表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まじょがりっ!  作者: ハクアキ
第一章 Shall We Dance With Cannibalism?
46/121

おしまいっ! Banira Angle 9/18 17:57

誤字脱字などありましたら指摘お願いします。

 気づいたらばにらは,知らない白髪の女性の後に着いていた。ここはどこと呟いたら、白髪の女性は振り向き、あんたがもう一人のばにらか、と訊いてきた。その台詞から推測すると、どうやら私は二重人格という者であり、さっきまで体を動かしていたのはもう一人の私だったらしい。思い当たる節は色々と合ったのですぐに納得した。何故か意識が急になくなり、意識が戻ったときには意識を失った場所とは、違う場所に無意識に移動していることが魔女になってから多かった。それはもう一人の私が体を動かし移動したのだろう。

 あともう一つ。

 知らぬ間に、誰かを殺して食べている最中に意識が戻ることも、多々あった。

「あー、もう一回自己紹介しとくか。うちの名前は真っ逆さまっていうんだ。もちろん偽名ね」

「甘音ばにらといいます。十七歳です。それから、魔女です。殺戮の魔女っていわれてます」

「へえー、あんたも呼び名あるんだ。もう一人のあんたはそんなこと何も言ってなかったから、ちょっとびっくりした。ちなみにうちも魔女。呼び名は道化の魔女って言うんだ」

 真っ逆さまは簡潔な自己紹介終え、話題を変えた。

「で、あんた、魔女草ストライガって組織に入らない?」

「……それって何ですか?」

「簡単に説明すると、魔女による魔女の為の組織だね。機関から追われている魔女を匿うと同時に、魔女の一般的な人権、具体的に言えば捕獲員に捕獲されずに自由に生きてく権利を取り戻すために活動しているのさ。ぶっちゃけ後者はあまり力入れてないけど」

 入れられないんだけどね。発言する前に捕獲員に見つかったら、問答無用に捕まえられるからと付け足す。

「その組織に入ると、私にメリットがあるんですか?」

「うーん。それは人それぞれってヤツじゃない? 魔女になると居場所がそれこそ、根こそぎなくなるから、居場所が欲しい奴なら、入った方がいいに決まっているし、逆にそんなものいらないって思う奴や、人と連むのが嫌いで肌に合わない奴なら、入らない方がいいってな感じで。補足だけど、何人、人食っていても入れるぜ。あんたみたいな奴でも、うちらからは一切、追求も、お咎めも、なしで入れる」

「…………」

 ばにらは黙ってしまった。

 そうだ。私は何にも関係のない人を殺して食べたんだ。食べなくてもいいのに食べていたんだ。それなのに罪悪感の一つも感じない。何一つ感じていない。日々の生活で食べていた加工された命たちを食べることを当たり前で考えたこともないように、人を殺して食べていたんだ。そんなの魔女になったならないの云々ではない。魔女になったらそんな思考回路になるわけではない。心臓を抉りだしても、人を殺せるの超能力を得たとしても、感情は絶対に変わらずそのままなのだ。私は私自身が狂わせたんだ。

 何にも想わない、想えない。当たり前にしたんだ。

「それで、入るのかい?」

「……うん」

 ばにらは魔女草ストライガに入ることにした。ここに居たとしても、捕獲員に捕まってしまうだけだ。それだけはどうしてか、避けたい。何なんだろう。そうしてはいけないと心の中でいっている。

 

 優柔不断で流されやすい浮き草の様な私は、どこへと向かうんだろうか。

 そして、どんな結末を迎えるのだろうか。


「決定だな。よーし。これで無駄骨にならずにすんだ。さて、あのデコはどこ行った? ここで待っている方があっちから見つけてくれるかな」

「わたくしならここですよ?」

 手前の十字路の右方向から、くららとその後ろに着いてきている雅樹が居た。

「その男は誰だ? もしかして――お前の?」

「違いますよ。この人は先ほど言っていた危険人物です」

 真っ逆さまとくららが話している間、ばにらはなんだか気まずいので雅樹の隣に行き何か話そうかと思った。

 話題は――そうだ。

「あのー、一緒にいた、珠奈さんは?」

 雅樹は一瞬驚いたようだったが、すぐに答えてくれた。

「僕も、どうしてか捕獲員に危険人物として追われているらしいんだって。それで魔女草ストライガに匿ってもらうことになって、珠奈には着いては来れないから、一旦、自分の家に帰ったんだ」

 そういう彼の顔は何だがすごく悲しそうな顔をしていた。ばにらはなにか聞いちゃいけなかった、すぐに話題を変えようとあたふたしながら考える。

「えーと、あの――」


 ばにらが、自分自身の所為で|彼女(珠奈)が死んだと、苦悩する日はそう遠くはない。


 ひとまずくららとの会話を終えた真っ逆さまは言った。

「よし。用件は済んだことだし、一旦、魔女草ストライガの本部に帰って鈴に報告しないとな」

 このままだと目立つからと、真っ逆さまが、指を鳴らした瞬間、四人の姿は見えなくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