ヒャクパーセントゼロ【WEB】
ヒャクパーセントゼロ
んん〜ん……どう見てもアレって、零だよな……?
何時かの帰り道……気が付けばここにいた。
最初は、真っ白いだけの世界だった。
歩いても歩いても……何も変わらない真っ白いだけの世界。
上も下も前も振り返る後ろも……真っ白いだけの世界だった。
大体さ! 本当に今、歩いてんだか進んでんだかさえも怪しい限り何だよな……?
ああ〜あ! 歩き飽きた! な〜んも変わんねえ……真っ白いだけの世界だからさ……。
どんだけ時間が経ったのか、経って無いのかもさ……わかんねぇんだよ?
な〜んもねぇ……。
何となくさ……何となくだどさ、自分の存在も怪しく思えて来てるんだよな……正直なとこ。
何で、ここにいんの……おれ?
ドン!
「ゼロ(気を付けろ!)」
え? 何かぶつかった? ゼロって言われたよな……? 今……?
振り返っても誰もいないよ……真っ白?
誰かいんのか? ここ……?
ドン!
「ゼロ! (どこ見て歩いてんだよ!)」
ドン!
「ゼロ! (危ないんですけど!)」
え……また……ぶつかったよな……? ゼロって、また言われたよ?
何だよ? ゼロってさ……?
ちょんちょん! ちょんちょん!
「ゼロ(道に迷ってるの?)」
えっ……今、ちょんちょんされたぞ?
「ゼロ(わたしの事分かる?)」
誰かいんのかよ?
「ゼロ(見えてないのかな?)」
誰か知んないけどさ! ここ何処なんだよ?
真っ白でな〜んもわかんねぇよ?
ゼロゼロ言って無いで、教えてくれよ〜っ!
「ゼロ(来て!)」
ギュッ!
おっ! おい? 急に引っ張んなよ?
グイッ! グイッ! グイッグイッグイッ!
そっちにいけば良いのかよ?
グイッ! グイッ! グイッ!
わ……分かったよ! 行けば良いんだろ!
訳の分からないまま、白い何かに手を引かれて進んでゆくとその先にゼロがあった。
何だよあれ? あれってゼロだよな……?
「ゼロ(これに触れて!)」
な……何すんだよ?
ピタ!
うおおおおおおおおおおおおっ……ゼ……ゼロのエネルギーがああああああ……み……漲る。
「みんな! 我らを救うゼロの使者が参られましたよ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!」
はあっはあ〜っ!
ゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロ……。
何崇めてんだよ? この白い奴らは? 俺の事を救世主か何かと、勘違いしてんじゃね……?
それに、いったいここ……何処何だよ!
このでっかいゼロは何なんだよ……?
ペチッ! ペチッ!
うおおおおおおおおおおおおっ……ゼロのエネルギーがああああああ……ビリビリ来るんだったあ〜……。
ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ! ゼロ!