エピローグ
十種族の龍魔族と十一属性の魔道族を苦しめていた闇龍アルエスを倒し、魔界ガルドラに真の平和が訪れた。これにより、険悪になっていた魔道族と龍魔族達は、再び共存し合って暮らすようになった。
こうして、この魔界は新たな時を刻み始めた。
そして、いつの日か、この魔界の魔族達は語り始めるだろう。三人の龍戦士――砂龍王女リタ姫、水龍族の少年ヨゼフ、火龍族の少女ナンシーが闇龍アルエスを倒し、魔界に光を注いだという伝説を。
《ガルドラ龍神伝》という名の伝説は新たな章を刻み、物語となって今後も各龍族の子供達に語り継がれることだろう。少なくとも、リタはそう思っていた。
リタはフィブラスの城で自分の部屋にこもり、長旅と戦闘の疲れをとっていた。その時、彼女の部屋の戸を叩く音が聞こえた。
「リタ殿下、あなた宛てにお手紙が届いています」
近衛兵セルセインの声だ。
「ご苦労。そこに置いといて」
リタの命令に従い、近衛兵は手紙を彼女のドレッサーの上に置く。リタは早速、黄色の封筒の裏の差出人の名前を確認した。
(メアリーから?)
その手紙は、氷系魔道師メアリーからのものだった。その手紙には、こう書かれていた。
『砂龍王女リタ姫――
我々魔道族のために、そして魔界ガルドラ各地のために闇龍アルエスと戦ってくれてありがとう。あなた達のおかげで、お父様が正気に戻ったわ。
でも、今回の勝利はあなた一人の力ではなく、ヨゼフやナンシー、そして他の龍戦士達の力とが合わさった結果であることを忘れないでね。私もいつか、あなたのような立派な魔族になれるよう努めるわ。それでは、またいつか会いましょう。――メアリー
追伸 あなたなら、きっと良い女王になれると思うわ』
(メアリー……。性格はきついけど、本当は優しい魔族なんだね)
リタは手紙を読み終え、メアリーの気持ちを少しだけ理解することができた。
(私は未来に向けて、前向きに努め、これからの人生を歩む。それは私だけでなく、どの魔族でも同じことが言えるだろう)
リタはその思いを胸に抱きながら、一通の手紙をドレッサーの引き出しにしまう。
柊らくあです。この度、「ガルドラ龍神伝」の本編第1章に当たる「闇龍編」が完結致しました。ここまで読んでくださった方は、ありがとうございます。またいつか、新作を思いつき次第、公開したいと思います。それでは、いつかまた……。




