あんぐらっ! Kazura Angle
※グロテスク、性的描写が多数(特にグロ)ありますので注意してお読みください。
誤字脱字などありましたら指摘お願いします。
4/1一章の誤字脱字等を改稿しました。ストーリーは変えてないので、再読しなくても大丈夫なはず……です。余力が有れば再読してみてください。
この世界は腐っている。
君はそんなことを一度は考えたことはない?
こんな常套句なんて、主食のごはんやパンように毎日食べ飽きる訳でもなく、寧ろ好んで食べるみたいにそんな若者受けの良い言葉だよね。
大人たちは、そんなのマンネリだとか、当たり前じゃないかとか、如何にも偉そうにいうんだろう。どこからそう宣う自信がくるのか検討もつかないけどね。
そりゃそうだ。大人たちも随分前の青春時代にそう考え、悩み、苦しんで、どうしようもないから諦めた。そんなコーヒーみたいなコクのある苦みではなく、炭のような苦い焦げた過去を通り過ぎているのだから、その考え抜いた時間が無意味なんだなと、悟ったように貶すことは当たり前だし、間違いじゃない。
でも、君たちはその道を通り過ぎるどころか、まだ入り口の目の前にいるしゃないか。知っているが、まだ人生で一度も出会っていない。その入り口で中をのぞき込んでいるだけで、体験も何もしていない。
それなのに時間の無駄だ、マンネリだから先が見えているだとか、と、あたかもその罵倒が正しいかのように、騒ぎ罵るのはおかしいじゃないか。
というか、それは両方にとって、公平じゃない。
大人たちが先に結末を知っていたとしても、君がまだ知らなければ、それは君にとっては新しい物であり、マンネリじゃないし、罵ってもいけない。君は大人たちと同じように苦しむ権利もあるんだ。大人たちが同じ道を進めたくない、結末が同じだと言い張ってもね。
大人たちにも分かりやすくいうなら、百年前に書かれた小説を読んで、君は斬新だと感じたのに、その小説を十年も前に読んだ人は、感性が古いと言っている感じ、とでも言えば分かりやすいかな? 古い物に新しさを感じるのは、なんか矛盾していて面白いよね。
つまり言いたいことは、新しいってのは、知らなかったって事で、ただ、己の人生で一度も出会ってなかったこと。だから世界は腐っているって思うことは、それは正しい感性だし、ダサくもないんだよ。
そんな、腐ってまどろっこしい世界なんざ、見たくも聞きたくもないのに、知らなければ、社会に捨てられて、挙げ句の果て殺さずに自ら消えさせる。と思うのも間違いじゃないし、君がキチガイでもない。
そう、何も知らない君の場合はね。
狂わずに世界を生きている大人たちは、それの上、応用の域にたどり着いているから、どうせ何とも成らないんだから考えるだけ時間の無駄、くだらない、と人生の道端に吐き捨てるんだよ。こちらとしては、その台詞もマンネリで、飽き飽きするんだけど、気づかないのかな? まあいいや、どっちもどっち、って言うことにしておこう。
その応用って何なのか? 答えは単純。君たちの中にもたどり着いているかも人もいるかもね。なんせ機械的なことなんだから。
じゃあ、意味もない、ぐだぐだな前置きはここまでにして、唐突だけど、物語を始めるとしようか。
腐りきった物語を。
世界が目を背けた物語を。
それから、一応さっきの答えを言っておくね。
「考えるだけの時間がもったいない。さっさと自己、時間、名誉、意地、恣意、命を捨てて、社会の為に使えなくなるまで働け」
この世界に生きるには、まず第一に、人生を諦めなければいけないんだよ。
残念ながら、大体の人はね。