第四章
二人の気持ち。
そして変化の予兆。
第4章
こうして実際に交際を始めた訳だが、人前で一緒に歩くと新聞に変な信憑性が出てしまうので別行動を心がけていた。完全なガセまで信じられたらたまったもんじゃない。
現にこの前人形劇の後片付けをしている間に寺子屋の先生に「いつの間に相手を見つけたんだ?やるじゃないか。相手は私の知ってるやつか?」なんて聞かれてしまった。新聞のことを言っているようなので否定しておいたが、正直疲れる。相手が良い人であればあるほどに。
正直以前と変わらない生活を送っている。たまに魔理沙がやってきて、同じくらいたまに魔理沙の家に向かう。それだけ。変わったとしたら会話の内容ぐらいかしら。
いや、最近は個人的な事だけど研究中の環境が変わった。以前は完全に無音の静謐な中でやっていたのだけど、たまに魔理沙が香霖堂から持ってきた機械にリリカとミスティアの音楽を入れて聞くようになった。なんだか少しくらい周りに音があった方が集中出来る様な気がしてきたから。基本的には静かな所でやっているのだけど。
あと一つ。最近になってようやく完全自立式の人形の実験が少し進んだ。…と言ってもまだ完成はしてない。それにこれはいわゆる「コピー」を作り出す術式。今回はその辺の兎を持ってきて、兎の形をした人形に意識をコピーする。そして別々の場所で同じ刺激を与える。そうして反応を見たり、出来ればコンタクトを取って情報を集めてみようと思う。
今回は意識を一度剥離して魔力の数値に変換、複製し意識を再構成するといった段階を取ってみようと思っていて、今はまだ意識の剥離作業の大まかな定義付けが終わった所だ。
時間はかかるけど、机上の空論を捻り続けるよりかはよっぽど有意義でしょう。失敗したとしても学べることはあるでしょうし。
焦っても仕方ない。ゆっくり組んで行きましょう。
しばらくして毎年恒例の宴会のお知らせが来た。そう言えば前から魔理沙はこの宴会の幹事をしていた気がする。場所は…博霊神社?霊夢が許可したのかしら。魔理沙もいるし今年は参加してみようと思った。
はい、この辺りから徐々に変化が起きていきます。
まぁでも、まだまだ先は長い(?)のでごゆるりと。