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2. 平凡な日々 ー夜明け前ー
夢を見た
まだ無邪気に笑ってたころの
目で見えるすべてが輝いていたころの
目を開けると、まだあたりは薄暗く、夜が明けていないことを教えてくれる。
この時間特有の、ここちの良い静寂。
夢見が良かった所為か、自然と口がほころんでくる。
そういえば、買った本読みかけのまま寝ちゃったな・・・・
年若い主人公が、異世界に行き、幸せになる話。
ありがちで、でも現実の暗さなんて少しも関係のない
何も考えずに楽しめる
少しそんな体験をしてみたい気もするけれど、もう若くはないし
夢をみるには現実をしってしまった。
もう一度眠ろう。
せめて夢の中で、無邪気に幸せに浸ろう。
起きたら、本の続きを読んで、
昼は母さんの買い物に付き合ってあげよう
夜は家族でご飯に行こう
愛するこの平凡な日々
せっかくの休日だから
だから・・・・・・もう少し寝かせて。