106/121
しあわせっ! Shion Angle 10/19 01:05
誤字脱字等ありましたら指摘お願いします。
瑠璃色の蕾が少し動いた気がした。
劣情も何もなく、蕾が生きていた。
寂しそうにその蕾が、花を咲かせた。
ろくでもない世界に花開いた瑠璃色花。
コンクリートで固められた土の上に咲いていた。
轟く叫び声が響いた。
威風堂々とその花は揺れる。
嘆くように私はみていた。
死んだ土の上で咲いていた、その花を。
苦しみ見抜いて、やっとたどり付いた安楽の場所はもうない。
約束はまだ続いているのか。
始まりはいつだったのか。
天に向かってその花は泣き叫ぶように咲いていた。
死んでも理解できるか分かる気がしない。
だけど、それが何を意味するのかは、判る。
ライオンに似た花も咲いているのにも気づいた。
空っぽのその部屋の中の私は、まだ生きていた。
ここで途切れて、もう前に進むことはできない。
ここでお終いで、もう後ろにも、戻れやしない。
→