うたかたっ! Hunters Angle 9/18 16:54
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ばにらさんに僕のあとに着いてくるように言った。手を取れば良かったのだろうが僕にはそんなことはできない。口や手や服に血をべったりとつけたばにらさんは、うん、と頷き、人を殺して食べた直後にもかかわらず、平然と何もなかったかのように僕に着いて来ている。
ここから早く逃げなくては。
この場所に居続けたら百合子さんや鬼灯さんのような捕獲員が、魔女であるばにらさんを捕まえに来るという焦燥感が、僕の体を逃げ場ない逃走へと走らせる。
捕まったらといって、人を食べたばにらさんが殺人を犯した罪で、法に殺される訳ではないし、まだ分からない事が多い魔女の体の生理的機能を調べるため、生きたまま解剖という非倫理的なことは、他の機関や国民が許すわけがない。だから、捕まっても安心。という謡い文句がある。
でも、殺されない、」罰せなれないからといって、魔女たちは、出頭しない。
魔女が自らの意志で、政府の機関に出頭するのは極僅からしいとニュースやゴッシプ紙で書いてある。その理由として、ニュースでは、まだ元の人に戻る方法がないのにその魔女から人へと戻る方法が研究、確立するまで、収容所に隔離されるのが、嫌で、出頭したくないではといい、一方のゴシップ紙では、国は人体実験をしていないと覆い隠し、実際は、魔女を使って人体実験がされているのではないかと、高校生の間で噂になっているからとだといい、例をあげるときりがない程、様々な理由が上がっている。
出頭しない理由なんて、魔女それぞれ、それこそ十人十色な考えがあり、一概にコレと指さすように決めつける事は出来ないだろう。
だが、僕の後ろに着いてきている、ばにらさんは捕まってはならないと僕は思う。
それは、ばにらさんが特別なのではなく、ばにらさんが捕まったら、僕が僕自身にかけた、魔術的でも、科学的でも、何でもないただの呪いが僕を殺すからだ。ほらまたなぶって見捨てた、古く汚くなった人形を捨てて、新しい新しく綺麗な人形を欲しがるのと同じだ、とせせら笑いながら僕を殺してくる。その心の中の黒い声から、耳をふさいで逃げたいから、怯えながら必死に走って逃げているのだ。
それだけでは僕のエゴのためにやっている偽善じゃないかと言われれば、返す言葉もないが、ばにらさんが捕まることによって魔女たちにとっても悪いことも一つある。
僕が思うに、ばにらさんはここ一帯の事件の犯人である可能性が高く、襲った人の数は、少なくとも十五人以上。これが意味するのは、魔女は無意識に人を襲っていたから、魔女自身に罪はないという、人を殺して食べてしまったことのある魔女を刑罰から救っていた命綱を切られる可能性があるのだ。
魔女は人を選んでを食べたのではないか、人を食べること快楽を得ていたのではないか、だから、刑罰を与えるべきだと被害者の遺族たちが団結して交渉する反論の事例として使われてしまう。
だから、捕まってはいけないのだ。僕のエゴの為にも。他の魔女たちの為にも。
そう僕は頭の中で自分自身に洗脳するように心の中で復唱した。
「ばにらさん、なんで、あの子を食べたの?」走り息を切らしながら僕は後ろについてきているはずのばにらさんに訊く。
「珠奈さんが部屋を出ていった後、一人で待っていた時に、宅配屋さんだと思って扉を開けたら、男の人の声がしたのに、あの女の子が立っていて、部屋に置いておくタイプの殺虫剤を部屋の中に投げ込まれて、ここまま部屋の中にいたら魔女だってばれちゃうと思って、部屋の外に出たら、あの子が鉄線でわたしの首を切ろうとしたから……食べたんだと思う」
ばにらさんはしどろもどろになりながらも話してくれた。
僕は、ばにらさんの能力は筋力強化系と推測した。七階の僕の部屋から捕獲員の女の子を手すりの上まで持ち上げ、地面まで一緒落ち、手の力だけで解体したのだから、筋力強化系の能力じゃないと、そんな離れ技ができるわけがない。
あともう一つ、ばにらさんが危険にさらされると、空腹時と同じように無意識で、自分を狙う危険因子を襲う自動的な防衛能力もあると思われる。つまりばにらさんはお腹が空いていなくても、危険因子を殺して自分を守り、ついでに摂食も済ます。
自分を襲う者、天敵が少ない魔女の首を刈り取る、捕獲員のことだ。
僕は返事を返すことなく走ることに専念した。なんて返せばいいのか僕にはわからなかった。
ばにらさんが呟く。
