うたかたっ! Striga Angle 9/18 16:37
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相変わらずの魔女草の二人組は、勝手にヒッチハイクして乗り込んだマスコミのワゴンから目的地の周辺で、勝手に止めて降りたのだった。
「真っ逆さま(滅)やっとつきましたね」
「おい、くらら。お前はうちにどんな恨みがあるんだよ?」
ジト目で睨む真っ逆様にくららは、
「ノリで恨んでますっ!」
きらきらとしたり顔で言い放つ。
「したり顔で言われてもな~」
飽きれ顔でくららを横目に見ながら、真っ逆さまは辺りを見渡した。閑静な住宅街で、建っている家がどれもこれも新しいので、新しく出来た団地なんだなと感じた。魔女がこの辺りを彷徨いていると言われているせいで全く人通りがない。
「ここら辺に魔女が匿われているマンションがあるのか?」
「いえ、あっちの方ですよ」
くららがその方角へ指を指す。真っ逆さまはその方向を見たが家で阻まれマンションの形すら見えなかった。
「あとどれくらいの距離だ?」
「んー、直線上だと、五キロあるないかだと思いますよ。うげっ、その周りに捕獲員がいるじゃないですかっ! ていうか、今逃げてる真っ最中だしっ! やっぱり近くに政府の魔女とかも居ますね……、なんだが踏んだり蹴ったりになりそうな予感がしますよ……」
くららが憂鬱そうに言い、真っ逆さまが舌打ちをする。
「じゃあ早くしないとな。車盗ってもあとが面倒だから、走って行くぞ」
「はい…………ん?」
くららの表情が急に険しくなる。何かに気づいたようだ。
相方の異変に気づいた真っ逆さまは訊く。
「どうした? 何かあったか?」
くららは暗い表情のまま言った。
「残念なお知らせがあるんですが、いいですか?」
「まさか、匿われていた方の魔女が捕獲員に捕まったか?」
「いいえ。そちらはまだ大丈夫です」
「じゃあ、なんだよ?」
さっさと言えと急かす。
くららは口を開いた。
「たった今、サバドが誰かを襲って、魔女を生んだんですよ」
魔女がもう一人増えた。