初恋、笑ってごめんなさい。
【山下裕香】お前はいつも俺を慰めてくれたっけな、
初めて恋をした小1の夏……
俺は真理子先生に恋をした。それはもう初の恋だったから、とにかく心臓がバクバクして、先生相手だってことはわかってるのに先生の声を聞くだけでなんだかくすぐったくて、今すぐにでも叫んでしまう勢いだった……
そんな時、俺はお前に相談した。
だってそうだろ?
こんなこと他に誰に言えるというんだ。
最初こそ話を聞くのを拒んでいたお前だったが、いつの間にかしっかりと悩みを聞いてくれた。
そして色々アドバイスをくれたな。
そういや、あのときの結果は言ってなかったっけ?
まぁ、言わなくてもわかるよな、けど一応ハッキリと言うよ。
ダメだった。
そりゃ当たり前だよな。
でも何故断られたか知ってるか?
どうやら四つ葉のクローバーは幸せを運ぶらしいが、五つ葉は不幸になるらしい……
だからあの時の【幸運を高めて、お付き合い作戦】は失敗したらしい。
次にお前に相談したのを覚えてるか?
相手は同級生、当時で言うと小学4年の頃だ。
その子はいつも図書室に入って行って、いつも難しい本を読んでいたな。
俺はそんな彼女の清楚で優しげな雰囲気に魅了されてた。
そしてお前はなんて言ったっけ?
【焦っちゃダメ、まずは相手の興味ありそうな……そうねぇ、本の話題から入りなさい】
そうだ、そうだ。
お前はそんなこと言ったっけ、
で、俺はしっかり試したさ、本の話題から……な
これも結論から言おう。
ダメだったよ、話しかけてから気づいたけど、俺……
【字が読めないんだった……】
そして俺はすぐにまた新しい恋をした。
次ばかりはお前も頭を抱えたっけな、だって次の相手は人じゃなく物だったから。
相手の名前は【スクミズ】
正しき名称は【スクール水着】
初めてあったのは……?
わからないや、
けど俺はあの色、あの質感、あの形状、すべてに心を持ってかれた。
どうやってこの恋は進展させるか散々迷ったよな、でも今になってもあれがベストの答えだと思うよ。
【お前から貰ったスクミズ、今も愛用してるぜ】
あ、そうだ、
俺、図書室にウォーリーを探せを借りに行ってたんだ。
そしてそうこうしている内に俺はまたしっかりと生きている人間に恋をした。
たしかあの頃は高校二年だったけな?
俺も高校二年っていうからお前に相談するのはこれで最後にしようと思っていた。
相手は黒髪ストレート、成績は首席、運動は全国、さらには生徒会長。
まるで絵に描いたような人物だったよ。
俺はもちろん一発ノックダウン。
すぐにお前に相談して、どうしたらいいか聞いたよ。
でも、お前はなぜか浮かない顔をして、それどころかちょっと怒ってるような顔をして言ったよな。
【いつに……いつになったら私の番は来るの?もう疲れたよ……】
そして大粒の涙を一つ二つとこぼしたのを覚えてる。
はっきり言って、あのときお前がなにを言ってるのかわからなかった。
俺は突然泣き出したお前に慌てて……いや、この言い方はズルいな。
俺は一目散にアドバイスが欲しくてとにかく落ち着かせようと
【お前は俺にとって必用な友達なんだ】
と言ったよ。
するとお前はもっと泣いた。泣き叫んだ。
ごめん……
今なら謝れる。
お前の気持ちに気づいてやれなくてごめん……
【…………でも、いまさら謝ったってもう遅いか……だってアイツは】
アイツは……山下裕香はもうこの世にいないんだから……
裕香は次の日、いつも通り俺のことを起こそうと二階の自分の部屋の窓から俺の部屋へと移動しようとした。
だけどお前は足を滑らせた……
思い出したくもない、俺が昨晩使って干したスクミズに……
だけど、俺はその日だけ起きていたんだ。いや、正確に言うと眠れなかった。
俺の視界から裕香が見えなくなっていく、俺の窓からスクミズがずり落ちて行く、
気づいた頃には、庭には無惨な姿になったスクミズ、そして俺の右手に握られた裕香の手が……
3年後…………
【ねぇ、あなたー?私の保険証見なかったー?】
【あぁ、それなら置きっぱなしだからサイフの中に入れといたぞ】
【あ、ほんとー?ありがと、ふふっあったあった、「神山裕香」】
END
ごめん……なんか変なストーリー書いて本当にすいません。
読んでくださりありがとうございます。
感想やコメント、それからお題ををガンガン募集しているので、是非ください。
今回は本当に変な作品に付き合っていただきありがとうございました。