ひとくいっ! Masaki Angle ×××××
誤字脱字などありましたら指摘お願いします。
僕はあの時、セックスという同じことの繰り返しの行為に飽き、嫌気が差して燃やしたのだろうか?
それとも僕の中の良心という名の灼熱の聖なる炎が近親相姦という二人手を取り合って、愛し合って、騙し合って、犯した罪を燃やしたのだろうか?
はたまた僕の能力がたまたまその時に僕の中に眠っていた能力が開花し、偶然が偶然を呼び、いくつもの偶然が重なって燃やしたのだろうか?
それこそ、恐竜がなぜ絶滅したのか生物がどうして生まれたのかとかみたいに、いくつもの推論があって、どれもが正しいと言えて、どれもが間違っていると言える、そんな、どうにでも考えられる絞り滓でしかない。そんな排他的なものを今もずっと考えている。
姉が魔女になり、父と母を食らい、僕が姉を性的な意味合いで食べて、それを愛と偽った次の日。
僕と姉は世界のすべてから逃げようと逃避行を企てた。
そんな無鉄砲な計画なんざ、すぐに破綻することくらい、姉の頭だったらすぐにわかったはずだった。しかし、そのころには姉の精神はもうずたずたに壊れに壊れ、僕さえいれば、誰を食ようが雅樹さえ居てくれれば気にしないよ、いってのけるほどボロボロに壊れ、心の支えを、たった一人の血の繋がった異性の家族の愛情を求めていた。
だから僕も一緒になって壊れた。
さらに愛したいと思ってしまった。
愛するなら愛する人と同じでなければ愛せない。
それが僕にできると信じてしまった。
その日の晩は、今度は姉から誘ってきた。
愛して、と。
全く、セックスするのに都合のいい言葉があるもんだと、今の僕ならそう言い捨てるような甘美で、甘い蜂蜜の様な台詞に、我が身を忘れさせて誘われる蝶のように食らいついた。もちろん僕はすごく興奮した。
このときの僕は、当たり前にのように姉を愛そうとした。
これからも、ずっと壊れた僕らはそうやって生きるんだと。
けれど、その夢は、儚く燃えた。
天から、罰が下った。
僕が、魔女になって、心臓をなくして、冷たくなった姉の体に触れた瞬間、
姉の皮膚、すべてから火が上がった。
絶叫が上がった。
僕はその怪奇現象に驚いてとっさに後ろに引いた。
姉が熱い、水と僕の名前と助けを叫び狂い燃えながら、熱にもがき苦しんで暴れ狂っていた。それはくるくると踊っているように見えた。
僕は必死に姉から上がった火を消そうと、必死に水をかけたり、布をばたばたさせたりして火を消そうとしたが、すべて効果は全くなかった。不思議なことに、姉から発火した火は、僕や他の物を一切燃やさずに姉の体だけをうまく焼いていったのだ。
最後に姉は、僕に抱きついた。
僕には一切燃え移ることも、皮膚が熱で焼かられることもなく、その業火は、火力だけ増して、姉を体だけを上手に焼いていく。
姉は、ここで正気に戻れた。
死の瀬戸際で、僕に、言った。
「これが、罰なんだね」
僕は、罰を受けれなかった。
ついに姉が倒れた。体の水分は蒸発し、人を形作っていた多くのタンパク質や脂肪はすべて炭になり、骨と骨を繋ぐ間接が燃え、もろくなった両腕が落ちて、バランスを保てなくなり、重力に負け、その場で崩れていった。
床にぶつかり、姉の形は固形物と呼べるくらい小さくなった。
姉は、夢のみたいに、砕け散った。
魔女が本当に死んだ。
同時に姉も呆気なく死んだ。
間違えた、僕が殺した。
そして、狂って、壊れた僕だけが、図々しく生きていた。
魔女になった姉を殺して、
魔女にした姉を殺して、
姉を殺して、
殺して、
図々しく、
「うあああああああああああああっ!!」
泣いていた。