あらすじっ! Konara Angle 9/18 16:17
誤字脱字等ありましたら指摘お願いします。
私はブロックを押しました。するとブロックはそのまま、重力に従って落ちていきました。
「さようなら。殺戮の魔女さん」
百合子さんに、捕まえた魔女を輸送する回収班の手配は任せたので、取り合えずは、この魔女の首を確実に切り落とすことを専念しなければなりません。こんな簡単で単純な装置でも、人の首の半分くらいは切断できるはずです。それくらいの(魔女にとっては)浅い怪我だと、すぐに一回死んで、再生して復活するんじゃないかな、と思いますが、針金が首の中心で、首の骨にぶつかって一旦止まってしまい、異物が入ったままでは回復しにくいはずです。その回復に手間取っている隙に、隠し持ってきた鉈で、切れなかった部分を切り落とせば、これで任務完了です。
先輩には、なんて無謀なことをしたんだと、すごく怒りそうですが、あの人なら怒って、その後、良くやったと誉めてくれるのはずです。
あの人、以外と甘いんですよね。努力した事に関しては。
そう誉められることを思うと、自然と笑みを浮かべてしまいそうになります。
「フン。生意気ナコトヲシテクレルワネ」
「へ?」
すると、私の体が、七階のマンションから、ぽいっ、と投げ出されました。
一瞬の出来事で、何が起こったのか、分かりませんでした。
そして、分かりました。私は、今、狩ろうとしていた魔女と一緒に、七階から落ちているのです。
この私の胸ぐらを片手でつかんで、雰囲気がガラリと変わったこの殺戮の魔女は、七階建てのマンションから、私をひょいっと持って、一緒に飛び降りたのです。これでは、さっきの落としたブロックと針金で簡単に作った切断装置が、何の効果を示しません。ブロックと針金はまだピンと張った状態ではなく、一緒に落ちているせいでたわみ、魔女の首を切り落とす事が物理的に不可能になっているのですから。
魔女はニタリと笑みを浮かべ、残念でしたと、いわんばかりに私の恐怖に歪んだ顔を楽しそうにみています。
私は魔女から完全に逃げられて、そして、魔女に完全に殺られる一歩手前という本当に最悪の状況でした。
ドサッ、ドサッ。
私は運が良かったのか、直接地面に叩きつけられることなく、植えてあった木に引っかかりながら、地面に落下しました。枝がクッションとなってくれたので、七階の高さから落ちたと言っても、打撲や打ち身など以外は大した怪我はありませんでした。
「あ、あ、あ、あ」
ですが、同じように落下した魔女も無傷でした。私はまだ胸ぐらを捕まれたままで、そこから逃げることもできず、目の前にいる恐怖に怯え、泣くことも叫ぶことできずにいました。
「フ〜ン。アナタ、探索系ノ能力者ナノネ。ナラ丁度イイワ」と、魔女が言うと、おもむろに私の口に手を突っ込みました。指が喉の奥まで入り、塞がれて、うまく呼吸ができません。苦しくて嗚咽しようにも引き抜いてはくれず、口の中に入れたときに爪で引っかかってできた傷から血が出たのか、血の味したような気がしました。
死にたくない。
私は必死に抵抗しました。抵抗する度、口を塞がれているため、上手く呼吸が出来ず、すぐに酸欠になり、徐々に抵抗が弱々しいものになっていきました。無駄な努力だったと感じました。
魔女は楽しむように押し倒して、馬乗りになり、片手は口に突っ込んだまま、もう一つの胸ぐらをつかんでいた方の手を放し、その片腕で器用に私の着ていた服を一枚一枚、剥き始めました。そして、私の上半身が健康診断の時のように裸になってしました。
私はこの時、思いました。
ああ、なんで先輩のいう通りにしなかったんだろう、と当たり前に悔やみました。
泣きながら、嫌だと嫌だと必死に最後の抵抗しながら、死を嫌いました。
だって、死んだら、そこで、終わりで、まだ、先輩に、何も、この想いも、好きって、言っていないのに。
思いっきり手刀を突っ込んで、皮膚をびりびりと剥がし、肋骨を全部へし折って取り除き、肋骨が一本一本へし折られるたびに、鈍いボキッっという音が体から響きました。食べやすくなった所で、奥に詰まった、物を、まだ生きて活動をしているのに、食べ始めました。このときには口につっこまれた手を引き抜いて、一心不乱に両手で私の中を食べていました。私の喉の奥からは、嗚咽感ではなく、血が溢れ出くるの感じました。ですが、本当に出ているのかすらわかりません。それくらい感覚が激痛によって、淡く薄れていっているのです。
もう、叫ぶことなんて出来ませんでした。
痛い。
怖い。
もう、いいから、
さっさと、終わらして。
どんどんと視界がぼやけてきました。
空が、景色が、世界が。
私はその間、走馬燈というものを見ました。
激痛にもなれて、意識がくちゃくちゃという私を食べるBGMとともにどんどんフィードバックして行くとき、なぜか唐突に、一瞬で見ました。
その走馬燈は、確か三年前くらいで、そう、私が初めて先輩とあって、
そして、私の嫌いだった世界が壊れた時で――