ここってまさか
頑張って書いてます。ぜひ見てください。
あららら、どうしましょ・・・・
背中に冷や汗を感じ、呆然とする気持ちになるが、子ども達がいる手前顔も出さないようにグッと我慢。
「お父さん、扉消えたよ~」と大地の声が。
「うん。消えたね~。参道に戻ろうか」と言い、参道の場所へ戻ろうとするけど。。。
先を歩いている遥と大地が「あれ、道なくなってるよ」と話している声が聞こえてくる。
うそやん・・・
よくよく周りを見渡してみると、明らかに木の種類が違う。こんな人のこぶしくらい大きいどんぐり見たことないし、葉っぱの形もよく見たら見たことないものばかりだし。。。
「お父さん、これって遭難ってやつ?それとも・・・。見たこともない花が咲いてるし、違う世界に迷子になったのかなぁ。」
不安そうな顔で遥が聞いてくる。
お父さんも、うすうすそうなのかもな、と思ってた。
「知らない場所だね。なんとか家に帰るように道を探そうか。」不安を顔に出さないように苦笑いしながら子ども達に話しかける。
泣きそうな表情に変わった子ども達の先頭に立ち、山の下の方に向かって歩いていく。不安で立ち止まった子ども達を励ましながら、木をかき分けて歩きやすい場所を選んで歩いていく。
子ども達も疲れてきたので途中で休憩をはさみながら3時間ほど歩くと、
ガサッ
「「「うわー」」」
草の間から白い塊が飛び出してきた。見た目は可愛いウサギだけど、おでこに角。しかも知っているウサギよりも明らかに目つきが悪い。
気のせいだと思いたかった。頑張って訳のわからん木や草は気のせいだ、と言い聞かせてきたけど、異世界確定じゃん。
思わず心の中でつっこんでしまった。
そのツノの生えたウサギは、じっとこちらを見た後、ツノを突き出して突っ込んでくる。慌ててバッグを前にてガードすると、すごい衝撃があり、よろめいてしまう。
バッグを見ると、ツノが明らかに刺さった穴が開いており、冷や汗が・・・。
これ刺さったらめっちゃ痛いやつやん。あたり場所によっては死ぬやつやん。
「遥、大地、そこの大きな木に隠れろ!」
恐怖を押し殺し、親の意地だけで叫ぶ。そしてウサギの注意を引くようにウサギを睨んで「こっちこうよ」と震える声で挑発しながら、反対方向へ走り出す。
安っぽい挑発の効果があったのかウサギが自分の方を目がけて走ってくる。子ども達を見逃してくれたことにホッとしつつ、これからどうすればいいか全く考えがつかないまま走っていく。
ウサギが追いついてきて跳びかかったところで、急に頭を押さえて座り込む。ウサギもビックリしたのか勢いよく頭の上を通り過ぎて、そのまま地面をゴロゴロ転がって草むらの中に。追い打ちをかけるように「うわー」と声にならない声を出しながら、バッグをブンブン振り回して追いかける。
頼むどこか行ってくれ~
思惑通りウサギはどこかへ走り去っていく。
それを見届けると、力が抜けたようにその場にへたり込んでしまった。
異世界怖いよ。かわいいウサギがいいよ~。
怖い思いをしたので周りをキョロキョロ見ながら山の下の方に向けて山の中を歩いていく。しばらく歩くと、人が通ったのか草が生えていない山道を見つけた。
ホッ。何とかなったかも。