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まじょがりっ!  作者: ハクアキ
第二章 Mywonderworld Breaker
54/121

うそつきっ! Konara Angle 9/19 15:30

誤字脱字等ありましたら指摘お願いします。

 3年前。


 き〜ん〜こん、か〜ん〜こん。

 

 起立、礼。


 ようやく、この世界から脱出してもよい、という鐘の音の電子音がスピーカーから流れ、おきまりの号令をした後。教室から、つかれた〜とか、むず〜かったとか、ねむぃ〜とか、明日はどこで遊ぶ? とか、はあ〜という溜息とかでざわざわと騒がしくなりました。

 あとは、担任がきてホームルームをして、掃除して放課後となります。しかも今日は先生方が職員会議で、ほとんどの部活は休みです。

鞠藻まりも〜。今日は掃除当番が休みだし、部活もないから、一緒に帰ろっ」

 私は、私の中で、暫定一番(変動はないと思いますが)の友人である彼女、苦竹鞠藻にがたけまりもに一緒に帰らないかと声をかけます。彼女はボブカットの髪に、丸顔で、目はおっとりとしていて、クラスに一人くらいはいる、目立たない子、そんな第一印象をあたえます。

「こならちゃんはつつじと帰るんじゃなかったの?」と鞠藻は私に尋ねます。

「野球部は明日、なんかの大会で、部活休みじゃないんだってさ。てか、あいつから聞いてなかった?」

 鞠藻は首を横に振り、否定を表現しました。そして言いました。

「わかった。一緒に帰ろうね。でも、わたしは掃除当番あるから、終わるまで待っててくれる?」

「おっけ。じゃあ、終わるまで図書室で待ってるから」

「うん」

 区切りがいいところで、担任の先生が教室に入ってきてホームルームを始めます。


 起立、礼。


 担任の先生が、これからの行事予定を説明し、それから最近近くで、魔女が出てたから注意しろと簡単簡潔にいいました。

 まあ、この中学二年という、そのようなオカルトチック、SF風味、ファンタジーあえのジャンクフードが主食であり、大好物で、毎日食べても飽き足りない、食べ盛りの少年少女とっては、爆発的な私語の種になります。時すでにその種が子葉を萌え、教室が魔女の話で盛り上がって騒がしくなっていきます。皆さん未知の超能力、大好きですよね。

 その中、たぶん二人だけ(まあ、私と鞠藻なんですが)は、じっとその話題にはしゃぐことなく平然しています。その内の一人は私の方を見て、このことが、私の気に障ってないかどうか心配してくれているようです。私はだ、い、じょ、う、ぶ、ピースサイン、と言う感じで、口パク、ジェスチャーぽいもので彼女に伝えました。これくらいで気に障っていたら、早死にしてしまいますって。

 そして、はあ、溜息をしました。

 この後の展開はいつも通りのお約束だからです。

「お前らっ! 魔女になった子の辛さをわからないのかっ!?」

 ほら。

 先生の怒りの琴線ではなく、教育者としての琴線にモロにふれたみたいで、お怒りモードになってしまいましたよ。教育現場以外では、そんなことに目くじら立てない癖に、なんでこういう虐め問題みたいなものは敏感になるんでしょうか。前に授業中の雑談で俺の奥さんは、俺と幼なじみでな、小さい頃、よくふざけて妻のスカートめくってたとか笑いながら、宣ってたじゃないですか。今だったら裁判になるよなーとか自ら罪を認めてもいる癖に。

 はあ、これで約三十分つぶれて、あと反省文(四百字詰め原稿用紙一枚以上が希望)の宿題が増えるのかな。

 とばっちりをモロに食らたような気分になった私は、なんだかすごく憂鬱な気分になりました。反省する気にもなれません。ていうか、私はしゃいでないし。注意しない奴も同罪だって、そんなの無茶にも程があります。

 

 はあ。先生に見えないように私はもう一度ため息を付きました。


 さっさと終われ、こんな世界。

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