あんぐらっ! Kazura Angle 9/18 12:49
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雅樹とばにらが去った後、ショッピングモールの駐車場に一台の黒いクラウンが入ってきた。その車はバックで駐車せずに、頭から入れて止めた。
運転席から一人出てきた。
「はあぁ~、疲れた」
背伸びをしている長身のショートカットの二十代後半くらいの女性が言った。
その女性の服装は白い開襟のワイシャツに紺のジーパン、首からはかぎかっこのような形が二ついてあるネックレスを下げている。顔は綺麗と形容しても良さそうなのだが、つり上がった目と口元から見える八重歯せいで野生的な印象をあたえていた。
「ご苦労様、でもまだ仕事が残っているよ?」
助手席から中学生くらいの緑色のパーカーに紺のハーフパンツの少年が出て来て、運転していた女性の隣に行く。
ぱっと見では性別の区別がつかないくらい中立の顔立ちで、背はたぶんその年にしては低いと思われるくらい小柄だった。隣にいる女性の背がかなり高いため比率でさらに低く見える。
「そんなぁこった知ってるわ。俺様はここまで来るのが疲れたっていってんだぞ? クソッ、上の奴らが手配してきた車がMTとか、俺様に対する当てつけだろ?」
けっと口悪く、愚痴を吐いた。
「ふきって、男っぽい性格の割には、そういう機械操作とか苦手だよね? 高速入る前にエンストした時は、流石にびびったよ。僕もまだ生きていたいから、帰りは安全運転でよろしく」
「うるせえ。文句あんなら、俺様にMT寄越した上に言え」
「ふき、僕がそんな権限があると思う?」
「何いってんだ? 葛? ついに俺様より先に呆けたか? 寝言は対外にしろ。お前は俺様を生かすほどだ、かなりあるはずだろ?」
ふきは大人げなく、葛に暴言を吐いた。
「それはそれ。これはこれだよ」
「何がだ。まあいいさ。さっさと仕事を終わらせちまおうぜ。で、今回は誰を殺すんだ? って、毎度ながら、訊いても意味ねーか」
「いや、今回は珍しくターゲットがいるんだよ」
葛がクラウンの後部座席に置いてあったバッグを取り出し、その中からここ周辺の地図などが挟まっているクリアファイルを取り出す。
「ふーん。写真でもあるのか?」
「うん。ほら、この人だよ」
クリアファイルから挟まっていた一枚の写真を取り出して見せた。
「……、フツーの顔の奴だな。名前は?」
「遠藤 雅樹。17歳で出身高校は……」