ひとくいっ! Hunters Angle 9/18 17:30
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ばにらの頭に鬼灯が振り下ろした金槌が、脳細胞を守る頭蓋骨をいとも簡単に割り、めり込み、一部脳細胞を潰した。
ばにらは不自然に頭から倒れ、割られたところから脳漿が溢れ、道路にまき散らす。
鬼灯は西瓜割りの要領でさらに深く割った。
ばにらの頭はアスファルトに、脳細胞と赤い血液が飛び散る。
鬼灯は立ち上がり、片足でぐちゃぐちゃに頭の残りを踏みつぶす。肉や骨は踏みつぶしてもうまくつぶれない。
残った頭蓋骨も粉々に潰す。
やっと頭の形がなくなり、今度は体へと目線をやる。
簡単には潰せそうにないなと、簡単につぶせそうな指から潰す。
右手親指から、左手の小指、両足は踝の部分をつぶした。
次は両肘、両膝、両肩、腰、背骨、肩胛骨も、骨と言う骨は木っ端微塵に潰した。ここでいったん魔女の回復を待つ。まだ殺したりないからだ。だが、回復できずに死んだらしい。
魔女は死んでも生き返るが、失った箇所を新しく再生する材料がなければ再生できない。再生できなければ、そこが魔女とっての死となる。
「おい、死ぬなよ」
鬼灯は返事を返すことのできない死んだばにら遺体に向かって怒鳴った。
「まだやれるんだろっ!」
ばにらの体をおもいっきり蹴飛ばした。
頭の上から半分がない体は、地面をごろごろと転がっていって、残った血と肉、脳漿をまき散らしながら、止まった。
「自慰行為は終わったかい? そこの捕獲員?」
鬼灯は、急に誰かに声をかけられた。
周りには、ぐちゃぐちゃなばにらと遠くに交通の邪魔にならないように停めたバイクくらいで、敢えていうなら家が立ち並んでいる、どこにも変化はない。
鬼灯は声がした方向を向いた。つまり、
「こんばんは、捕獲員。うちの名前は真っ逆さま。魔女での名は道化の魔女っていう魔女草のしがない副リーダーさ」
真上を見た。
そこには鬼灯と対照的に地面から十メートルの高さの空中に平然と逆さに立っている白髪の魔女がにやりと笑みを浮かべていた。
「道化の魔女……、幻術系の能力を持っているのか」
真っ逆様は指をパチンとならした。
一瞬で、立ち位置が逆転し、真っ逆さまが立っていたように鬼灯が空に逆さに立ち、鬼灯が立っていたように真っ逆さまが道路に普通に立つ。鬼灯は所詮幻術だと言い聞かせるが、あまりにも感覚がリアル過ぎて頭の中が困惑する。
「この魔女は、うちら、魔女草が預かるよ」
真っ逆さまは、隣に立っている、ぐちゃぐちゃになっていない、無傷のばにらを指さした。
「おい、俺がさっきまでなぶっていたのはなんだ?」
「さぁ? 一人で妄想ヒーローショーでもしてたんじゃないの? とっても痛々しいかったけどね」
真っ逆様はケラケラと笑いだした。鬼灯は眉根を潜める。
「うちに負けたからって気にすることはないぜ? 捕獲員。なんせうちの能力は、頭に脳味噌を持っている人間には、絶対に勝てないから」
そう言いながら真っ逆さまは、再びパチンと指を鳴らした。
「っ!?」
すると、鬼灯は、空高く、落ちていった。
高度が高くなるにつれ、だんだんと酸素が薄くなり、息が苦しくなる。
そして、肺が、鼓膜が、頭が、目が、内蔵が、内気圧と外気圧の差によって内部から体が膨れ上がって体中に激痛が増していき、
「あがっ!?」
破裂した。
さらに高くなり、木っ端微塵になった。
鬼灯の意識がブラックアウトした。
「それ、全部、あんたの妄想だけどね」
真っ逆さまは鬼灯にだけ、聞こえるように囁いた。