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マイホームを贈ろう!③

「ふむ……」


 ワープも3度目ともなるとかなり落ち着いた様子の社長。


「ひゃゎぁ!? え!? 社長! とカズヒト様!? 一体どこから」


「なに、カズヒト様の魔法ですな。いやはや、世界は広い」


「すっごい! カズヒト様って瞬間移動もできるんですか!?」


「はは……まぁ一応……」


 正確には魔法じゃなくて魔術なんだけど……そこはどうでもいいか。


「では早速契約のほうをお願いします」


「かしこまりました。メイシャ」


「はーい」


 先ほどに続き、メイシャと呼ばれてる子がお茶とお茶菓子を出してくれる。


「ありがとう」


 ふむふむ……契約書ってこんな感じなのか。


 ずず、と静かに紅茶を啜りながら契約内容を確認してみる。

 特に問題はなさそうだ。そのまま必要事項に記入を進めていく。


 ふむ……名前……生年月日……現住所……はチャリーンちゃんの家か。後はギルドカードの登録番号……ん? おお、裏面になんか書いてある……知らなかった。

 複数の項目をすらすら埋めていくと……。


「保証人……か。やっぱアルカかチャリーンちゃんに来てもらうしかないかなぁ……」


「どうされました?」


「保証人の欄に書いてもらう人なんですけど、妻……まぁまだ結婚してはいないんですが、その2人に書いてもらうのがベストなんでしょうけど……実は」


 こっそり土地を買って、こっそり家を建てて、ある日いきなりバーン! と御披露目したいのだということを伝える。


「なるほど、サプライズというわけですな。いいでしょう。私が保証人になりなすとも。大英雄様ですからな。何も問題ございません」


「え? いいんですか?」


「ええ。もちろん。その代わりと言ってはなんですが……奥様方に披露された後、当不動産でカズヒト様一家の土地を販売した旨を店の前に書かせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」


「それくらい、全然平気ですよ!」


「ありがとうございます」


「こちらこそ! では支払いなんですが……どれが一番ありがたいですか? ギルド預金、現金、鉱石、魔石とか色々ありますけど。常時持ち歩いてるのでどれでも大丈夫ですよ」


 ダンジョンの品々を売却し続けていたことで、現金・預金共に3桁億じゃ足りない金額の貯蓄が出来ていたカズヒトである。正直20億の支払いに臆することはない。


「左様でございますか……でしたらギルド預金からでお願いします」


「了解です。では……」


 専用の機械にカードを通し、20億の支払いを行う。



 社長だけじゃなく、どこからかわらわらとやってきた社員さん達に囲まれ、お礼やら握手やらでてんやわんやになり、今日のところはそのまま帰宅。


 アルカやチャリーンちゃんにもバレずに済んだようだ。


 ふっふっふ、なんだか秘密の企みをコッソリやってるのってワクワクするな。子供心をくすぐられるっていうか。


 なお、心が子供に戻ったと思ったのも束の間。

 アルカとチャリーンちゃんに誘われるがまま3人で大人の欲望を吐き出してしまったのであった。



 ━━━━そして翌日以降……。


「よろしくお願いしまぁーす!」


「ガッハッハ、英雄のあんちゃんに頼まれたとあっちゃぁ全力でやるしかねぇやな」


「……英雄呼びは慣れてないんで……そのぉ……」


「なに恥ずかしそうにしてんだい! 堂々としてりゃいいんだよ!」


 珍しく、夫婦で大工をやってるライオスさんとレミンさん、それとその仕事仲間達に囲まれて、カズヒト・コートの……否、コート家の家の建築を始めていた。


「そ、そうですか。とりあえず、素材も資金もあるので、やりたい放題やっちゃおうと思います! まず……」


 責任者のライオスさんとレミンさんに概要を伝える。

 男のロマンがたっぷり詰まった家を作るぞ!

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