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まじょがりっ!  作者: ハクアキ
第一章 Shall We Dance With Cannibalism?
25/121

うたかたっ! Hunters Angle 9/18 16:06

誤字脱字などありましたら指摘お願いします。

「ここら辺か」

「ここら辺ですね」

 鬼灯とこならは、この周辺で魔女を匿っている人がいる、という匿名のたれ込みあったと警察の方々にいわれ、その付近の住宅地にたった今ついたところだった。

「いちゃついているバカップルを見た人が、腹いせで通報したってオチじゃないですよね?」

「あー、あり得るかも」

 なんせ、匿名で警察に通報した方は、魔女を匿っている家の住所を教えず、ここら辺にいますとアバウトにしかいわなかったらしい。信憑性に欠け、どう考えても迷惑な嫌がらせだろうと鬼灯と思ったが、殺戮の魔女がどこに潜伏しているのかの手がかりは、今の所一つもないため、藁をもすがる、というよりは虱潰しに警察に寄せられた魔女の目撃情報、たれ込みを片っ端からつぶしていく方針になったのだった。

 寄せられた情報を全部確認するのは、警察の人たちでも大変時間のかかる作業であり、殺戮の魔女捕獲にかかる手間と、甚大な被害が被る可能性が出てきたため、百合子が応援として、さかきといちりなどの捕獲員を呼んだと言った。明日にはこちらの着くらしい。

 鬼灯はバイクを止め、どこから探していこうかと警察の方から借りた地図を取り出そうとした時、何故か、こならがバイクから降りた。鬼灯は、どうしたと言う。

「ここは二手に分かれましょう。マンションとかはわたし一人で回った方が手っとり早いですし」

「だが、俺一人だと家の中に居る魔女を発見できないんだぞ? だから二人で回ってるのに」

 具体的な魔女の手がかりがないため、こならの家の中にいる魔女や人、生きているものなら、なんでも区別できる能力が、ぱっと見では分からない魔女の捜索には必要となる。ここで二手に分かれてしまうと捜索の能力を一切もたない鬼灯は魔女を見つけることが困難になる。

「だから機関にサーモグラフィのゴーグル買ってもらえばよかったじゃないですか」

「あのなあ、あれ、結構高いんだぞ? それになかなか捕獲員の方に予算が下りないって東城とうじょうさんが愚痴ってたじゃないか」

 それならバイクなんて買わずにそっち買えばよかったんじゃないですかと、こならは思ったが、バイクを購入するとに、鬼灯は高速乗れればいいやと125ccを少し上回るくらいのバイクを買おうとしていたのをついて来たこならが、わたしはこの大型バイク乗ってみたいです! それにしてください!(自分で乗る気はさらさらない)と、大型バイクを催促して、意外とそういう押しに弱い鬼灯は、現在に至る結果となったの思い出した。これは自分にも非があるので言わないで置く。

「それに今回の魔女は沢山、人を食べているんですよ? そんなことを匿われながら、できるわけがないじゃないですか?」

 匿われている魔女の大体は身内によって、外に一歩も出られないようされ、これ以上人を襲わないように匿われている事が多い。そのためなのか、長い間気づかれなくても被害者の数は全く出なくなる。だが今回は短期間に十八人も襲っている。おそらく、この殺戮の魔女は匿われておらず、一人でさまよっているために短期間で多くの人を襲った可能性が高い。つまり、隠れずに歩いているのではないだろうかとこならは思ったのだ。

「そうだな――別の可能性もあるがそっちはできれば考えたくないな」

 こならもこれには頷いた。別の可能性とは、匿っている人が魔女を餌を食べるときだけ、外に放しているという可能性だ。狂っているとしか思えないが、この世の中、そういうことをする輩も少なからずいる。

「時間がないので、二手に分かれた方がいいと思いますよ?」

 こならが提案すると鬼灯は渋々、了承する。

「そうするか……。だが、危険なことはするなよ。魔女を見つけたら一人で捕まえようとは思わずにすぐ俺に連絡しろ。なんせ今回の魔女は分かっているだけで八人食った奴なんだから」

 こならはヘルメットを外し、鬼灯に渡しながら言う。

「先輩のバイクがなければ、わたし一人の力で、魔女の首を切り落とすことなんてできるわけないじゃないですか?」 どこをどう見たってわたし一人で魔女を捕獲する程の力なんてないですよと自虐的に言った。

「それもそうか。でも見つけたり、出会ったりしたら、すぐに逃げて、俺に連絡しろよ」

「はい。わたしはバイクじゃあ、絶対に通れない、あっちのマンションの方を探してきますから、先輩は一軒家が密集している方をお願いしますね」

「了解」

 そういい鬼灯はバイクを走らせ住宅地に向かっていった。一人ぽつんねんとこならがその場に取り残される。

「そういう、わたしに怪我させない為に、一人で魔女を狩ろうする先輩の優しいところが、大好きですよ」

 こならは一端背伸びして、気持ちを入れ替え、マンションの方へとスキップしながら向かう。

「まあ、わたしも同じような事を考えていたりするんですけどね」

 ある程度歩いた所でこならは、ふと思った。

「イチャついていたバカップルって……、わたしと先輩の事なんじゃ……、きゃっ」

 こならは一人、幸せな妄想に耽りながら、魔女を探しに行った。

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