで拭い取られている。気持ちいいのは嬉しいんだが、その別の意味でも気持ち良くなりそうで怖い。これが弄ばれるってことなのかっ! なんだかそのままどうにでもなっちゃいそうな気がするが、今はやることがあるんだ。つまりコッチ方面じゃない。
「せっかく学院の外に出てきたんだし、少しはハメを外してもいいんじゃない?」
「私、ホンジョー様に気持ち良くなってもらいたいんです、私ではお役にたてませんか?」
上目使いでこちらを見上げるノインが手を握って離さない、手のひらから全身の熱が伝わってくるかのような熱さが伝わってくる。上気した彼女の表情と相まって普段よりも更に可愛らしく映った。後ろから腕を伸ばし首にかみつけるリジー。首筋を舐めるように何かが通り過ぎ、背筋に続々とした快感が走り抜ける。いつもと違う甘い匂いが思考を柔らかく、しかし強引に握りつぶそうと襲いかかる。
これはあかん!
そう思った次の瞬間、パンツがすっぽりと脱ぎ取られそうになりながら、その辺にあった洋服を掴んで一目散に外に逃げだした。その姿はまごうことなきヘタレであった。
――
「あの、えっと、ホンジョー様が逃げちゃいましたけど……」
うむぅ、今日も失敗か。学院の外ならガードも甘くなるかと期待したんだけどこれは相当の堅物よね。一緒の部屋に潜り込んだのはいいんだけど、私はともかくノインにさえ手を出さないってのはこれはもうアレかしらね、男色の気でもあるんじゃないかしら?
「それは無いと思います。女性の方がお好きだと思いますよ?」
つかさずノインちゃんから否定が入る。彼女は一時だがホンジョーの体内に魂を封じられていたことがある。その時一方的にだが彼の記憶を覗き見ていたらしく、色々と彼の秘密を知っているのだ。本当にイロイロと。つまりノインちゃんが言い切るのならホンジョーの事に関しては間違いない事実。彼女がウソをつかなければだが。
「そうだとすると、あの状況で逃げ出すなんて男としてどうなのよ……? はっ! まさか不能!?」
その可能性を全く考えなかった訳ではないけど、普段からそういう刺激は極端に避けるような傾向が…… いや、なんだかんだ言って私の胸とかチラチラ見てることも多いし全く興味が無いとは思えないんだけど……
「そういう事も無いかと。えっと、地球時代の記憶では、お一人でですが、その、毎日、されてたこともありますし…… まぁこちらではお一人で……されては、無いみたいですけど」
ふむ、じゃぁ尚の事おかしいじゃないの。私に魅力を感じてないなんてことはないハズだし、どういう了見で誘いを無視し続けてるのか説明してほしいものだわ。
「どうやらお婆様から『一生添い遂げる人以外と深い関係にななってはいけない』と言われたことが気になっているようです」
「なにその禁欲的な生活! ってだから一人でマスこいてたってことか。その下らない習慣を破綻させちゃえばいいだけね。あぁ良かった、普通に考えたらそんなことないわよね!」
そういうことなら話は別だ。正攻法(?)で攻めることにして、やっぱり情報収集から始めるべきね。なにしろここには最適な情報源があるんだし。
「そういう訳で、ホンジョーの好きなタイプとか好みとかわからない?」
彼の記憶を見てるから大体の好みはわかると思うのよね。少し考え込んで、何やら難しい顔をしながらから口を開いた。
「女性とのお付き合いが無いみたいで、好みというものがはっきりしないんですよ……」
ん~、童貞坊やってのは解ってたけど付き合いも無いのかぁ、付き合ったらそのまま結婚ってパターンだろうし、難しいわね……
「やっぱり食べ物じゃないでしょうか? 凄い色々な種類の食事をされていたみたいです。でもお国の『ワショク』だと思うんですよ! ホンジョーさんは故郷の食べ物を食べたいと考えているんじゃないかと。オニギリを作ったときなんてすごく嬉しそうでしたし!」
だぁから料理にご執心だったのね。なかなかやるじゃない。ホンジョーの事を思ってなんでしょうけど、やっぱり純粋よねこの娘。ホンジョーがダメなバカじゃなくて良かったわ。
「ところでお願いがあるんですけど……」
なんか申し訳無さそうにしてるわね。どういうことかしら?
「やっぱり、ちょっと楽しかったですけど、ホンジョー様が望まれないのに、その、こちらから一方的に迫るのはやめた方がいいと思うんですよ……」
「ん~、でもこうでもしないといつまでたっても何もしてきやしないわよ? 他の誰かに取られちゃってもいいの?」
「それはイヤです! でも、なんかホンジョー様の意志とは関係無くってのが、なんだか違う気がするんです。上手く言えませんけど……」
この子って本当にホンジョーの嫌いそうなことはしたくないのね。というかここで下手に敵に回すと後々面倒なことになりかねないのよね。ここは持久戦で行きましょう。彼女と協力すればなんとでもできるに違いないわ!
今この瞬間にホンジョー攻略のための秘密同盟が結成されたのだ。
どの辺が秘密なのかは、誰も解らないが。




