ひとくいっ! Tamana Angle
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私はただ、彼の隣を守りたかった、それだけの想いだったのかもしれません。
確かに好きという感情はありましたし、ずっと一緒にいれたらどんなに幸せなんだろうなーと、考えに耽り、幸せな時間を過ごしたこともありました。
でも、それは、本当は、核心は、彼の隣にいればなんとなく安心する、勉強とかややこしいこととか、面倒くさいものから離れることができる、そんな漠然として、臆病で、利便的な想いなのでしょう。
奇跡も運命もロマンチックも何もない、ただ偶然、出会っただけ、そう感じてしまった、ただ自分の嗜好が合っただけ、それだけなのです。
その中で、私はそれ以上を求めてしまっていたのです。
それが私の間違いであり、一つの悔いでもあります。
一から六の六面のサイコロではどんなに頑張っても十の目はでないように、無いものを、あると理想を押しつけ、それが出てきてくれる、奇跡が起こると思っていたのです。
それを私は、決して信じてはいませんでした。
信じるも何も、はじめから絶対に起こると仮定していたのです。
蛇口を捻れば水が出るように、それが当たり前だとに思っていたのです。
蛇口から水が出てきてほしいと信じるのは馬鹿げていると言わんばかりに。
そんなことを信じている人も近くにいるとは知らずに。
その勘違いに気づければ、こんな終わり方にはならなかったでしょう。
彼が泣くことは無かったでしょう。
私が苦しむことも無かったでしょう。
それでも、こうやって終わるしかなかったのです。
奇跡は起こらないのです。
すべては偶然なのです。
偶然、そうなった、だけなのです。
運が悪かった、それだけなのです。
運が良いのを奇跡と呼ぶなら、反対の運が悪いも奇跡と呼べるはずです。
でも、それを奇跡とは、私は呼びたくないのです。