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まじょがりっ!  作者: ハクアキ
第一章 Shall We Dance With Cannibalism?
24/121

うたかたっ! Tamana Angle 9/18 16:21

誤字脱字などありましたら指摘お願いします。

 目の前に立っている女性は確かにそういいました。

 

 私を魔女にしてくれると。

 


 マジでっ!? こんなに簡単に成れるものなのっ!?


 このとき私はテンパっていました。無理もありませんね。


 てっ。


 いやいやいやいやいやいやいやいや。

 そんな悪徳商法に引っかかるほど私は馬鹿じゃない……のかな? 自信がありません。はい。

 どこをどう考えてもこの人が魔女にしてくれる分けないじゃなですか。物は試しだ、やってみてだなんで死んでも言えませんよ。ていうか、心臓えぐり出す時点で試しも何も一回しかできないっての。

 そもそも何を根拠に信じればいいんですか? というとあれですか。こやつ、できるっ! みたいな極めた眼力をもたないといけないのですか? それくらい出来れば、魔女になろうだなんて思いませんって。

 というわけで、丁重にお断りしようとしたんですが、その女性はさらにいいました。


「あなた、私を疑っているわね?」


 そりゃ当たり前です。誰だってこんな怪しすぎる人にあったら疑うにきまっています。免疫ある人でも疑いますって。

 あと学校でも、どこかの女子生徒が魔女にしてあげるから着いてこい、とフツーのおっさんに言われ、ほいほい着いていって卑猥なこと(具体的に言うと奪処女)された事件があったから、帰りは女子は一人で帰るなよって、先生に言われたもんねっ。まさか、こんなきれいな女の人に卑猥な、いや、百合百合なことされるとは……。

 訂正、私は馬鹿です。


「証拠を見せることは出来ないんだけど、信じてくれないかしら?」


 だから無理だって言っているじゃないですか。証拠見せたって、もし、嘘だった場合、私は心臓を抉り取られて絶命するんですよ? 違う方法で、たとえばそこら辺の犬とかで魔女になれる証拠を見れられたとしてもすぐ成りたいって思わないですし、そんな理不尽に近い取引を迫られたら、アニメ、マンガなどのヒロイン(ここは絶対に譲らない)だって、三話くらい消費して成ろうか成るまいか、その葛藤を描くじゃないですか? 最近はワンクール、十二~三話くらいしかないから、一話、二十四分で成っちゃう子がいるみたいですけど、ここはあくまで現実なんですよ? あなたみたいな現実と非現実が区別できない人がいるから、どんどんとマンガやアニメは規制されていくんですよ? それに(ry


「やっぱり、直接、証拠を見せた方が信じてくれるわよね?」


 えっ?


 その女性は私にいつの間に近づき、私の胸に手を突っ込んでいました。


 上に着ていた服、肌着、ブラと全て貫き、


(あまりの早さに妄想。どうでもいいので省略)


 さら胸の肉を貫き、あばら骨を掴み、


(あまりの痛さに絶叫。うるさいので省略)


 あばら骨は進入してきた手によって簡単に切断されて、切り取られた皮膚や骨はポイ捨てられて、


(あまりの痛さに失禁。汚いので省略)


 たどり着いた先の心臓を親指、人差し指、中指、薬指、小指、すべてを使って撫で回し、


(あまりの激痛に失神。無言なので省略)


 すべての動脈、静脈を指で丁寧に切り取り、体の中からズルッと引きずり出しました。


 あ、あああ。あ?


 気づいたときには、その女性の手に握られた握り拳くらいの私の心臓があり、まだ元気に動いて心臓内に残されている血液をピュッ、ピュッ、と吹き出しています。


「これであなたは立派な魔女よ」


 そういうと女性は私の顔に向かって微笑みかけて、私の心臓を持って、くるっと向きを百八十度変えて進み、曲がり角を右に曲がって、とうとう見えなくなりました。

 

 え? 私、もう、魔女になったの?


 心臓が取り出された胸の穴からは、溢れんばかりの血がどくどくと出て――いません。それに痛みは、さっきよりは痛くなく引いているような気がしますが、やっぱり痛いです。

 でも、死んでません。

 というより、死にません。

 心臓を取っても、数分は頭の中に酸素があるから意識があるってきいたような気がしますけど、これは数分どころではありません。貧血も起こす気配もなく、意識はしっかりとしています。全く死ぬ気配がないことが逆におそろしいくらいです。

 おそるおそる、飛び跳ねてみました。死にません。

 おそるおそる、そこら辺を走ってみました。死にません。

 おそるおそる、抉りだした所を触ってみました。……神経はあるみたいで激痛に悶え苦しみましたが、死にません。

 

 死にません。

 

 これは、魔女になったってこと?

 

 私はあのゴミが言っていた通り、呆気なく、素っ気なく、突然に魔女になりました。


 ふふふふふふふふふふ……。


 不思議と笑みがこぼれます。

 ずっと体中を舐め回していた恐怖の次にやってきたのは、歓喜、喜びでした。

 これであのゴミと同じ立場に立てる。寧ろ、私の方がつき合いは長いから有利だ。

 いやいや、私も魔女になったんだから、もっと確実に、


 アノゴミ、ブッコロシテ、ハラワタヒキズリダシテ、タベチャエバイイジャンッ♪


 私は不気味にニヤニヤと笑みを浮かべ、愛しの彼の捜索を再開することにしました。

 

 彼にあったらこう告白するのです。

 こんな体になるまで気づかなかったなんて、雅樹のばか。でもね。責任とってくれたら許してあげる。

 

 決めゼリフはこれ決まりですね。きっと彼も私に落ちてくれます。メロメロです。


 

 まず私は、着替えるために、一端、家に帰りました。着ている服がぽっかりと穴が開き、血液が付着していますからね。それに……あまりの痛さに、ごにょごにょしてしまいましたし……。それが終わってから、彼を捜索を始めるとしましょう。

 なんせ私は魔女なんですから。

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