うそつきっ! Konara Angle 9/19 15:30
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3年前。
き〜ん〜こん、か〜ん〜こん。
起立、礼。
ようやく、この世界から脱出してもよい、という鐘の音の電子音がスピーカーから流れ、おきまりの号令をした後。教室から、つかれた〜とか、むず〜かったとか、ねむぃ〜とか、明日はどこで遊ぶ? とか、はあ〜という溜息とかでざわざわと騒がしくなりました。
あとは、担任がきてホームルームをして、掃除して放課後となります。しかも今日は先生方が職員会議で、ほとんどの部活は休みです。
「鞠藻〜。今日は掃除当番が休みだし、部活もないから、一緒に帰ろっ」
私は、私の中で、暫定一番(変動はないと思いますが)の友人である彼女、苦竹鞠藻に一緒に帰らないかと声をかけます。彼女はボブカットの髪に、丸顔で、目はおっとりとしていて、クラスに一人くらいはいる、目立たない子、そんな第一印象をあたえます。
「こならちゃんはつつじと帰るんじゃなかったの?」と鞠藻は私に尋ねます。
「野球部は明日、なんかの大会で、部活休みじゃないんだってさ。てか、あいつから聞いてなかった?」
鞠藻は首を横に振り、否定を表現しました。そして言いました。
「わかった。一緒に帰ろうね。でも、わたしは掃除当番あるから、終わるまで待っててくれる?」
「おっけ。じゃあ、終わるまで図書室で待ってるから」
「うん」
区切りがいいところで、担任の先生が教室に入ってきてホームルームを始めます。
起立、礼。
担任の先生が、これからの行事予定を説明し、それから最近近くで、魔女が出てたから注意しろと簡単簡潔にいいました。
まあ、この中学二年という、そのようなオカルトチック、SF風味、ファンタジーあえのジャンクフードが主食であり、大好物で、毎日食べても飽き足りない、食べ盛りの少年少女とっては、爆発的な私語の種になります。時すでにその種が子葉を萌え、教室が魔女の話で盛り上がって騒がしくなっていきます。皆さん未知の超能力、大好きですよね。
その中、たぶん二人だけ(まあ、私と鞠藻なんですが)は、じっとその話題にはしゃぐことなく平然しています。その内の一人は私の方を見て、このことが、私の気に障ってないかどうか心配してくれているようです。私はだ、い、じょ、う、ぶ、ピースサイン、と言う感じで、口パク、ジェスチャーぽいもので彼女に伝えました。これくらいで気に障っていたら、早死にしてしまいますって。
そして、はあ、溜息をしました。
この後の展開はいつも通りのお約束だからです。
「お前らっ! 魔女になった子の辛さをわからないのかっ!?」
ほら。
先生の怒りの琴線ではなく、教育者としての琴線にモロにふれたみたいで、お怒りモードになってしまいましたよ。教育現場以外では、そんなことに目くじら立てない癖に、なんでこういう虐め問題みたいなものは敏感になるんでしょうか。前に授業中の雑談で俺の奥さんは、俺と幼なじみでな、小さい頃、よくふざけて妻のスカートめくってたとか笑いながら、宣ってたじゃないですか。今だったら裁判になるよなーとか自ら罪を認めてもいる癖に。
はあ、これで約三十分つぶれて、あと反省文(四百字詰め原稿用紙一枚以上が希望)の宿題が増えるのかな。
とばっちりをモロに食らたような気分になった私は、なんだかすごく憂鬱な気分になりました。反省する気にもなれません。ていうか、私はしゃいでないし。注意しない奴も同罪だって、そんなの無茶にも程があります。
はあ。先生に見えないように私はもう一度ため息を付きました。
さっさと終われ、こんな世界。