子供になれなかった子供
非行少年が行う事、と言うと何を思い浮かべるだろうか
暴力、ドラッグ、窃盗。色々と思い浮かぶだろう。
親の金を盗る、という事もあるだろう。
そして親は子を叱る。当たり前の事だろう。だが、その当たり前が当たり前でなかったら
子はその行為を通して、親を求める。
また、先生だったな・・・
彼もそんな非行少年の1人だ。もっとも、少し違うかもしれないが・・・
彼の親は2人とも教師だ。子供に説教するのはお手の物と思うだろう。
だが、そうではない。
教師なのだ。どこまでも。
恐らく、両親は分かっていないだろう。子供の本心など
叱られた非行少年は一人物思いにふける
また、先生だったと。
子供の頃から大人しく、周りを見て成長していた彼は、学校で同級生が教師に叱られるのを第三者視点で見続けた。時には自分も叱られた。
だから思うのだ。叱り方が教師のソレだと。
共働き家庭だった彼は祖父母に面倒を見られた。
だがそれでも子供が親にしかられる場面を目にすることはある。
だから思うのだ。
両親から親として叱られたことが無いと。
出来の悪い生徒、非行少年の様な生徒、自分の認識などその程度の物なのだろう
それが、少年の持つ本音なのだった。
今回も期待した。今度こそ教師ではない親としてしかってくれるのではないかと
だが無駄だった。
また先生のように叱られた。
「君」
それが使われた言葉
先生が子供を叱るとき、大抵はこの言葉を使うだろう。
親が子供を叱るときは、名前を使うのではないだろうか
よく父親が冗談めいて使う冗談
「血液型違ってたら病院で取り違えたかなぁ」
何気ない冗談だろう
明らかに冗談だと分かる言葉
だが気付かない
少年がどれだけ本気にするか
教師ではなく、親として叱ってもらいたい。
だが、見た事しかないからどんな叱り方が親の叱り方なのか、少年にはわからない
諦めるべきなのかもしれないと思う。
だが、それでも、次はそうじゃないかもしれない。
あり得ない期待をしてしまう。
そして自分でも思うのだ。愚かだと。
他者に変化を望むのは間違っている。
そもそも言っていないのだ。教師のように叱らないでくれと。
それでも少年は次を考える。
いつものようにくだらない事で暇をつぶしながら
少年は非行少年だ