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ガルドラ龍神伝―闇龍編―  作者: 水沢らくあ
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三色の宝石の秘密、その2―ナンシーが語る宝石の秘密―

ヨゼフがペンダントとして水龍族の女族長からもらった《雫のサファイア》という宝石が輝きを見せたことから、ナンシーは自分達の一族に語り継がれている話を切り出す。彼女は、覚えている限りのことを、極力わかりやすいように話す。


 《闇龍のねぐらの話》――


(私がこの話をしても、みんなはわかってくれるのかしら?)


 ナンシーは既に語り始めているが、九人の理解に不安を覚える。《闇龍のねぐらの話》というのは、こういう話である。


『三つの種族の代表として闇龍と戦った戦士達の関係者達は、闇龍の力が完全に戻らないように、肉体だけを水色の砂漠の遥か南にある《ダブの遺跡》の更に真上の闇の空間アウン・ファレルに封印した。その時に初代砂龍王ラドダンは、砂龍族、水龍族、火龍族の秘宝である宝石を遺跡の鍵とすることに決めた。そしてこれが、他の種族の民に悪用されないよう、砂龍王ラドダン、水龍族族長ファーニア、火龍族族長フレアリスは、それらの宝石を自分達及び自分達の後継者で守っていくことを誓う。それは、今日まで続いている。――』


 自分が過去に聞いた話の記憶を頼りに、ナンシーは三色の宝石のことを話した。


「なるほど。それが本当なら、ヨゼフのペンダントこそが、遺跡の鍵の一つなのかもしれない」


 リタを始め、他の龍戦士達もナンシーの話に納得している。十人で一斉にケーキを食べようとした時、今度はリタの鞄やナンシーの首元から、先程の宝石と似たような光が見えた。


(まさか……。父上から餞別として頂いた、あの宝石が?)


 そう思ってリタは鞄から、白く輝くダイヤモンドを取り出す。ナンシーは、死別した両親の形見であるペンダントを首元から引き抜き、皆に見せた。


「もしかして、そのダイヤモンドは……」


 ナンシーの言葉に、リタは頷いた。


「そう、フィブラスから旅立つ時に、父上から餞別として頂いた宝石さ。『本来それは、王位継承者が持つべき物だ』って、言ってたよ」


 リタが話している間にも、ダイヤモンドの輝きは途絶えない。それはまるで、《流砂のダイヤモンド》とでも呼ばれているかのように、リタを正式な所有者と認めていた。


「流砂のダイヤモンドに雫のサファイア、そして業火のルビー……。これで、闇龍の肉体があるアウン・ファレルへの道が開けるんだね」


 リタは自分達の役目を一つ一つ噛み締めながら、言った。十人がまだ話を終えていない時に、トルード侯爵が部屋に入ってきた。ヨゼフ達は侯爵に対し、頭を下げた。侯爵は顔を赤らめる。


「これ、戦士達よ。そんな風に振舞われると、照れるではないか。それに私は、兄ほどの権力は持っていない」


 侯爵の顔は、真っ赤になっていた。リタは、自分が起きた直後に言いかけたことを、叔父に話す。侯爵は納得しているのか、口を開く。「リタ姫、あなたは明日か明後日にでも、このログテルを出発するのだな?」


 トルード侯爵は、確認するように訪ねた。リタは首を縦に振って答える。


「はい。魔道族のことも気になりますし、この旅を通じて気づいた点が二つありますから」


 リタは自分が気づいたことを含め、戦士達全員に話す。一つ目は、九年間に渡り龍魔族を苦しめていたのは、魔道族ではなくキア領主に取り憑いた闇龍の魂であったということ。二つ目は、この戦いは闇龍を倒さない限り、終わらないものであったということ。これらは全て、この魔界の存亡に関わることだ、とリタは思った。


 一刻も早く闇龍を倒さなければ、魔界のあちこちに悪影響が及んでしまう。バデリウスの樹海の木々は枯れ、植物も育たなくなる。《魔界の花園》と呼ばれるマライテスの町に咲き乱れる花達も、いつかは咲かなくなってしまう。


(私達の生活を取り戻すためにも、私達は闇龍と戦わなくちゃいけない)


 リタは、そう決意した。

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