「やっぱり、わたしは生きてちゃいけないのかな……」
そんなことはない。
と、言うことなく僕は何も返すことが出来なかった。
僕も同じ様な物だったから言える立場ではなかった。
僕が同じ立場、違う立場ならな言えたのか。ただ同じように黙ってしまったのか。
説得力があればいいのか。押し通す気迫があればいいのか。
そんなのどちらも持っていない。
僕は声に出さずに、心の中でつぶやいた。
生きなきゃいけないとか、死んだ方がいいとか、そんなの、
どちらだって、誰かのエゴのために、生きなきゃいけなくて、どちらも、同誰かのために死んで償わなきゃいけないモノであるんだよ。
しばらく住宅地の中を走っていると前方から誰かが歩いてくるのが見えた。その姿を見るや僕は焦る。こんなばにらさんの血に染まった格好を見られたら、間違いなく魔女だと通報されてしまうからだった。
僕はとりあえず、気休め程度にばにらさんを電柱の陰に隠れさせて、目を凝らしてその人を行動を観察することにsた。どこかの角で曲がってくれと、願いながら。
その人物が僕たちに近づくにつれて、だんだんと、姿が鮮明になっていく。僕はその姿、服装に見覚えがあった。
「…………珠奈?」
前からふらふらと歩いてきたのは珠奈だった。何故かさっきまで着ていた服ではなく、どうしてだが、着替えていたようで、黄色のパーカーにジーンズというラフな格好だった。
見知っている人だとほっとしたばにらさんが隠れていた電柱の陰から顔を出した。
「今、ばにらさんが捕獲員に追われていて――珠奈、どうした?」
だが、珠奈の様子がおかしかった。
薄気味悪い笑みを浮かべながら珠奈の眼は、僕だけをなめ回すようにぐるぐると動いていた。
「あはっ、雅樹だぁ~」
妙に媚びたような声色で僕にいった。
「どうしたんだよ……急に」
僕は戸惑いながらも、一刻も早くここから、遠くに逃げ出さなければ行けないことを伝えようともう一度言おうとした。
「珠奈、今――」
僕が内容を話す前に、珠奈は急に僕に抱きついていた。
なぜか僕の胸に顔を押しつけて、必死に匂い嗅いでいる。
「っ!?」
「えへへ、いい匂い♪」
「急に何してんだよっ!」
僕は抱きついていた珠奈を引き離し、今どれだけ危険な状態かを説明しようした時には、もう遅かったことに気づいた。
遠くからこちらに近づいてくる、あの捕獲員が乗っているバイクのエンジン音が聞こえた。
「っ!? ばにらさーー」
僕の口は真知の手によって閉じられてしまった。
「だぁ~め。あんなゴミと話を聞しちゃあ」
何が起こっているのだかさっぱりわからず混乱しながらも目だけで、ばにらさんを探す。ばにらさんはこの奇々怪々な状況に、自分は一体、何をすればいいのか、分からずただその場でおろおろしていた。
ばにらさんだけでも逃がさなければ。僕は一人で逃げて、と言おうとしたが、また口をふさがれて、邪魔されてしまう。
バイクのエンジン音が大きくなってくる。
近づいてくる。
身の危険を感じたばにらさんが言おうと珠奈と僕に声をかけようとした。
「あのっ、」
ぐぢゃっ。
何かが、潰れた音がした。
「「へ?」」
急に聞こえた何かに刺さった様な音に、僕と珠奈は、何があったのか、どうしてそんな音がしたのか、分からず――分かっていたけれど、信じられなくて、疑問の声が漏れた。
それは金槌だった。
「…………痛イナァ?」
目の前では、にたぁと楽しそうに笑い、背中に手を回し、投げつけられて、釘抜きの方から刺さり、体に埋まった金槌を引き抜き、道路に捨てたばにらさんは、
「お前が、こならを喰いやがった化け物か」
今まで乗っていたバイクを止めて、もう一つ金槌を取り出しながら、怒気と憎悪を込めた深海よりも暗い視線で相手を睨む鬼灯さんは、
「ネェ、アナタ?」
「お前さぁ」
「食ベテイイカシラ?」「殺していいか?」
二人同時に言った。
そう尋ねあった瞬間、
二人は殺し合いを始めた。
鬼灯さんの金槌がばにらさんの体めがけて振り下ろすが、ばにらさんは右横に飛んで攻撃をかわし、鬼灯さんの体、めがけ手刀を突き刺そうとする。
鬼灯さんは左手でばにらさんの手刀をつかんで止めた。ばにらさんはこのままだとまた金槌を振り下ろされると思ったのだろう、後ろに飛び距離を取った。
二人は笑っていた。楽しそうに、嬉しそうに。
僕は狂っていると素直に思った。
一番の異端者は、この僕のはずなのにに、僕自身がそう直感していた。
「雅樹、ここにいると危ないから、別なところで話そうよ」
僕は腕を珠奈に捕まれ、引っ張られるまま、この戦場から逃げることが出来た。